■ パーツの形態分類
山手線を走った電車たちをつくるプロジェクトもいよいよ最後の形式を迎えました。今回は旧性能電車となる73形です。この73が山手線に姿を現したのは、まだ戦時中のときでもある昭和19年のことです。ただし本来の73ではなく戦時設計のロクサンと言われている63形でした。
73はこのロクサンを改修したのちの形式です。当時は17m車の11形や木造電車が幅を利かせていた時代で、混雑緩和のために20m車であるロクサンが投入されました。戦後も73形は投入が続きましたが、山手線はホーム延長の関係で20m車化が遅れ、中央線や京浜線に優先的に73形は投入されたようです。
プロジェクトでは、戦後からしばらくたった時期、73形特有の三段窓が並ぶ編成を作りたいと思います。
私も山手線ではありませんが、高校時代の通学で73形は毎日乗っていたので、愛着のある電車で、Bトレにも力が入ります。
さてそのBトレですが、パーツの組み合わせにより、様々なバージョンの73が作れるようになっています。しかしその反面、肝心の形式が作りにくくなっています。
どのようなパーツがどの形式に入っているのかを整理した表を作ってみました。
ロクサン形からの改修によるグループである73は、上表の茶色に網掛けしたパーツでしか再現できません。それも中心的形式であるクモハ73を作るには、Tc79のガラスと側面を使い、そこに中間車に入っている前面パーツからロクサングループの顔とパンタ付きの屋根を持ってくることになります。それもこのロクサンの前面パーツ3枚存在しますが、パンタからの母線や空気作用管がモールドしてあるクモハ用は1枚のみなのです。また、ロクサングループの屋根は戦前型の国電と同様に屋根のアールが深いものとなっており、Bトレでも再現されていますが、中間車にしかその屋根は含まれていません。他の屋根は戦後新製グループの浅いアールの屋根となっています。
ということで、深い屋根を持つ三段窓の73で6両編成を作ろうとなると、パーツ組み合わせが大変となります。幸い、手元のストックにはブドウ色の73が12両あるので(3年程前からちょこちょこと揃える)、なんとかなりそうです。
ところで、ロクサン改修グループだけでなく、戦後新製グループでも編成を作ってみようと考えました。実際末期にはこういった編成が多かったようです。
これが、戦後新製グループが作れる組み合わせです。同じ三段窓でも戸袋がHゴム化されていますので、ガラスが先頭車化改造の600番台のものしか使えないのがきついですね。
しかも、この73の600番台は中央線や山手線から追い出されてから、先頭車不足を補うために改造された車なので(205系も同じことをやっていますね)、山手線では見られなかったバージョンなのです。
う~ん、こりゃ無理かぁ。
とりあえず、ロクサン改修グループの編成を作ってから考えましょう。
続く…