自動車メーカー・マツダの本社(広島県府中町)の男性社員(当時25)が自殺したのは、長時間労働が続いていた男性に対して会社側が適切にサポートしなかったのが原因だとして、兵庫県内の両親が慰謝料など約1億1千万円の支払いを求めた訴訟の判決が28日、神戸地裁姫路支部であった。中村隆次裁判長はマツダ側の過失を認め、約6400万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は2004年4月にマツダに入り、06年11月からエンジン用部品の輸入業務を担当。07年3月にうつ病を発症し、翌4月に社宅で首つり自殺した。
判決は、男性が輸入部品のトラブル処理をさばくために自宅に仕事を持ち帰った分も時間外労働にあたると認め、「男性は仕事の影響で心身ともに健康を損なっていた」と判断。マツダ側は上司に男性とコミュニケーションをとらせるなどの適切な支援をする義務を怠ったと判断した。
また、上司が男性の自殺について「この忙しいのに」などと発言したとし、遺族に二重に精神的苦痛を与えたと述べた。雇い主側が自殺後の対応をめぐって賠償責任を命じられるのは異例。
マツダ広報本部は「ご遺族に哀悼の意を表します。当社の主張が一部しか認められなかったのは大変残念。判決文を入手し次第、対応を検討します」などとコメントした。(川田惇史、平賀正弘)
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