にいはんは周回遅れ

世間の流れとは違う時空に生きる

OMNはTEAM GOGOの下部組織ですか?

2007-06-04 | オーマイニュース

先日、ばら撒ききれなかった号外を有料で販売するキャンペーンをやっているTEAM GOGOが、号外の見本ファイル(pdfですが重いのでリンク省略)を公開しました。全8ページ中の6ページ目と7ページ目が協賛団体の広告スペースのようになっていますが、その中に随分とたくさん、アスレポ関連団体がオーマイニュース(以下OMN)にコメントを寄せ付けず、キャンペーンをフォローする為に垂れ流した記事と重複する主張があります。とりあえず、順不同で列挙していきます。

 

カーボンニュートラルというのは、簡単に言えば木を切りますけどその分植林をしますという考え方の事。OMNにキャンペーンの実質PR記事が掲載されたのが5月17日。記事にも書かれていましたが、その為に大量の木材資源を使うのは方々から疑問視されていたのでしょう。5月28日にはそのものズバリ、木を切るのは悪いこと?というタイトルでアスレポに記事が掲載されました。この記事を書いたのは日本テトラパック株式会社。OMNとは、遅くとも映画「不都合な真実」の500円観賞キャンペーンを通じて関係ができたようです。

 

これはあからさまに団塊世代の退職金を狙ったPRです。NPOバンク・市民バンクといったものに対するリスクが一言も説明されていません。A SEED JAPANでは今のところこのような団体の設立を促す記事はアスレポに出されていないようですが、この団体が推進しているエコ貯金プロジェクト内のQ&Aによれば、NPOバンクには利息がつかず、元本が保証されないことが明記されています。また、画像の中にある未来バンク事業組合理事長の田中優氏は、リスクを負うことなく未来を作ることは出来ないので、皆様と一緒にリスクと責任を負う関係を作りたいといって出資を求めています。この手の団体の、体のいい資金集めともいえるでしょう。

そして、ここに書いてあるTEAM GOGOが計画しているNPOバンクも眉につばをつけてみる必要があります。まず、このプロジェクトで資金が余らなければ立ち上げられない事。次に、エコ製品を無料レンタルして、浮いた電気代を銀行に戻してもらうというまわりくどいシステムなので、貸金業登録を行わない可能性があるです。ここで紹介されているAP BANKは貸金業登録を受けていますし、貸金業登録を行っていない未来バンク事業組合も、融資を行う際には未来舎という登録団体を通じて融資を行っています。バンクと名乗りながら直接融資をせずに儲けを上げる団体とは、他のまっとうな金融機関が聞いたらどう思うでしょうか?

 

これもまたあからさまにアスレポに記事が出ています。記事にも書かれている通り、グローバル・ヴィレッジというのはフェアトレードカンパニーの母体NGOです。フェアトレードの根本的な思想は、先進国が貧困国からの搾取をやめ、正当な値段で現地から商品を仕入れることで世界の格差縮小を図る。それまで搾取されていた金額が産地に還元され、差額は貧困国の生活向上に役立つ。これが実現したら素晴らしいことだと思います。

しかし、それは全ての人が誠実にこれらの行為の意味を知って行動した場合です。この場合、てんつくマン氏をはじめとして、件のキャンペーンの関係者にもフェアトレードを推進している人が多数います。お金集めに必死な人がフェアトレードを行ったら、どういったことが想像されるでしょうか?現地での相場に少し色をつける程度の値段で材料を仕入れて、それを正当なフェアトレード商品として売ったら大きな儲けが出ますね。このような事を指摘して、本当に真面目にフェアトレードに取り組まれている方のお叱りを受けるのは覚悟の上です。でも、とにかくお金を集めましょうと周囲に声をかけてまわって件のキャンペーンを推進している人達が、フェアトレードでは神様か仏様のようになるとは思えません。

 

またまた、そのものズバリの記事がアスレポに掲載されています。記事を見てみますと、大地を守る会では二酸化炭素の排出量の単位を独自にポコ(poco)と名づけたそうです。私見ではこういった俺様ルールを提唱する人には用心した方がいいと考えているのですが、それは別にしても自分の会社で作った国産の有機野菜や無添加食品を販売するのに、安全性を強調するだけでは売り上げが伸びなくなってきたのでしょうか。昨今の輸入食品に対する不安を考えると、多少高くても国産の物を選ぶ人の割合は確実に増えていると思われるのですが、地球を守るというスケールの大きな話で消費者の目をくらまし、さらに割高な商品を販売しようという意図を感じるのは私だけでしょうか?

 

最後に紹介するのがこれです。何とも刺激的なキャッチコピーですが、アスレポの記事で紹介されたエコ貯金プロジェクトから更に一歩踏み込んだ過激な内容になっています。A SEED JAPANが進めているプロジェクトでは、○○円移しましたと宣言すると、それがプロジェクトの成果になります。これだけ移すといっている人がいる、地球のことを考えている人がいるという意思表示としては優れた方法かもしれません。しかし、今回は口座を解約してお金を移しましょうと言っています。しかも、移す先には前述のNPOバンク(利息なし・元本保証なし)リスクの説明も無く紹介されています。もっとストレートに「お金を私たちの団体に入れて下さい」とかアピールしたらいいのにと考えずにいられません。

他にもOMNの高橋建吉広報とつながりの深い辻信一氏が言いだしっぺの100万人のキャンドルナイトや、やはり辻氏が世話人を務めるNGOナマケモノ倶楽部のアンテナショップであるカフェスロー、呼びかけ人の1人である谷垣雅之氏が展開している居酒屋チェーンの話等々身内が身内を褒めあう広告が続々とありますが、今のところOMNやアスレポとは直接の関係はなさそうですので、紹介はこれ位にしておきます。

OMNは、アスレポという市民記者が口を出せない場所を利用して、配布しきれない号外を有料で販売する億単位のビジネスにこれだけ協力してきました。一連の画像と記事がこれほど似通っているのはただの偶然とは思えません。アスレポの発案者である高橋(建)氏の目的の一つはこれだったようですね。4月の札幌カフェでアスレポへの参加を申し込んだ市民記者にやんわりストップをかけた平野日出木編集次長に、今更ながら人としての良心を見ました。

平野次長には、ここでもう一段ステップを上がってもらって、現場責任者としてアスレポと関連団体、TEAM GOGOの関係を調査し、OMNで伝えて欲しいところですが、多忙を通り越した状態なのは理解していますし、あまりに危険な作業だと思われるので、ひょっとしたら予定されている世界市民記者フォーラムへの参加すら危ぶまれる状況になるかもしれません。

一時のOMNのように、特定の政治的主張が好んで取り上げられる状況もメディアとして好ましくないと思いましたが、それは節度ある多くの市民記者と、良識ある経営陣・編集部員によって少しづつかもしれませんが改善されてきています。しかし、特定の性向を持った団体の下部組織として、なりふり構わない金儲けをサポートし、問題点には目をつぶって擁護に回ってしまっては、これはもはやメディアとはいえませんし、そこに市民記者が存在する意味がありません

平野次長と心ある編集部員、OMNスタッフには、心身・経済面の御無事を祈りつつも、今こそOMNの持つ自浄作用を見せていただきたいと思います。

それとも、またキャンドルナイトのバナー広告が出てくるのでしょうか?


お金が無いのに100万番長

2007-06-04 | オーマイニュース

前のエントリの最後で少々触れましたが、任期満了に伴う青森県知事選挙が昨日行われ、即日開票の結果、現職の三村申吾氏が大差で2選を果たしました。

ところで、今回の青森県知事選の関係者の中に、ばら撒ききれなかった号外を有料で配布するプロジェクトを実行中のTEAM GOGOにおいて、100万番長に名乗りを上げている人が少なくとも2名います。六ケ所再処理工場の本格稼働の阻止を掲げて無所属で立候補していた市民団体代表の西谷美智子氏と、同氏の選挙対策本部局長を務めていた、るいるいサンタこと渡辺類子氏です。

西谷氏の選挙活動については、告示日を過ぎてから渡辺氏がブログでこまめに報告していたのですが、やはり公職選挙法に抵触するとの警告を受けたのか、5月25日付でそれまでのデータが消去されました。現時点ではブログで直接の言及は無いものの、そういう事を匂わせる文章を出しているだけ、新宿区議選での不祥事をひた隠しにしたままネット選挙解禁キャンペーンを張っているオーマイニュース(以下OMN)編集部よりは、余程しっかりした対応ができていると言っていいでしょう。言論機関の一員であるはずのOMNが黙して語らずで開き直り、個人ブログがそれなりにデータ一時消去の背景を説明しているのは、OMNにとって恥ずべき事です。OMNは彼女に頭を下げてネット選挙解禁キャンペーンへの協力をお願いするべきかもしれません。

これまでの背景から民主党が早々に自主投票を決定し、社民党県連に出していた推薦願も受け入れられなかった西谷氏には、さぞかし厳しい選挙戦だったことと思われますが、その状況で自身の主張が43,053人の有権者に受け入れられ、共産党候補に迫る得票を得た事は、本人や渡辺氏、そして西谷氏へのカンパを自身の日記で訴えていたてんつくマン氏にとって大きな収穫とも言えます。

西谷氏は4月8日に行われた青森県議会議員選挙にも弘前市選挙区から出馬したものの、得票は2371.334票(同一姓の候補者がいた為に比例配分票あり)にとどまり、立候補者8人中最下位という結果に終わっていました。今回は知事選で全ての事情が異なるとはいえ、2ヶ月前の約18倍の得票を得たわけです。

ただ、現実問題として西谷氏にとって残念なのは、得票が供託物没収点にわずか1,300票ほど足りずに300万円の供託金が没収されてしまう点と、公約の筆頭に掲げていた六ヶ所村での得票率が6.70%にとどまり、県全体の得票率である9.70%からは大きく下回る結果に終わった点でしょう。

それにしても、西谷氏とてんつくマン氏のお金の関係は不思議です。西谷氏が100万番長に立候補する一方で、てんつくマン氏は西谷氏の口座番号を明記して選挙資金の援助を求めています。そして、削除された渡辺氏のブログの記述によれば、資金が自転車操業状態で明日のガソリン代の捻出にも苦労し、宿泊代も無いので車で寝るしかないとのことで、必死の思いでカンパを募っていました。西谷氏がてんつくマン氏に責任を持って100万円を支払うと言っているのに、てんつくマン氏は西谷氏に選挙資金をカンパしてやって欲しいという。2人して貧乏合戦をやって互いに同情を集めるつもりなどはないと信じたいのですが、アタマが混乱して元に戻りません。

まあ、西谷氏にお金が無いのも当然といえば当然に過ぎる話です。2人の子供がいる普通の主婦が約2ヶ月の間に県議選、県知事選に出馬しながらてんつくマン氏主催の中国植林ツアーにも参加しているのですから。知事選の選挙資金についてはカンパで集めたという説と、多額の借金をしたという説の2つがありますが、どちらにしても楽な状況でない事は間違いありません。西谷氏は勿論の事、号外ばら撒きキャンペーンには100万円を集めて支払いますよと宣言している渡辺氏にしても、もし裕福な方であれば西谷氏に対して資金面でも援助をしていたのではないかと推測されます。

このような人々が、果たして号外ばら撒きキャンペーンに提供する100万円をどこから捻出したのでしょうか?

西谷氏は、今回の号外に100万円以上を集めた人として名前が載ることになっていますが、事務局ブログで発表している6月2日時点での100万番長による集計金額が100万番長の人数×100万円を下回っていますので、西谷氏が100万円を振り込んでいない可能性もあります。これは渡辺氏というか他の100万番長も同様で、以前にも紹介した祖父から借金をして振り込んだと自らのブログで明らかにしている人のようなケースを別にすれば、誰がいくらこのキャンペーンに100万円(を超えるお金)を出しているかは、外からでは全くわかりません

家族に反対されながらもそれを押し切り、当選の見込みが殆ど無い選挙に出馬する行動力は私にはないものですし、その点についてだけは心の中で一定の評価をせざるを得ないところですが、先立つものの見通しが立たないままとりあえずカンパを募って動き出す無謀さには首を傾げずにはいられません。

前のエントリでは川田龍平氏が100万番長に立候補する一方で、選挙資金のカンパを募っている姿勢を批判しましたが、少なくとも川田氏には万人が知る知名度と職業、著作があり、それなりの自己資産を持っていると考えるのが自然です。仮に一連の選挙活動で借金を背負ったとしても、当人の社会的信頼度を考えれば、返済は比較的容易でしょう。

ですが、渡辺氏のブログ等から窺える西谷氏と渡辺氏の懐場合は川田氏とは状況が異なります。こういった普通の人達が6月25日までに100万円を集めることが出来ずに、それでも100万番長を名乗った責任として不足分を立て替えなければならないとしたら、そのお金はどこから、あるいは誰からかき集めるのか?

お金には色が着いていませんから、一旦TEAM GOGOの口座に入ってしまえば浄財かそうではないかの区別をつけるのは非常に難解です。配布部数を1900万部も減らし、予算を3億8000万円も縮小したあげく、今になって余った在庫は有料で販売する事に変更したのですから、言い出しっぺのてんつくマン氏や中村隆市氏を筆頭とするキャンペーンの幹部やTEAM GOGO本体には懐の痛みが伴わない仕組みは出来ているようです。

ただ、末端会員や、その末端会員に依頼されてこのキャンペーンに寄付をした名もない一般市民は、いい事をしたという自己満足と引き換えにお金を差し出すだけの結末にならないといいいのですが。いや、このキャンペーンがビジネスに変貌した事実を知ったら、その自己満足すら得られないかもしれません。他人事ながら、大変心配です。

OMNの高橋建吉さん、PR記事を書か(さ)れている編集部員の皆さん、そうは思いませんか?