ワンアップなMacintoshマネージャーの私的センテンスVer9.2.2.

東京都昭島市の輸入車専門店「カーステージワンアップ」のマネージャー『ちょりた』が久しぶりにブログをご担当いたします。

XK181型オペルアストラ、ECUブロー★

2011年03月04日 20時29分33秒 | ワンアップなメンテナンス

ECU(エンジンコントロールユニット)に不具合が発生したというあまり聞かないトラブルで

2001年式オペルアストラ(XK181)が入庫しました。

スタート時は普通に走れるのですが、

30分くらい経つと勝手にトラクションコントロールが最大に作用し

エンジン出力を強烈に絞ってしまい自転車並みのスピードしか出なくなってしまいます。

診断機を繋げ調べると、どうもECUが熱を持つとハングアップしてしまうログが出ております

 

マジで~ECU本体ですか

 

X181のECUは構造上修理出来ないので

お客様から修理内容と料金のご了解を得て新品に交換です。

 

ECUとはこれ。横15cm位の小さなユニットです。

エンジン回転数や水温、スピード、燃料供給の量、イモビ情報など

車輌の各センサーからの信号を受け取り

リアルタイムに各機器を制御する高速電算処理箱です

 

パーツ価格は72,450円。高いか安いかというと、相対的には安いです。

メルセデスSクラスW220は約50万円、

アルファ166は約35万円もします

 

見ると製造元はシーメンスじゃん。

医療系の精密機器でもおなじみのメーカー。ただぁし~

シーメンスのクルマ用部品はダメダメです。よく壊れます

 

でも自分のクルマのどこにシーメンスが入っているかなんて

かなり奥までバラバラにしなきゃ分からんもん。

一般のユーザーさんなんてなおさら判断できないでしょう

 

そんなシーメンス製でも、

いままでECUは壊れなかったんだけどなぁ~

 

裏側はこんな感じです。

熱対策用の放熱フィンつきです。

完全密閉のため、ECU内で起きている不良箇所の修理も出来ない状態。

こんな作りなのでユニットごとの交換しかありません

 

 

もういらない不良ECU

お客様が中が見たいとおっしゃったので無理クリ開けてみました。

水没しても大丈夫なように上蓋が樹脂でばっちりコーキングされております。

緩衝材でしょうか、中の基盤がネバネバした液体に浸かっています。

特殊な絶縁体でしょうかね。エイリアンの口から出るヤツみたい。

2枚の集積回路で構成されております。

ネバネバに浸かっているということと、基盤がベースに貼り付いているので取れません。

たとえ不良部品が分かっても交換するのは非常に困難でしょうなぁ。

 

あれっなんかおかしな箇所が

チップタンタルコンデンサのひとつがちょっと膨らんで黒くなっています。

隣りの同一品と比べても明らかに違います。

なぜ変色してますかこれまさか焼けてますかこれ

コンデンサの典型的な痛み方(1)膨らむ(2)変色するのド真ん中な事象。

たかだかNo.106(静電容量10μF)&耐電圧25Vの低容量でイカレるですかねばびょ~ん

 

タンタルコンデンサは一個だいたい200円くらいの部品。

本当にこれだけの不良のみでしたら、交換できる作りになっていれば

ECUまるっと替えなくてもいいんですがね。

 

でも原点に返り、2001年式XK181アストラでECUが飛ぶ車輌がほとんど無いことを考えると

おそらくドイツはEPCOS社製の、この部品が元々耐久不良だったのかなとも思います。

 

 

たのむよ~EPCOSTDKの子会社なんだからさ~