昔からなんとなくは知っていた『走れメロス』を
読んでみた
あらすじとしてはこうだ
「主人公のメロスには両親がいなく
ただ1人の肉親として妹がいる
その妹は近々結婚することになったので
花嫁の衣装や祝宴の御馳走などの買出しに
メロスは街までやってきた
この街には親友のセリヌンティウスが住んでいて
過去にも訪れたことのある街だった
だがメロスは街に妙な違和感を感じる
住人に問いただしてみると
どうやら国王が原因であることが判明する
国王ディオニスが人間不信に陥り
次々に国民を処刑しているというのだ
それを聞いて
『メロスは激怒した』わけである
メロスはひどく単純な男で
すぐに短剣を片手に国王暗殺に向かうのだが
あっさり捕まってしまう
そこでメロスは処刑を言い渡されるのだが
妹の結婚式を控えているので
3日間の猶予を申し出るのである
親友のセリヌンティウスを自分の身代わりにたて
そしてメロスは親友を救うべく
数々の困難に立ち向かい城に戻る」
かなり大雑把ではあるがこんな話です
しかし改めてちゃんと読んでみると
今までは見えなかったものが見えてきますねぇ
メロスは街の住人の為に国王暗殺に立ち上がるわけですが
どちらかというと街の住人のため
というよりも国王の行い自体が
自分の正義に反する=許せない
国を統べる王のする事ではないはずだ
というのがメロスの中にはまずあり
人々の平穏な暮らしの事自体よりも
王の思想に納得がいかない事の方が
メロスを国王暗殺に突き動かした大きな要因に思えました
メロスの身代わりになることを快く(?)承諾した
セリヌンティウス
最悪、メロスの身代わりで自分自身が処刑されるにもかかわらず
承諾するわけですからそれほどにメロスとは
固く信じあっていた無二の親友だったのでしょう
まぁそれでもこれはちょっと理解し難いですが・・・
そして暴君ディオニス
本当は平和を望み、人を信じたいと願う人ですが
様々な人の裏切りや汚い部分を目の当たりにして
信じることができなくなってしまっている
ある意味かわいそうな人
いろいろな詐欺事件などが飛び交う
現代社会の人間の心理に一番近い人な気がします
(極端ではありますが)
まぁそんな国王だからこそ
メロスに3日間の猶予を与えたんでしょうけど
「いのちが大事だったら、おくれて来い。」
そうメロスに囁く国王のセリフは印象的でしたね
メロスは村に戻り妹の結婚式を済ませ
街に戻ることになるのですが
道中、様々な障害が立ち塞がります
ですが
一番の障害はやはり心理的なものでしょう
誰だって死ぬ為に戻るのなんてイヤですから
ここでもまたメロスのおもしろい部分を見ることができますね
自分が戻らなければ身代わりになってくれている
セリヌンティウスが処刑されてしまう
セリヌンティウスは自分を信じてくれているのに
これももちろんあるのですが
自分が戻らずに
セリヌンティウスが処刑されてしまった場合
自分は
裏切り者、悪徳者、などの不名誉な称号を
背負って一生を生きなければならない
「いのちが大事だったら、おくれて来い。」
そう囁いた国王の思い通りになる自分が許せない
というような自身の名誉のために戻る
こちらのほうが大きく感じます
『走れメロス』といえば美しい友情の物語
という印象が強かったのですが
こうして改めて見てみると
意外とそうでもないのかな
という今までとは違った側面を発見することができました
メロスが激怒したもの、必死になったもの
は
表面上は
街の人々の命
セリヌンティウスの命
を救うため
だが真に激怒した、必死になったものは
人としての在り方について
だったように思えます
ご挨拶
拝啓
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敬具