本日は
社中のU様よりお茶事のお招きを受け
社中のお二方と共に
出かけて参りました
U様のお宅は
9階建マンションの最上階に
あります
マンション住まいのU様が
ご自宅で茶事をしてみようと
一念発起されたのは
今から三年前
元々和室の無かった室内に
三年がかりで様々な工夫をされ
この度お茶事のお招きに
あずかることに相成りました
9階までエレベーターで上がり
ドアが開くと
目の前にU邸の玄関がありました
U様は今から15年前
平成21年6月に入門され
帛紗捌きから稽古を始められました
途中出産・育児のために
1年半ほど休まれた後
稽古を再開し
以来たゆまぬご精進を重ねられ
盆点の許状をいただかれるまでと
なりました
茶事を催すことが
茶の湯の基本であり
目的でもあるという教えを
素直に受け入れ
これまで何度も茶事の裏方を
手伝って下さっていましたが
この度初めて
ご自身で茶事を催して下さったのでした
「マンション」という制約の中
また日常の生活の場を
様々に工夫されて
茶の湯の空間を
創造・演出されていることに
感服いたしました
歴史を顧みれば
利休以来
先人達はそれぞれの時代において
伝統を守りながら
時代に即した創意工夫をこらし
茶の湯を今に伝えています
不足を不足と思わず
むしろそれを逆手にとって
独創的な試みをすることこそ
茶の道の真髄であるはずです
伝統や格式と
創造・革新
そのバランスを如何にとるか
そこに個性や自由の入り込む余地が
生まれます
そこには
唯一の正解があるわけは無く
不正解もありません
そういう意味でも
本日の一会は
令和時代の試みとして
大変意義深いものであったと思います
茶事を催すにあたり
ひたむきに努力されたU様はもちろん
彼女を水屋で支えた社中のお二方
また同行してくれた二人の社中にも
心より深く感謝いたします