表千家一期一会

大徳寺月次利休忌茶会




今日は
旧暦の一月一日


今年一年の精進を
利休様の前で
誓うために

早朝に家を出て

雲一つない朝焼けの空に
清々しく上るご来光を浴びながら


京都紫野に向かって
車を走らせました





今年初めての
聚光院月次利休忌

法要の始まる2時間ほど前に
門の前に参りますと

既に数名の方が並んでいらっしゃいました



私のすぐ前に
東京から来られたという
黒いお洋服を着た
ショートカットの女性がいらしゃいました


並んでお話をしているうちに
意気投合し

結局丸一日を共に過ごすこととなった
この女性が

私がかつてお茶の手ほどきを受けた
「つや」先生と同じ

「つや子」さんという
お名前だとわかった時には

不思議なご縁を感じました



今日は
この「つや子」さんとご一緒に
四つのお席に入らせていただきました


そして
最後にちょっとしたハプニングがあり
驚きました

さて
そのお話は最後にいたしますが


まずは
入らせていただいたお席のお道具について
印象に残っていることを
一つ二つ
思い出してみたいと思います


【聚光院・閑隠席】
不審菴ご担当


掛物は
如心斎 ふくら雀画賛

主茶碗は赤樂 銘暁雲

今年の家元での初稽古では
昨年の左海宗匠のことがあり
柳を結び柳にはなさらず
そのままに入れておられたというお話を伺い
お家元のお心を感じて胸がじんとしました


【三玄院】
ご担当 中島美智子先生


席入りすると
点前座の
珍しい「八景棚」が目をひきました

お床には
如心斎の掛物が掛り
その前には
如心斎の高弟 川上不白の香合が
置かれていました


同門誌一月号に
御家元が書かれていた

如心斎と碌々斎が
今年の干支 酉年生まれであったという文を読まれて

それまで考えていたお道具組を
直前に考え直すことにされ
それがまた愉しみであったとのことでした




【興臨院】
ご担当 井倉陽子先生


こちらはお濃茶席でした

しかも続いて点て出しで
薄茶もふるまって下さいました


お水屋の方々のお働きは
さぞや大変だったかと思いますが

思いがけず
ゆったりとした
贅沢な時間を過ごさせていただきました



好文棚に
膳所の黄交趾水指


大きな雪だるまをころがす
唐子の蓋置が愛らしく

お茶器やお茶碗には
近づく春を感じるお道具組でした



【瑞峯院】
 ご担当 佐川百合子先生


まずは
寄付きに掛けられた

緑色の陶板に驚きました

当代の大樋さんだそうです


お席は
長板に諸飾り

南鐐の皆具が華やかでした

琵琶床におかれた
インドの大理石で造られた真っ白な硯箱

その蓋にほどこされた
キラキラした紋様や

蘇山作の
象の形をしたエキゾチックな硯も
心に残りました



それぞれのお席で
待ち時間を過ごすうちに
時間はゆっくりと流れ

瑞峯院に入らせていただいたのは
三時過ぎの
最終のお席でした


お道具を篤と拝見させていただき
満ち足りた心でお席を出て

荷物をまとめて
玄関あたりまで来たところで

廊下の向こうから
前田昌道和尚様が歩いて来られました

そして
あの満面の笑顔で
私たちに声を掛けて下さいました



朝から
ほぼ丸一日
大徳寺の空気の中で過ごし

最後に和尚様に遭遇し
とても幸せな気持ちになりました



境内には
先日の雪が所々残っていて

それがまた
美しい風情でありましたが

陽射しはぽかぽかと

本当に
佳き一日でした。。。




さて

この後

今日の佳き日をご一緒させていただいた
「つや子さん」を
四条のホテル近くまで車でお送りし

再会を楽しみに
お別れをいたしました




そして
私は車を近くの立体駐車場に入れて

先日割れてしまったお茶碗の入った紙袋を手に
道具屋さんに向かって

夕暮れの雑踏の中を急ぎ足で歩いていました


その時です

あろうことか
ビルの入り口の
ほんの2センチほどの段差につま先が当たり

その瞬間
身体が大きく前につんのめって

だあ~っ!と

着物姿の私は
公衆の面前で
派手に転んでしまったのです

コンクリートの地面が
スローモーションで
顔に近づいてくるのを
どうすることもできませんでした
hi


周りにいた人たちが

「大丈夫ですかっ!!」と

驚いて駆け寄り

左右に飛んでいった
紙袋と和装バッグを
拾って下さいました



右の腰に痛みを感じつつも

その瞬間
手にした紙袋の中の茶碗が気になって
頭が混乱。。。


「いえっ 大丈夫です!」と

勢いよく立ち上がり
半分泣きそうな気分で歩き出したその時・・・



目の前に

数分前に別れたはずの

「つや子さん」が ふっと現れ

驚いたお顔で歩みよって来られたのです!





本当に不思議です



彼女は心配顔で
道具屋まで付き添ってきてくれました



ありがたいことに
袋の中のお茶碗は

今朝箱に入れた時と同じ状態で
収まっていました


「つや子さん」は
私と茶碗の無事を確かめると

お茶碗のことで
道具屋さんと話し込んでいる私に

再度別れを告げて

ドアの向こうに消えていきました



偶然にも

明日は

お世話になった「つや先生」の
元社中の方々とご一緒に

お茶事に出かけることになっています

このタイミングで
ホントに不思議です


先生は

今も私をずっと見守っていてくださるのでしょうか。。。



つや先生  つや子さん

今日は
ありがとうございましたmeromero2


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