右足首に現役時代から痛みに苦しめられた“ネズミ”(遊離軟骨)がある。
趣味のゴルフなどを楽しむのにも支障が出るほどで、現地でのロンドン五輪取材から帰国したら、手術して取り除こうと思っている。
■裏方の中の裏方
引退した2場所前の1999年7月の名古屋場所。
私は十両に陥落してから最高位の東の筆頭まで番付を上げた。
現役の晩年に訪れた再入幕のチャンスだった。
「おそらく、これが最後のチャンスだろう」。
そう思って稽古に励んでいたとき、このネズミの激痛が襲った。
最後の踏ん張りどころで、痛みに負けてはいられない。
そう思った私は必死だった。
場所中は、支度部屋で整形外科の先生から痛み止めの注射を隠れて打ってもらい、土俵に上がる日々を送ることになった。
痛みを我慢していることは誰にも内緒にしていた。
同じ部屋の人間であっても、勝負師として弱みを見せることが嫌だったからだ。
しかし、そのことを一人だけ目撃している人がいた。
出羽海部屋の床山、床安さんだ。
床山とは、力士の髪を結う職人で、裏方の中でも行司や呼び出しと違って、観客の目にも触れることもない裏方の中の裏方だ。
現役を引退した後、「そこまでやるのかと驚かされた」と打ち明けられたことがある。
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