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<経産大臣指定伝統的工芸品> 岐阜 美濃焼

2021-05-04 05:52:31 | 経済産業大臣指定伝統的工芸品

 「美濃焼」

 Description / 特徴・産地

 美濃焼とは?
 美濃焼(みのやき)は、岐阜県の東濃地方で作られている焼き物です。歴史と伝統に支えられながら、現在の生活にも溶け込んでいます。
 美濃焼の特徴は多様な種類が存在することです。美濃焼は1つの様式を持たず、15種類が伝統工芸品として指定されています。
 代表的なものは千利休によって確立され古田織部の美学によって作られた「織部」です。主に瀬戸黒天正年間に焼成されたため、天正黒・引き出し黒という呼称もあります。緑釉(りょくゆう)の深い色と個性的な形、幾何学的紋様の装飾が魅力で、作風によって黒織部・青織部・総織部などの種類があります。また「志野」は、釉薬(ゆうやく)の下に絵付けが施されたという点で、日本の陶器の歴史上で画期的な焼き物とされています。薄紅色が美しく、長石釉(ちょうせきゆう)による気泡状の風合いがある志野の最盛期は桃山時代でした。
 人間国宝の荒川豊蔵が尽力し、江戸時代にいったん姿を消した志野を再現し、現代にも息づいています。同様に近代になって再注目された「黄瀬戸(きぜと)」は、控えめで素朴な趣きがあり、人気のある美濃焼です。
 History / 歴史
 美濃焼 - 歴史

 美濃焼は、5世紀頃に朝鮮半島から須恵器とろくろ、穴窯が伝えられたことを機に始まります。平安時代には、灰釉(かいゆう)を施した白瓷(しらし)という、須恵器を改良し釉薬(ゆうやく)を使った陶器が焼成されました。安土桃山時代から江戸時代はじめまでは、茶の湯文化を反映した芸術性の高い焼き物が多く生産され、織部や志野、黄瀬戸など美濃焼を代表する焼き物が隆盛を極めました。
 17世紀後半からは生活雑器が生産され、磁器の白さをめざす白釉を施した「太白」が焼成されます。江戸時代末期には磁器の製造が始まり、透光性をもつ長石質磁器が作られました。
 明治時代に入り、染め付け顔料の唐呉須(とうごす)の輸入開始により発色が安定し、銅板やスクリーンプリントなど様々な技法が開発されました。明治時代中頃には日常生活雑器の生産を開始し、低コストを実現するために製品別分業が発展します。大正時代末期には、電気の供給開始により機械化が進み生産規模を拡大し、窯も登り窯から炭釜へと変容しました。昭和時代に入ると、高級品の生産やタイル製造もはじまり、美濃焼は名実共に日本一の生産量を誇る焼き物となったのです。

*https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/minoyaki/ より

 美濃焼への想い
 400年の歴史を持つ美濃焼には志野、織部、黄瀬戸、瀬戸黒などの種類がある。「土練り3年、ろくろ10年」と言われる陶芸の世界で生きてきた職人に、美濃焼に対する思いと願いを語ってもらった。

 
 陶芸一筋
 林耕造さんは陶芸の町土岐市で生まれる。中学を卒業する頃には自分は窯業に関わるものだと思っていたという。高校では窯業を勉強する。「単に他の仕事を知らんかっただけです。後になってから他のこともやれたのではないかと考えたこともありました」とはいうものの、窯業に対する思い入れはかなりあったようだ。「輸出用の洋食器を作っていた親の仕事を見て、もっと良いものが作れるのではないかと感じていました。」卒業後は磁器を得意とする加藤幸兵衛に弟子入りする。そしてそこで10年間、生活用具としての和食器の勉強をした。28歳の時に独立し、土岐市の五斗蒔地区に工房を構え、現在に至っている。


 作った人の温もりが残っている
 大規模な工場で作られた陶器が巷にはあふれているが、その一方で手作りの陶器を求める人も多い。比べてみると、どことなく違う。その違いを多くの人が求めているのだろうが、それは一体何なのだろうか。「作った人のぬくもりが残っているからではないでしょうか。作り手はそんなに意識していないけど、土づくりから一貫して作り上げるから、その辺でちょっとした違いが出てくるんじゃないですか」と林さんは語る。「ただ、そのちょっとした違いを生むのは過去にどれだけ仕事をしたかによると思います。1年や2年では出てきません。」このちょっとした違いを生むために職人は日々努力しているのである。手作りの陶器にはこうした職人たちの過去が映し出されるから惹かれる人も多いのかも知れない。


 もっといい物を作ろうと決心
 林さんが陶芸の世界に入った当時は、輸出向けの陶器の生産が盛んな時期だった。工場の規模も大きくなり、作業の分業化が進んでいった頃である。林さんは「分業化されたものではなく、一貫した仕事を身につけたい。そして大量生産のものよりもっと良いものを作ろう」と決心して、土を作り、生地を作り、絵を描いて、焼くという伝統的な陶芸の技術全般を身につけていった。林さんが得意とするのは青白磁。「修行中に見た磁器の印象が強くて、以来磁器にはこだわっています。」他にも五斗蒔地区で採れる五斗蒔土を使い、粉引、織部、黒織部なども作る。

 食器は使ってもらってこそ
 林さんの作った製品には「林」の字をモチーフにしたサインが記される。また、公募展などに出展する作品には名前の「耕」の字を記す。それらは林さんが責任を持ってひとつひとつ書き込むもので、品質保証書のようなものである。林さんは言う。「色んな食器を料理で使って欲しいですね。使い方はそんなに気にしなくていいと思いますよ。気に入った器を買って、好きなように使ってもらいたいです。そうすれば料理もおいしくなりますよ」かく言う林さんは自作のコーヒーカップで焼酎を飲むのが日課になっている。「とにかく使ってもらったらわかりますよ」そう言いながら林さんは目を細めた。


 こぼれ話

 武将で茶人古田織部

 美濃焼と言えばまず有名なのが「織部焼」です。作為的にひずませた非対称の大胆な形、斬新な幾何学的図柄、織部釉と称される美しい緑色に代表される斬新な色彩が織部焼の特徴です。この「織部」という名は「古田織部」という人物がその器を好んで使ったので付けられたものです。
 さて、その古田織部なる人物はいかなる人間だったのでしょうか。なんと言い伝えによると天下一の茶の湯の名人であり、かつ戦国武将であったと。お茶については千利休の高弟、武将としては信長、秀吉、家康に仕えたそうです。何とも不思議な経歴です。
 織部焼が史実に登場するのは1599年2月28日。古田織部が開いたお茶会で使われたと記録されています。ゆがんだ器で出されたお茶に一同驚きを隠せなかったようです。
 今はこの2月28日を「織部の日」としています。皆さんも是非この日は織部焼でお茶を飲みながら不思議な古田織部について思いをはせてみてはいかがでしょうか。

*https://kougeihin.jp/craft/0406/ より


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