■巨福呂坂~極楽寺坂 5つの切通しを歩く
七口の残り5か所の切通しを一気に歩いた。
足元だけハイキングシューズに替えて、他はいつものスタイル。
一筆書きが意外と容易だったので、一気に行く予定でいたのだが……
勘違いと言うか思い込みによりルートミスをしてしまった(汗)
最初は巨福呂坂切通し。
まずは、鎌倉駅から鶴岡八幡宮脇へ向かった。
西側の道路にある脇道を左に入るとすぐに緩い坂が始まる。
古い家屋が多く、ちょっといい雰囲気に感じる。
▲夏!だねぇ
途中に青梅聖天社という神社に寄ってみる。
セミの鳴き声はすごいが、静かな神社であった。
事前の調査で行き止まりであることは分かっていたが、やっぱり突き当りまで行ってみる。
ここから先は民地のようだ。
▲現状ではここが一番雰囲気が感じられる箇所 巨福呂坂切通し
案の定、旧道は民家の敷地に入って終わっている。
新道の洞門によりざっくりと切取られ、跡形もなくなってしまっているようだ。
引き換えして、新道の洞門へ向かう。
途中の急傾斜地指定の表示板を見ると、道路自体は宅地の横までつながっているようですな。
▲一番右の15と表示されているところまで行けるはずなのだが。。。
▲新道の洞門
何らかの名残はないかなときょろきょろしていると、洞門手前左側に石柱を発見。
旧道のような雰囲気に、奥へ進む。
進むと、なんと例の一番奥の家の真下(まさに床下が見えるくらいの真下)に出て、さらに踏み跡が右側に上って続いていた。
蜘蛛の巣にからめられ、やぶ漕ぎしながら登ったところ、ちょうど前述の急傾斜標識の15のあたりに出た。
右の洞門側に向かって踏み跡もあり、左の民家側には道路の形態もあった。
右側の洞門側を見ると崖地際のフェンスが見えた。
どうやら、ここが本当の旧道の現代の終点らしい。
▲踏み跡の先はフェンス
後ろの山側へと登る踏み跡もあったが、多分違うだろう。
ここで退散。
現在の洞門の上あたりで北鎌倉側に緩く曲がり、円応院の前あたりまで坂が続いていたようだ。
まぁ、調べた限り、ここまで見つけ踏破した人はいないだろうなと想定。
▲北鎌倉側
最初からある種ハードな切通し散策となってしまった(笑)
次は、亀ヶ谷坂切通し。
建長寺の先の分岐を左に折れ、しばらくすると坂となる。
小道へ入るといきなり人通りが少なくなる。
木漏れ日とはいえ強い日差しの中、親子連れが坂を下りてきた。
やっと切通しらしい雰囲気が感じられる状況に。
▲亀ヶ谷坂切通し 北鎌倉側を振り返る
結構勾配はきつい。
サミット部に自転車の親父さんが上ってきて、
いきなりプシュッとレモンサワーを一気飲みし、一呼吸しほどなくして坂を下りて行った(笑)
切通し特有の凝灰岩は見えず、雑草だらけの法面があるだけで、一部は落石防止柵があって往時の雰囲気は感じられないが、坂という意味ではそのかなりきつい勾配が特徴となるだろう。
▲特に鎌倉側の勾配はかなりのもの
レンタサイクルも役立たず(泣)
一旦鎌倉側に降りて、スカ線をくぐり、
3つ目の化粧坂切通しへと向かう。
海臧寺へのルートの途中で左に折れる。
しばらくすると民家が切れ、舗装路も終わりいきなりつづら折れの凝灰岩剥き出しの坂になる。
前回訪問時は湧水が流れ足場も悪く滑りやすかったが、今回はほとんど水の流れはなく歩きやすかった。
ここのためにハイキングシューズで来たのだが…
▲化粧坂切通し
切通しと言っても源氏山へ登るための、ただのくねくねの坂という感じだね。
上部はちょっと切通しらしくなったかな。
▲ここに湧水が流れていたら、さすがにミュールじゃだめだろう
みんなへっぴり腰となるなぁ
よく考えると、源氏山を越えた銭洗い弁天へ下りる坂は鎌倉側の下り口ということなのか。
▲右の鳥居が銭洗い弁天の入り口 この坂も切通しだよな…
銭洗い弁天を抜け、佐助稲荷方面へ向かう。
▲意外と細かった佐助稲荷へ向かうルート
▲頼朝に挙兵を進めた稲荷とのことで、古い雰囲気が漂う
▲古い祠が寄り添う場所
▲本殿には稲荷狐が一杯置かれている
さて、この裏山を上ると大仏ハイキングコースに出る。
単純に“出る”と思い込んでいた。
▲騙された擬木の標識(泣)
登りきった箇所の分岐に合った擬木の標識には左に行くと大仏とある。
稜線に出たら左へいくつもりでいたので、迷わず左へ。
明確なルートを進むと下り気味となり、宅地へと出てしまうことが明らかに。
これは間違ったなと思い、引き返し、分岐へと戻る。
一旦戻った分岐から尾根上につく踏み跡があったので、そちらへ向かう。
踏み跡で気づくべきと言うか調べるべきだったが、進んでしまった。
少しは続いていた踏み跡も途中で不明瞭になった。
頭の中ではおかしいことに気付いているのに進んでしまい様子を見たくなるこの衝動。
完全なやぶ漕ぎ状態で行きついた場所は、水道の配水所らしい場所であった。
やっとここで、タブレットを出して、グーグルマップを起動しGPSで確認する。
現在地を指す箇所には等高線しかない!
ありゃりゃ、尾根が1本違うぞぉ(泣)
やぶ漕ぎで戻るのもあほらしかったので、この配水所から道路へ出ることにする。
先ほどからキャッチボールの音がしていたので、それだけの広場があるということは多分駐車場がある入口だとふむ。
やはりそうであった。
ただし水道局の人ではなく、除草作業中の造園屋さんだった。
道がつながっていないところから出てきたのでびっくりしていたが、さりげなく会話して去る(笑)
しかし、グーグルマップのGPS機能がこんなことで役立つとは(笑)
あの分岐を右に行けば数メートルでハイキングコースの分岐に出たらしい。
あそこに合った木製の標識の意味は深かったというわけ。
一般道に出たついでに、深沢方面へ歩いていけば、大仏切通しを当初のとおり外側から攻めるルートが取れることが分かったので、そのままトンネルを越えて一般道を行くことにする。
一般道は暑い(泣)
一気にのどが渇く。
腹も減ったが、我慢する。
やっと、大仏切通しの入口である火の見下のバス停に到着。
▲バス停のすぐ先の左に入る小さな路地が入口
▲細道を曲がりながら進むと民家に小さな標識がある
ここから先は、山の中に。
進むといきなり目の前に敦煌のような壁が出現。
切岸と言われる鎌倉特有の遺構でやぐらの横穴がある。
▲左が切岸、突き当りを右に上ると切通し
▲登ったところから振り返る
登った箇所がまさに切通しだ。
鎌倉切通しの中でも一番雰囲気があるように感じた。
▲深沢側
▲鎌倉側
お決まりの置石もしっかりとある。
ここは最高だなと思って歩を進めると、切通し形状の箇所がいくつも現れた。
このルート上にはこうした地形が続いているようだ。
第2の切通しがこれ。
第3の切通しがこれ。
第4の切通しがこれ。
全ての切通しにちゃんと置石があったのにはびっくり。
これだけでも歴史を伝えていることになるのか。
大仏隧道を抜けて長谷へつながる新道は、すぐ谷下の隣を通っているのだが、まったくそんなことを感じさせない雰囲気を持つところが気に入った。
ネット情報では'09年ごろは荒廃していたとあったので、多分近年整備されたものと思われ、、その頃のエスケープルートだった隣接住宅地への分岐があった。
▲振り返ったところ 右側が住宅地からのルート
大仏ハイキングコースへの合流点手前の斜面も整備されていた。
ネット情報ではここは滑りやすい危険個所とあった。
▲確かに右下は隧道入口まで落ちそうな雰囲気だった
▲ハイキングコース合流点 階段のある左からのルートが切通しからのもの
整備されている方がマイナールートなので、確かに分かりにくく、パウチッコの案内が必要なことに納得
急な階段を下りて一般道に出る。
振り返って大仏隧道を見る。
進入禁止の道路標識の脇に見えるのが降りてきた急な階段。
さて、最後の切通しを目指す。
長谷に出て、御霊神社を経由し、極楽寺坂切通しへ向かう。
▲大仏入口にあった土産物屋なのだが、いかにも外国人が好みそうな看板デザイン
意外とあまり見なくなったような気もするが…
御霊神社で佐助稲荷に居た女の子を見かける。
たぶん江ノ電を使ってきたのだろうが、こちらが歩いて、しかもやぶ漕ぎしてここへ来たことは分かるまい(笑)
極楽寺坂は、今では普通の道路となってしまっているので、旧道は残っていない。
▲鎌倉側
坂の途中にある成就院への階段から望むとこんな坂道だ。
その成就院の階段からは由比ガ浜が眺められる。
ここは意外と絶景。
そして本日のコース中での絶景でもある。
▲前日に行った名越切通し方面が見え、ちょうど反対側から眺めることになった
つまり、鎌倉を囲む山並みの縁から縁へと行ったわけだ
坂の途中には極楽寺坂の由来を示した碑がある。
▲この写真では雰囲気はいいね
極楽寺坂の切通しらしい雰囲気は稲村ケ崎側の方が感じられるかな
▲と思ったが、あんまり切通しを感じられないか…
これで鎌倉七口と言われる切通しを巡ることができた。
しかも二日連続での出動。
今回の歩行距離は8.6㎞であった。
▲305形で締めくくり