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「【movie,or not movie】現実と虚構の境界線を無くす醍醐味 篠山輝信」:イザ!

2012-12-16 16:23:06 | 日記

□映画「塀の中のジュリアス・シーザー」
イタリアの郊外にある刑務所では毎年、演劇実習が行われている。
その年の演目はシェークスピアの「ジュリアス・シーザー」。
オーディションを受け、役をもらった囚人たちは稽古を繰り返し、そうして迎えた本番では観客の拍手喝采。
この映画のストーリーの概要を知ったとき僕はまず、荒(すさ)んだ心の囚人たちが、演劇という集団行動のなかでそれぞれが対立と葛藤を乗り越えながら本番を達成し、人として成長していく姿を描くヒューマン映画を想像したのだが、僕の浅はかな想像は見事に裏切られた。
笑える映画、泣ける映画、感動する映画はたくさんあるが、この「塀の中のジュリアス・シーザー」という映画が見た人に与えるものはそのどれでもない。
この作品の世界に自分が巻き込まれていく不思議な陶酔感は明らかに普段僕らが見慣れている「映画」とは一線を画する。
すごい体験だった。
こんな映画もありなんだ、と。
■役に入り込んで…
本番に向けて熱心に稽古をしていく囚人たち。
彼らは徐々にその役に入り込んでいく。
稽古は刑務所のそこかしこで行われていき、日常の中でもセリフを繰り返し始める。
そこに入ってくる別の人間。
いつまでも終わらない会話。
次第に観客はどこからが稽古でどこからが日常なのかがわからなくなってくる。
今、彼がしゃべっているのは劇のセリフなのか、日常の会話なのか。
役と囚人の境界が判断できなくなってくる。
気づくとその感覚はさらに敷衍(ふえん)され、いつの間にか刑務所はローマ帝国へと変わっていく。


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