にいはんは周回遅れ

世間の流れとは違う時空に生きる

アスレポを広告に使う人

2007-06-14 | オーマイニュース

まず、これを見て下さい。今日のオーマイニュース(以下OMN)トップページです。本来広告が入るべき場所で、OMNが夏至に行うイベント告知をしています。このイベント告知の前は、世界市民記者フォーラムへの参加告知がこの場所を占めていました。

今回行われるイベントの申し込み期限は6月20日正午ですから、あと5日程度はこの場所に告知が載り続けるものと思われます。貴重な広告スペースにしては、随分ともったいない使われ方をしていると思います。最近ではこの場所に某映画試写会の告知が出ていた記憶もありますが、その時はOMNの単独開催ではなかったので、映画の配給元等から掲載料が出ていた可能性もゼロではありません。しかし、OMN単独のイベントにOMNが掲載料を支払う可能性はゼロです。

そんなOMNで一見広告のように見えるコーナーが、高橋建吉広報担当の企画だというアスレポです。参加企業・NGO・NPOは市民記者規約に同意して記者登録をしているとの事ですが、市民記者規約に抜け穴があることは先日指摘したとおりですし、実際に、自分達の活動のPRが記事の殆どです。ひどいものになると、アスレポを使って個人の主張をし、自らの活動を紹介する、要するに一般の市民記者が書く記事と何ら変わりのないものが掲載される事すらあります。

アスレポにはコメント欄がなく、記事への質問や意見がある場合はOMNにメールで行わなければなりません。誰がどのような質問をしたかは表に出ないというわけです。そして、1日に30本前後の記事が掲載され、一般の記事のタイトルがトップページに掲載されている時間が24時間を上回る為には「読者が選んだ注目記事」欄にピックアップされるしか方法が無い一方で、アスレポ掲載記事は3本先の記事が出るまで、トップページの目立つ場所に掲載されています。

好きなように自分(たちの団体)の主張が行えて、コメント欄でそれを批判される事もない。アスレポとは掲載している人達にとっては天国のような場所でしょう。しかも、NGO・NPOに至ってはアクセス数に比例した原稿料まで支払われます。掲載から1週間限定ですが、自分の記事をワンクリックすると、その度に1円の収入です。額は少なくてもクリックするのは楽しいだろうと、ケチな私はつい考えてしまいます。

とは言っても、アスレポに記事を掲載している各種団体の中で、最もこのコーナーを有効活用していると思われるのはNGOでもNPOでもなく、株式会社大地であると思われます。記事を読む限り、この団体は企業なのか環境NGOなのかよくわからないのですが、直近の記事では100万人のキャンドルナイトを大々的に宣伝しています。しかも、記事の中には高橋(建)広報とつながりの深い辻信一氏が世話人を務めるNGO「ナマケモノ倶楽部」の紹介まで含まれている念の入り様です。

キャンドルナイトのイベントは昨年の冬至にも行われました。当時のOMNトップページには、かなり長い間サイトへのリンクバナーが貼られていました。ちょうど、今現在イベント告知が掲載されているあたりだったと思います。あれが広告なら(OMNがこのイベントに協賛しているという話を聞いたことはありませんし、広告でないはずはないのですが)かなりの費用がかかっていたはずです。ある編集部員が掲載した2本の関連記事も、スポンサー絡みのイベントならば納得できます。

ところが、今回は「アスレポ」での記事掲載です。企業からの投稿部門である CSR REPORT については「原稿料を支払わない」とあるだけですが、この文面からはおそらく掲載料も取っていないものと思われます。PR記事にはPRと明記するのは、過去の例からしても当然の事です。

広告スペースに自社イベントの告知を出し、アスレポに一部社員と親しい団体のPR記事を掲載するようになったOMNの収益構造は、一体どうなっているのでしょうか?