インテリアの書

文字を「書く」のではなく「表現」する

虫へんを遊ぶ

2013年07月02日 | インテリアの書
                         「蚊」 (半紙)



またまた更新が遅くなりましてててて・・です 

教室はちゃんと毎月2回、皆さまと楽しく過ごしておりましたが
なんだか私自身毎日やること満載で、追いつかず・・

さてと、と言うわけで早速。
前回の教室は「虫へんを遊ぶ」なぞをば。
この時期、虫も活動を開始しておりますのでね。

最初のは、参考に書いた「蚊」。
か細いキーンって音を立てながら、たゆたっているイメージで書いてみました。

でもって、こちらは安部さんの色んな「蟻」。半紙1枚の中に。


アップするとこんな感じ。大らかで暢気そうな印象です。


対照的に、繊細で儚げな蟻。


夏の盛りに働き疲れた蟻?  つらなって歩いているようにも見えます。


そしてこちらは「蛙」たち。



虫へんは、イメージが広がりやすいといいますか、書き始めると楽しいです。
と、私も書いてみました。こちらは蛙。 ぴょ~んって飛んでるイメージで。



「蛾」ぬらぬらと宙を舞うイメージで。


「蝉」体が固そうなので直線的に、点々はジージーと鳴いてるイメージで筆をいじめてぶつける様に。


「蜻」 蜻蛉(とんぼ)のつもりがカゲロウって感じかな。


これで完成ではありませぬが~いかがせうか 

そしてこちらはUさんの虫へんたち。
「虹」 滲みと、エの上下の横画をぐーっと伸ばすことで虹をイメージしますね。


こちらは「融」融けるをイメージされたんだったような?


たとえば虫へんの文字を、半紙という制約された中にどう空間を活かしながら
表現していくかという課題だけでも、1年かけて取り組むこともできるのでして。

どんな種類の半紙に書くのか、筆、墨色、線質、表情、空間、その組み合わせだけでも
無限に表現の世界は広がるわけで 

臨書の勉強はもちろん大切。
そしてそれと平行して、こういう遊びもまた。
羽目を外すのではなく、型からの解放、と言ってもそれが一番難しいんですけどねぇ 

えーっと、実はこの課題の前、5月の1回目の教室での皆さまの作品もあります。
順番が前後しますが、また明日にも 



賀墨書展のご案内

2013年05月06日 | インテリアの書
                              「共利群生」 


お教室にいらして下さっている植草さんも出品されている、第48回賀墨書展が7日まで
横須賀市民ギャラリーで開催中です。

↑の力強い金文の作品と、こちらは同人研究作品(課題:葉)ということで
このままインテリアとして飾れるようなパネル作品も↓



生き生きと伸びた線と、爽やかな2色のグリーンは、新緑の今の季節にぴったりですね 



私もいつもとてもお世話になっている、越智麗川先生の作品も出品されていらっしゃいます。
論語を色々と書かれた屏風作品です。





こちらはパネル作品の「葉」。
会場は照明が暗めでしたが、こうして拝見すると、木陰で光に滲む葉を連想して美しいなぁ・・と。



展覧会は7日まで開催中です。 地図はこちら→ 横須賀市文化会館




いろは・100均・灯り その2

2013年04月30日 | インテリアの書

前回に続いて、灯りの作品から。

こちらは倉科さんの作品。
和紙にいろはの文字を書いて、それをこちらも以前自分で組んだという籐を
ざっくりとくるんだだけのものですが、電球をつけると、ほ~らこんなに素敵 
中はこんな感じ↓



そしてこちらは~。
テーマのひとつ「100円ショップのものを使って何か創る」から、こんな素敵な灯りも。



いろは歌


こちらは般若心経。


これは、3枚で100円の小さいすのこを、1枚はのこぎりで半分に切って、
ねじ釘で工作したそうで。
え~!のこぎりで切って・・? と、みんなで思わず声をあげて、感動!



そして、この開いた部分に和紙に書いた作品を季節ごと、あるいは気分によって
貼り込むことで変えられるというもの。
すばらしいっ

なんでも前回の教室のあと、皆さんで100均に寄って、う~んこれは使えるかなとか
散策されたそうで

そうそう! それが楽しいあるよね 

でもって、倉科さん、こんな作品も。



左:プラスチックのトレーに、和紙に書いた作品を貼って、その上から鞄の
  コーティングなどにも使うビニールシートのようなものを貼って防水加工したもの。
右:お茶筒にも作品の上から、塩ビのシートを。
下:おしぼり置きに直接いろはを書かれて↓



プラスチックのトレーもこんな風にできるなんて~と、みんなで唸ってしまいました。
そういえば、おしぼり置きは、濡れたおしぼりを置いたときがどうなのか、ちょっと気になりますが
時間がたったら大丈夫かも

そしてそして~。
先日バーコードを見て こんな作品↓を思いついたという安部さんは



今回は好きなマチスの絵に挑戦してみました~と、草稿を見せて下さり



おお~見える見える~なるほど~と、ここでも唸り。
どうしたら、胸のラインがきれいに出せるかってことで、アイデアを出し合い。
これはもう職人技の域になりそうですが、仕上がりが楽しみですね~。

そして、爽やかなブルーで書かれた般若心経は、パネル作品にしようかな、と。



仮名をされていたという安部さん、いつも都会的な作品を作られるのです。



明日からは早くも薫風香る五月、空色に映える作品は、暮らしに季節を感じさせてくれますね。
毎回のことながら、皆様に圧倒されてばかりです。

先日、ここでもご案内した、ベストインテリア書展にお邪魔して、それぞれの作品と、
表具までも工夫を凝らした展覧会で、たくさん刺激を頂いてきました。

私もちょっと落ち着いて作品作りを楽しみたいなぁという思いが沸々と。
日々刺激を頂きつつ~に感謝です。

ではでは次回もお楽しみに~・・って、私も楽しみにしているのでした~ 

いろは・100均・灯り

2013年04月28日 | インテリアの書

先週の教室は、ぎゃ。。的なドジをしちゃいまして
何があったかって? ご想像にお任せしますです

さて早速本題に。
この日のテーマは、「いろは」「100円ショップのものを使って何か創る」「灯り」でしたが
皆さまミラクルに作品をたくさん創ってこられて、びっくり!

今日はUさんの作品からご紹介します。最初の画像の灯りです。

この白い提灯、なんと100円だったそうで。
広げて伊呂波を書かれて、もうご自宅で天上からぶら下げて使われているとのことで、写真を頂き。



割と薄い紙だし、立体的なところによく書けましたねぇと皆さまと感心しまくり。
中の電球は別途購入(されたんだったかな  )

そして、これも100均の竹の薄い板のようなものに、般若心経を木簡風に。
お見事! 文言の後半は裏にあり。竹は茶系の顔彩で、薄く色を塗られていて。



もひとつ、こちらは前回見せて頂いたはがき作品を、はがきサイズの板に貼り、
穴を通して結んで集印帳ならぬ、「心経帳」って感じに。



私が以前、木の板に心経を彫ってアルバムを作った(これ)のを写真でお見せしたら、
ピピピ・ピーン!と閃いた?そうで 


表紙はこんな感じ。この鮮やかな紫、黄色はアクリル絵具。

その絵具が余ったからと、色紙にこんな作品まで。




なんだか楽しんで書かれてる様子が伝わってきます。
私も何か創りたくなってきました~。

次回は安部さんと倉科さんの作品をご紹介しま~す。
お楽しみに~

般若心経チャンネル

2013年04月18日 | インテリアの書


先日の教室の皆さまの般若心経の画像を、まとめました~。
数枚ダブってるのがありそうですが~ごゆっくりお楽しみください。
 

蘭秀会書展とベストインテリア書展のご案内

2013年04月15日 | 展覧会のご案内



講師をさせて頂いている沙於里が、母と二人でやっている書道教室の
年に一度の習作展が今週4月18日(木)~4月21日(日)まで、開催されます。


地元町田市で始めた教室も今年で25年目、展覧会は20回目を迎えることになり
色んなことがあったなぁと、感慨深いです 

当初からのお仲間はだいぶ少なくなりましたが、今年は22名と、日展参与であられた
中平南谿先生(故人)の作品と母、私の計25名、約80点の作品を展示します。

20日(土)は、初心者のための体験教室「書道に親しむ」を開催します。
参加費無料、当日先着順受付です。


 午前11時~ 「点・画・線の書き方~楷書の基本」 by 母
 午後2時~ 「木簡」                 by 沙於里


お近くにお越しの機会がありましたら、お立ち寄り頂けるとうれしいです 
会場にいらして頂けましたら、どうぞお気軽にお声をかけてやってください。

私は18日の午後2時以降と、20日、21日は会場におります 


日頃より世話になっている、越智先生のブログ「忘己利他」と、
タウンズウェブの多摩のイベント情報欄でもご紹介下さいました。


沙於里のもうひとつのブログもよろしければ~ → 心の免疫力~書とことばから



そして、もうひとつ。



銀座 ベストインテリア書展 ─墨と線の協奏曲─

岡本光平さん主宰のCACA現代アート書作家協会の方々の展覧会です。

以前ご紹介した、同門の大先輩の 白子谿雪さん とブログでご縁を頂いた
デザイン書道家の 大谷美游さん からもご案内頂きまして。 


  会期:4月17日(水)~4月28日(日) 
           am11:00~pm6:00 最終日pm4:00まで
           ★4/17 pm2:00~岡本光平氏による作品解説あるそうです。


  会場:タチカワ 銀座スペース Atte
       東京都中央区銀座8-8-15 青柳ビル
       タチカワブラインド
       銀座ショールーム内 B1F
       TEL:03-3571-1373




蘭秀会展が18日~21日なので、伺えるのは最終日近くになってしまいそうですが、楽しみです♪


昨年お邪魔したCACA現代アート書展と白子さんの作品は、他にもこちらから
(←ずずいと下までどうぞ)ご覧になれます。


続・般若心経 その3

2013年04月14日 | インテリアの書

さてさて、今日は倉科さんの作品のご紹介です。
筆を持つのは子供の頃以来とおっしゃるも、毎回作品作りを愉しんでいらっしゃるのでして。

今回のテーマは、「般若心経」と「顔彩を使って書く」だったのですが、
教室の帰り道に早速、顔彩と布のボードを買われたそうで。

この布のボードは、私が参考にと、もう20年位前に同じボードに書いたものを持参したところ、
興味を持たれたらしく、早速一発勝負で書いてみました~、と。
仏さまも般若心経も書いたことがないというのに、この多字数をためらうことなくとは・・


そしてこれまた15年位前に、半紙半分位のサイズの和紙に、仏さまの絵と心経を32枚に分けて書いたものを
折本にまとめた作品を参考に~と見て頂いたのですが、またまたすぐさま、ビビビと来られた?のか、
家にあったインドかどこかの手漉き紙のノートを見つけて、おっ、これに書いてみよう!と思われたそうで。

一発勝負で、思いつくまま、言葉の区切れごとに1頁づつ、全部違うデザインで書かれたと。

 私   :どうやってデザインを考えたのですか?
 倉科さん:文字と言葉のイメージから、自然と表現してみたんですけど。

で、改めて作品を拝見して見ると、なるほど~と、みんなで唸ってしまいました。
その作品がこちらです。まずは表紙から。






















もうびっくりというか、感服しました。

書の世界は奥深く、極めると終わりはなく反省ばかりだったり、
公募展での入選を目標としたり、資格や身分を得ることも一つの生き方だったりもしますが、
この教室では、遊び心を大事に、書くことの楽しさ、感激、喜びを体感して頂けたらと思っています。

そしてその感激を、自分で工夫して手作りの形でお化粧して作品にしあげる、
つまり最初から最後までを楽しみ、いとおしみ、残していけたらと。

更に願わくは、見る人たちにも同じように、ワクワク、ドキドキを愉しんで頂いて、
私にもできるかな?できるかも~ちょっとやってみようかなって思って頂けたら、嬉しいです。

私自身、皆さまにはたくさん刺激を頂き、これから先の書との関り方のヒントを頂いています 




教室では、いつでもお仲間を募集中です。
書道教室ではないので、お手本があってそれをお稽古するという形ではなく、
一つのテーマを題材に、それぞれの表現方法で作品を作るヒントを一緒に探っていきます。

なので、書は全く初心者でも大丈夫です。
大事なのは、何かを「表現したい」と思う気持ちです。
今は漠然としていても、きっとその人らしい表現方法を見つけるお手伝いをさせて頂ければと思っています。

体験、お問合せはお気軽に、右バーのメッセージを送るから、またはコメント欄にご連絡先をご記入ください。
コメントは非公開で受け取れます。







続・般若心経 その2

2013年04月13日 | インテリアの書


さてさて、引続き~今日は安部さんの作品をば。

繊細で都会的な作品を書かれる安部さん。
最初の画像のは、バーコードをイメージされたそうで。

何でバーコード?と伺ったら、たまたまバーコードを見ていたら、ん!と思ったそうで。
その発想がすんばらしい!

拡大したのがこちら↓ 極細面相筆で書かれたそうで。
な~るほど~と、みんなで顔を見合わせて感動!



そしてこちらは更に更に細かい作業のはがき作品。



アップがこちら。ぼやけちゃてますが、一字一字が丁寧に、そしてそれぞれに生き生きとした表情があって。



こちらもはがきで、顔彩の色をさくっと入れて。









一字一字をじっくり眺めていると、遊び心のある楽しげで生き生きとした表情から、
小さなことで悩むでないよ~って元気をもらうのでして。

創作の楽しさは、見てくれる人がいるということもあるのでして。
ちょっとだけ驚かせたいとか、愉しんでもらいたいとか、そういう遊び心は
創作のエネルギーの素になるといいますか 

今、教室は3人ですが、きっとどこかにそんな思いがあるからこそ、
それぞれの個性溢れる作品が生まれるのかもしれないですね。
私も創作意欲を触発されています。

明日は倉科さんの作品をご紹介します 





続・般若心経 その1

2013年04月11日 | インテリアの書


昨日の続き、「続・般若心経を書く」の作品をご紹介しま~す。

まずは最初の画像は、Uさんの作品。
2×3版位の和紙に6人の可愛らしい仏さまと。



仏さまたちの色合いや表情は、やわらかくて温かくて和みます。

そしてこちらも、愛らしい仏さまの回りに般若心経をぐるりと書かれて。
内側から書くと、書ききれないってことがないんですよ~と。









こちらも~





更に~こちらははがきに書かれた作品。



更に更に~半切に書かれた作品。全体が魚の形になってるのでして。 お見事!




いやあ。。びっくりです。
もう、なんと言っても、愉しんでいらっしゃるのがすごく伝わってきます。

般若心経は、書く前に手を洗いうがいをして、正座して、きちんと楷書でというのが正しいのかもしれませんが、
私はこういう表現もありだと思っています。

お経というと、お葬式の時に唱えるものという印象の方もいらっしゃるかもしれませんが
般若心経は亡くなった方にだけではなく、今を生きている私たちにも唱えるものでもあるので
もっと身近に感じてもらえたらなぁと思っています。


この続きは、まだまだあるので、また順次、お楽しみに~


般若心経を書く

2013年04月10日 | インテリアの書
                            (半紙・部分アップ)


相変わらず更新が遅くて・・ です。

まずは3月の教室での皆さまの作品をば。
「般若心経を書く」がテーマでした。

最初の画像は、安部さんの作品。全体像はこちら↓
文字の一箇所を太くして、というデザインぽい作品。



264文字、統一感を持って全体のバランスもちゃんと考えつつ、の根気にまずは敬服。
線は細いのに弱いという印象はなく、一字一字は明るく楽しげなリズムを感じます。

そしてもう1点。こちらは「摩」の文字を大きく書いてから。
この雰囲気で、最後まで書くと半紙で何枚位になるのかしらん。
でも全体像も是非見てみたくなります。



そしてこちらは、倉科さんの作品。かわいいお地蔵さまもいらはいます。



倉科さんは、学生時代以来書道とは縁がなかったとおっしゃるも、ぐんぐんと個性を発揮されて
毎回みんなでびっくり~!な作品を持ってこられるのでして。

前回、般若心経の文言をちゃんと読んだこともないとのことでしたが、一気に書かれたそうで  
半紙にバランスよく収まっているところも、すんばらしい。。

もうお一方の作品は、残念ながら、かなりピントがぼやけてしまってて 

で、次回もまた「続・般若心経を書く」ということになり、この続きはまた明日。

この日はお彼岸だったということで、倉科さんが手作りのおはぎを作って来てくださいまして
一人一人にこのパック、6個入りを。 もちろんとっても美味しかったです