個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

見返してやりたい! そのエネルギーは大切

2018-02-01 10:31:40 | 教室から
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

ある生徒が元気がなかったので、授業が終わってから少し話をしたことがありました。最初はなかなか本音の部分を見せていなかったのですが、時間をかけていろいろと話をしてみると「先生、俺くやしいねん。今まで自分のことを勉強できないと決めつけてきたやつらを見返してやりたい!」と、えらい気合の入った口調で話してきたことがありました。

この生徒は、1学期はまだ成績がよかったのですが、2学期に入って勉強に対する意欲がなくなっていき、学校の授業の間もボーッとして集中せず、提出物などもほとんどしなくなりました。そうなったのは、よくあるパターンで、中学校にも慣れてきて、そして勉強する目的が見つけることができず、そのような状況の中周囲からは「勉強しろ、勉強しろ」と言われ続けて、さらにやる気がなくなってしまったようです。

小学生の頃は、それほどあれこれ考えることなく、毎日出される宿題を言われた通りにし、それが当たり前のように過ごしている子が大部分かと思います。ですが、中学生になりクラブ活動も始まり、宿題も毎日出されることがなくなり、そのかわりに定期テストというものが始まり、そのテスト前には大量の提出物をしなければならない。小学校から中学校というのは、通う学校が変わるだけでなく、子どもの周りの環境が大きく変化し、また見える世界もだんだんと広くなりますので、これまで当たり前だったことに疑問を持ち始めたりするのがこの時期なのです。

中学1年生の頃から高校受験を意識し、勉強していける子はいいのですが、多くの子どもたちにとっては高校受験と言われても、いまいちピンときません。何か目的を持てないまま勉強続けることはとても苦痛でしょう。中にはその苦しさに耐えることができず、勉強から逃げ出してしまう子もいるはずです。そうした子も、頭の中では「たぶん勉強はせなあかんのやろうな」とは思っているのですが、どうしても勉強に気持ちが向かず、その結果だんだんと勉強がわからなくなっていきます。そうなると、少し勉強しようかなという気持ちになっても、勉強がわからなさすぎてすぐにやる気が失せて、ますます勉強から遠ざかるという悪循環に陥ります。こういう子どもたちはきまって、「勉強なんかどうでもええねん。どうせ将来何の役にもたてへんし。高校もべつにどこでもええねん」と言います。

ただ、これが本心ではないことをわかってあげてほしいのです。自分が勉強できないことがコンプレックスになって、自分を守るための発言なんです。この状態の子どもに「勉強しろ、勉強しろ!このままだったら高校行かれへんで!」と言ってもよけいに反発して勉強しません。

結局は自分で勉強する目的を見つけていくしかないんですよね。でなければ1日に何時間も勉強し続けることなんでできませんよね。そういった意味では、「〇〇高校に合格したい! 定期テストで〇〇点以上とりたい!」といったわかりやすい目標ではなくても、前述した生徒のように「自分をバカにしてきた人間を見返してやりたい!」というのは素晴らしい目標ですし、高いモチベーションを維持できるでしょう。

私が大学卒業後ひきこもっているときに、不安とともに共存していたのは「今に見ておれ」という気持ちでした。いわゆる進学校を卒業したにもかかわらず、どこへも就職できずに引きこもっている私を周囲の人間はどう思っていたのでしょう。実際は誰も私のことをバカにしていなかったでしょうし、それどころか気にも留めてなかったでしょう。ですかコンプレックスの塊になっている私は被害妄想が激しく、どうせみんな俺のことなんてバカにしているんやろうと思い込んでいて、「いつかこのみじめな状態から脱出してやるぞ!」「いつか自分で働いて得たお金で好きなもん食べて、好きなもん買ったるぞ!」そんなことを毎日考えていました。あまりキレイな感情ではなかったでしょうが、この気持ちが私を引きこもりから脱出させてくれた大きな力となりました。

本心と口に出す言葉は異なるのが人間です。特に精神的にも不安定な子どもなら特にそうです。子どものネガティブな言葉の裏にある悔しい気持ちや悲しい気持ちを理解してあげることが大人の役割ですし、一方的に押し付けるのではなく一緒に見つけていくという姿勢が最も効果的なのではないでしょうか。

ちなみに、この生徒は3学期の学年末テストで目標通り、バカにしてきた人間を見返すことに成功しました。もちろん喜んでいましたが、この一瞬の爽快感だけでなく、テストで良い点数をとることの気持ちよさをまた味わいたいと思うようになり、このときから卒業まで順調に勉強をすることができ、見事志望校に合格しました。なにくそという怒りのエネルギーはとても大きく、それをうまく引き出せてあげれば好転することも多くあるのです。子どもは、もともと大きなエネルギーを持っています。しかし押さえつけたりすることによってそのエネルギーが減っていってしまうのです。そうならないように、子どもの本音を聞き出すことができるよう、親はもちろんのこと、私たち講師も子どもと信頼関係を構築することが大切です。


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