とあるスナックで
小林
ママ、またまたコーさん、酔っちゃいましたね。
ママ
そうねー、また夢でも見てるのかしら。
コー
ブツブツ、ブツブツー。
「殿、相談があるのですが」
「なんじゃ、銀行屋」
「実は、A国とＢ国が戦をしようとしてるんですが」
「なんかあの国同士は、顔を合わせればいつも喧嘩ばかりをしておるからの」
「そこでA国もB国も、私のところへ金を借りたいと申し込みがあったのですが、お金を貸し出してもよろしいですか」
「いいもわるいもないよ、お前の金だ、好きなようにすればいいだろう」
「有り難うございます。そこで殿にお願いがございますが。」
「なんじゃ、言うてみ」
「実はもし両国とも返済ができなくなった時なんですが」
「担保はなににしたんじゃ」
「はい、A国は港があったので、その港を９９年使用できる権利ですね」
「うむうむ、そしてB国は」
「B国は、資源も何もない国でして、仕方がないんですが、若いおなご９９人頂くということにしました。そこで、もしその約束が守られないときは、殿に助けていただきたいのですが、いかがですか。もちろんそのお礼はしっかりさせていただきます。港が使えるようになれば、莫大な使用料が入ってきますので、その半分を。そしてB国のおなご９９人がもらえたときは、５０人を殿に、いかがですか。」
「うむうむ、いいではないか、その話。もし担保が取れそうもない時はいつでも言ってきてくれ、すぐにうちの若いもんを派遣しようではないか。うちの若いもんも最近は、練習練習、訓練訓練ばかりで、そろそろ実戦をさせたいところだったんだ。
ところで、銀行屋。
A国とB国の戦はおぬしが仕掛けたのではないのかな。」
「殿には隠せないですね、その通りです。簡単なんですよ、実は。まず、B国の軍服を着せたものに、B国からA国に向かって鉄砲を撃たせるんです。そして次に、A国の軍服を着せたものに、B国に向かって鉄砲を撃たせるんです。それでたいがいは、戦が始まります。鉄砲を撃ったものが捕まらないように十分注意は必要ですが、バレちゃ、元も子もないですからね。」
「銀行屋、おぬしも、やるのう！！」
ブツブツ、ブツブツ――。
ママ
ちょっと、コーさん。そろそろ起きてください。
お願いしますよ。
