「レインフォーレストパール」
フィンガーライムの接木苗。何も分からない状態での1年目の生産が懐かしく思い出される。情報は英文しかなく、辞書片手に読み、取り合えずアメリカの文献より「カラタチ」台木がベストであることは確認できたので取り合えず接木をした。
このフィンガーライム、作ってみないと分からないことばかり。柑橘は、春芽が出て自己剪定、次に夏芽、秋芽が出てその苗木の1年を終えるのが常識。この品種には、そのサイクルが無く、1年中自己剪定することなく、伸び続ける。そして、充実した枝元からは新芽を吹き、またその新芽が充実すると新たな萌芽が始まる。だから別名ブッシュ(bush)キャビアと呼ばれるような樹形になる。
初年度は知らないものだから自然形で生産した。当然自己剪定しないので、頂芽は充実することがない。よって、全枝の頂芽から枯れが起こり、酷いと接木部近くまで枯れる(Die back現象)。翌年からは、この経験を活かし1本仕立てとして、これを回避した。但し、枝頂部は充実してないこと、苗根部に近い所から萌芽が始まることより、出来るだけ短く剪定しての植付を推奨する。
試験用に植栽した樹は芽が出ないので心配したが、接木部に赤芽が膨らんできて安心したのを思い出す。右写真の赤芽が新芽で、その横の緑色新梢は台芽である。
5年前に植えた母樹のグリーンは2年続けて冬期寒害で枯死、ピンクは初年度に植えた苗が5度目も無事越冬できた。レッドは1回目の越冬に成功した。
果皮・果肉共に紅いフィンガーライム。福岡県の気候下で、無加温ハウスで管理、ポット栽培の状態。よって、ある程度条件さえ合えば、他紅系品種も特性通り、果肉も濃い紅を呈するであろう。紅色に関しては、気温により濃淡がある気がする。黄色系は未だ結実せず試験中、乞うご期待。
果皮・果肉共に紅いフィンガー。福岡県の気候下、軒先で、毎年安定した収穫を上げる。寒さにもある程度強く、将来の定番品種か。
*http://www.ykken.jp/15250620917467 より
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