【一日の流れ】
6:30頃 起床。深夜番担当看護士がおはようございますと挨拶しながら部屋の明かりを点灯。患者の体温と血圧を測って廻る。
7:40頃 朝食。
朝食後は患者各自が洗面したり朝の自主トレをしたり、好きに過ごしていた。
9:00~10:00 日勤の担当看護士が挨拶に来る。その日の診察、リハビリ、入浴などのスケジュールを確認し、前日のトイレの回数を質問される。
12:20頃 昼食
13:00(日祝は10:00)~19:00 面会時間
17:30頃 夜番の担当看護士が挨拶に来る。
18:30頃 夕食
21:30頃 深夜番の担当看護士が挨拶に来る。消灯。
【食事】
健康食であり、味は当然薄味だ。ただし、私は元々塩辛い味付けが嫌いなので、薄味は歓迎だった。アレルギー対応食や減塩食などの特別メニューもある。
私は自他共に認める痩せの大食いで、おかずの量が多くなければダメなタイプである。病院の食事の量では全く足りず、院内のコンビニで弁当やカップ麺を調達。病院食を含めて一日6食を取っていた。最後の3日間は私の飢餓を見かねた看護士のはからいで、おかずとデザートの量が1.5倍に増量され、大変助かった。
整形外科病棟の患者はケガで入院している。感染症や循環器障害、臓器不全というわけではなので、勝手に病院食以外の食事を取っても文句を言われることはない。私の場合、「飯が足りない」と訴えると、主治医は「院内にコンビニがあるから好きなだけ食べて」と笑っていた。
私は退院後、顔を会わせた知人全員から「痩せたな」と指摘された。大喰らいの生活だったが、自主トレの運動量が摂取エネルギー量を上回っていたようだ。
歩行開始後も安定して座り続けられる状態ではないため、手術後しばらくの間は寝たまま(ベッドの頭の部分を持ち上げるが)食事を取る。汁物や箸から滑り落ちやすい料理もあるため、スプーンがあると良い。
【風呂】
風呂(と言ってもシャワーだが)は週3回となっており、入浴の日は日勤担当看護士が挨拶に来たときに時間を確認する。私は13時頃からリハビリのスケジュールが入っていたため。入浴はリハビリ後に予約し、汗を流すようにしていた。
また、体の動きに問題があったり、処置のため体を濡らせなかったりするに患者のために、体拭き(週3回)や洗髪 or (週3回)もやってくれる。私は手術後、抜糸が済むまで入浴できなかった。また、ドレインが抜き取られるまでは体拭きや洗髪すらできなかった。
私の入院中の入浴関連は以下のとおり。
5月 9日夕方 シャワー
5月10日早朝 シャワー ※手術前
5月12日午前 体拭き ※ドレイン抜き取り直後
5月14日午前 洗髪
5月15日午前 体拭き
5月16日午前 洗髪
5月17日午後 シャワー ※午前に抜糸
5月19日午後 シャワー
5月22日午後 シャワー
以上からわかるとおり、10日から14日まで洗髪がなく、非常に辛かった。手術後の状況は想定していたので、入院前日に髪の毛をバッサリと切り落とし、スポーツ刈りにしておいた。
女性だとスポーツ刈りというわけにはいかないだろうが、可能な限り短髪にすることをオススメする。
抜糸後はシャワーを浴びることができたのだが、当然入浴中はコルセットを外した状態だ。床や足裏に残っていた石鹸で滑り転倒するなどして手術部位を損壊しないよう、動作には細心の注意が必要なことは言うまでもない。腰を激しくひねったら、腰椎にねじ込まれたボルトが折れたり緩んだりして再手術だ。
【睡眠】
仰向けの姿勢で寝ていると、手術部位をを圧迫し続け痛みが出てくるため、寝返りを打つことになる。
健常者は寝返りを打つとき、まず上半身を回転させ、続いて下半身がついてくる。このとき、腰をひねる形になる。しかし、腰椎固定術の手術を受けると、移植した骨の癒合を損なうため、腰をひねることができない。
安全に寝返りを打つためにはコツがある。仰向けで寝ている姿勢のまま膝を立てる。そして下半身と上半身を同時に倒す。こうすれば腰をひねらずに寝返りを打つことができる。
しかし、不自然で気を遣う動作になるため、一旦目を覚ますことになる。結果、入院中だけでなく退院後も充分な睡眠を取ることができない。常に浅い睡眠状態となるため、睡眠時間は通常よりも長い時間が必要になる。
【面会】
先述のとおり、病院の面会時間は13:00(日祝は10:00)~19:00となっていた。面会者は各病棟のナースステーションで受付し、看護士が患者の状態を確認した後に病室へ通される。
私の病室は6人部屋で手狭だったで、歩行ができるようになって以降は病棟内の談話室でお見舞いに来てくれた人と会うようにしていた。
面会謝絶部屋での面会は身内のみであるが、子供は患者につながっている管や医療機器を破損する危険性があるため、面会はできないと思ったほうが良い。
面会ではないが、手術時の家族の待機のため、家族待機室が病棟内に設けられていたほか、手術によっては長時間に及ぶものもあるため、待機中の家族の仮眠部屋やシャワー室などもあった。
【散髪】
入院期間が長期になる場合、散髪が必要になってくる。私が入院した病院には理髪店があったが、理髪店まで移動できない患者も多数いる。このため、院内の理髪店は病棟出張サービスも行なっていた。
【ベッドの周囲】
各病床には棚が大小1つずつ備えられており、このほかベッド上で食事ができるように配慮された構造の移動式テーブルが1台あった。しかし、全てが手の届くところにおいてあるわけではなく、棚の奥に置いた荷物などは立ち上がって取りにいく必要がある。
立ち上がるということは傷の痛みが伴うということ。しかも健常者のように体を大きく曲げることができないため、靴を履きにくい。ここでマジックハンドと柄の長い靴べらが大いに役立った。
マジックハンドは手が届かない場所に置いてある物を立ち上がらずに取ることができ、結果、痛い思いをせずに済む。棚に置いたおやつを取る。食事のとき、棚に置いた箸箱を取る。立ち上がるとき、靴を足元に引き寄せる。風呂のとき、パンツやズボンを引き上げる。などなど大変役に立った。私の入院生活中のMVPはマジックハンドだったことは間違いない。
また、体を折り曲げることができないため、靴を履くときには柄の長い靴べらが必要になる。マジックハンドでも届かない場所の物を取る、風呂、トイレ、洗面所、リハビリ、レントゲン撮影など、立ち上がる機会は無数にあるので、必ず用意しておきたい。
ベッド脇の小さな棚には有料カードで視聴できるテレビが置いてあり、その近くには電気コンセント、テレビアンテナケーブルの取付口、ナースコールの取付口、読書灯があった。私はテレビを見ない人間なので、テレビのコンセントを抜き、ノートパソコンの電源を挿していた。