「いわしの卯の花漬け」
主な伝承地域 北部地域
主な使用食材 イワシ、おから、柚子
歴史・由来・関連行事
全国屈指の“農業県”として名高い茨城県だが、その一方で、“漁業県”という一面も持つ。県の沖合は、親潮と黒潮が交差する豊かな漁場で、季節ごとにさまざまな魚介類が水揚げされる。北茨城市の大津漁港・平潟漁港では、サバやイワシなどが多くとれ、大津漁港は県内随一の施網漁港として年間数万トンの漁獲量を誇るほど。水揚げされたサバやイワシは新鮮なうちに刺身や焼いて食べるほかに、丸干しや缶詰などの加工品にもされ、いまでは海外にも多く輸出されるほどである。
そうした海の幸に恵まれた茨城県で、長く親しまれている郷土料理の一つが「いわしの卯の花漬け」である。「いわしの卯の花漬け」の「卯の花」とはおからを指す。豊富にとれる新鮮なイワシを長く味わえるよう、時間をかけてしっかり酢と合わせたおからに漬けることで長持ちするため、地元では保存食としても重宝されてきた。
食習の機会や時季
「いわしの卯の花漬け」はおせち料理としても食べられていたため、各家庭では11月くらいからとれるマイワシを使ってつくっていた。おせち以外にも日常の保存食として食されてきた。
飲食方法
新鮮なイワシの頭と内臓、骨を取り出して水洗いをしたら、塩を振って数時間寝かす。その後、水で塩気をとり、10時間以上酢につける。10時間漬けたら、砂糖を加えた酢に、さらに10時間漬ける。しっかり酢漬けすることで保存力が高まる。一方、おからも酢と砂糖を入れて炒った後、冷まして味を馴染ませておく。最後に、酢を切ったイワシとおから、柚子の皮、赤唐辛子、ごま、塩を混ぜていただく。お酒の肴にも、ごはんのおともにも合う料理。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
市内の店舗で販売されているものを購入することができる。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/iwashinounohanazuke_ibaraki.html より
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます