昔の望遠鏡で見ています

五藤6cm標準赤道儀の鏡筒

 五藤テレパック(画像の下側)と同じく五藤の6cm標準赤道儀の鏡筒(画像の上側)について、ご紹介します。全体的には、ほぼ同寸法ですが、フードの長さが前者の方が少し短いようです。その結果、後者がスマートに見えます。

 

 接眼部側を見ると、後者の鏡筒にはいわゆる理振法の丸いシールが貼ってあります。テレパックは理振法に適合しなかったので、シールはありません。後者は、理振法に準拠するものとして、若干後の年代に製作された模様です。理振法そのものについての知識はありませんが、鏡筒そのものについては、ほぼ同等の造りとなっているものの、下記の点が異なっていることに気が付きます。

 

 対物レンズセルですが、共に光軸修正機能はありますが、テレパックは3ネジしかありませんが、後者は、一般的な6ネジ式となっています。なお、テレパックのネジ部には板バネが入っており6ネジ式と同等の機能があるようです。対物レンズは、共に箔を使用しないタイプです。

 接眼スリーブの固定ネジが、後者には付いています。写真撮影等を行う際に、スリーブが下がらないように対策が取られています。またピントを合わせるつまみも、材質が異なっています(一つ前の画像参照)。

 

 アリ型については、鉄板を折り曲げたものと、アルミの引き抜き材が、それぞれに使われています。後者には、脱落防止用の突起がつけられています。

 

 接眼部と対物部の鏡筒への接続方法ですが、基本的にカシメが使われています。このテレパックは、入手時のカビがひどかったため、五藤にメンテナンスしてもらったのですが、その際にねじ止めに改良されたもかもしれません。というのも、他のテレパックの同部分が、カシメによる接合となっているだからです。なお、後者のフードの固定方法は、ねじ止め式となっていて、レンズの清掃について配慮されています。

 五藤は、アマチュア向けの望遠鏡の製造は既に行っていませんが、メンテナンスは継続している良心的な会社ですので、その製品は安心して使用できます。

 

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