個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

講師の能力だけでは難しい

2017-10-21 11:49:04 | 教室から
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

ほとんどの中学校で中間テストも終わり、毎日生徒からのテスト結果を報告してもらっています。それぞれが課題を持ってテストを受けていますので、その結果は私もとても気になります。「先生、今回めっちゃよかったでー!」「目標達成できたー」と喜んでいる生徒もいれば、「あかん、もう終わったー」とこの世の終わりのような悲壮感漂わせる生徒もいます(笑)

定期テストというのは、本番の入試でもありませんので、失敗しても次に頑張ればいいんですし、失敗したのならその原因をしっかり見つけておくことが今後の勉強に必ず役に立ちます。何がいけなかったのか、自分でも反省することもできる貴重な経験です。とはいえ、受験生にとってはそんな悠長なことを言ってられないのも事実で、内申点を稼ぐためにはこの時期のテストはもう失敗できないような雰囲気となっています。

そんな受験生のうちの1人の話です。彼がONE-Sに入塾してから約1年半となりますが、入塾当初は驚くことばかりでした。まず、中学2年生とは思えないほど低い学力で、中学校の勉強はまったく理解できていませんでしたし、小学校の算数の計算が割り算以外がなんとかできるだけで、他の科目の知識はほとんどなく、一番困ったのは国語でした。語彙力がなさすぎて、国語の問題はもちろん、他の科目の問題も、問題文の意味がわからず、私との会話もスムーズにいかないこともありました。

どこから勉強していこうか、とても悩みましたが、このまま中学校の授業で習っている勉強をしても効果がないと判断し、小学校までさかのぼることにしました。小学生用の問題をするのですから、本人は「今さらなんで、こんな小学生用の問題をしないといけないのか」と当然疑問を持ちましたし、プライドが傷つけられたと思います。しかし、この勉強の必要性をしっかりと説明し、また小学生の勉強ばかりでなく、計算は他の能力に比べてできましたので、数学の計算問題だけは中学校の授業で習っている勉強をすることで本人も納得してくれました。

初めの3ヶ月ほどは、なかなか効果も現れず、彼も苦しかったと思います。私も彼の能力を完全に把握するのに時間がかかり、毎回「ああ、ここもわかってないな。この言葉も知らんねんな」など新しい発見ばかりでした。ですが、だんだんと彼の能力、考え方や性格など、勉強だけでなくいろいろな話をしていく中でわかり始めました。それから彼に合った勉強方法を試したり、私が説明するときの言葉も彼が理解しやすい言葉を使うことによって、ようやく変化が表れてきました。

ある日、塾に来た時に「今日の数学のテスト授業わかったで」と言ってくれたときには嬉しかったですね。小学校の3年生頃から、授業で理解できたことはなく、ずっとひたすらノートを写し続けてきただけの彼にとっては拷問のような授業だったのに、初めて黒板に書かれていることが理解でき、授業中に先生が出題した問題を解くことさえできたのです!その解けた問題を嬉しそうに私に見せてくれました。

ですが、まだまだ安心できるようなレベルでもなく、喜んでばかりはいられませんでした。毎月のように本人だけでなく、保護者の方とも懇談を繰り返していくにしたがって、次は家庭での過ごし方も変えていかなければならないということがわかってきました。それを保護者の方に伝えて、家庭でも彼の勉強に協力してもらうようにしました。勉強しやすい環境にしてもらうだけでなく、実際に宿題を一緒にしてもらったり、勉強以外でも彼にとってプラスになることをできるだけ多くしてもらいました。ご自身も働いておられ、忙しい中でしたが私がお願いしたことをすべてしてくれました。

もちろん、この1年半の間すべてが順調にきたわけではありません。予定通りに勉強が進まなかったり、成績が上がらなかったり、気持ちが凹んで勉強に対するやる気がなくなってしまったり。それでも、本人はなんとか必死で頑張り続け、またご家族も彼を励ましたり、勉強しやすい空間をつくってくださったり、みんなが1つにまとまって同じ方向を目指したことにより、今回の中間テストでも十分に高校進学できる点数をとれるようにまでなりました。

毎日5時間ほど、先生がつきっきりで勉強を教えることができれば、ほとんどの子どもは勉強ができるようになるでしょう。しかし、実際には塾で過ごす時間なんて平均して週2回だけです。その他の時間は学校や自宅で過ごすわけです。そのような状況で、講師だけの力で子どもの力を引き出しすことはかなり難しいです。もちろん、わからないところだけを教えて、どういった勉強をするのかの指示をし、それを宿題に出すだけで、どんどん成績が伸びる子もいます。ですが、勉強が得意な子ばかりではないのです。そういった子どもは、学校での授業の受け方、そして自宅での過ごし方から変えていかないと、なかなか結果に結びつきません。ただそれには、学校の先生やご家族の協力が必要となります。本人の努力は当然一番大切ですが、それをサポートする塾、そして家庭・学校が協力することで、子どもの力を引き出すことができ、子どもが前向きな気持ちになることができるのです。

受験まであと数ヵ月となりましたが、ここで気を緩めることなく最後まで頑張っていきましょう。

ONE-SのHP
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