10月21日、目黒区中小企業センターホールで開催された「人権の21世紀をつくる文化の集い2022 『江戸から見た人権』」田中優子さんの講演会に行ってきました。
18時開場とともに多くの方々が詰めかけ、会場は熱気あふれていました。大きな拍手のなかで着物姿の田中さんが登場。江戸文化を研究されている田中さんは、まんが「カムイ伝」に書かれている江戸時代の被差別大衆の視点から、差別に抗し、たくましく生き抜いてきた職人としての誇りと技術の高さ・・・牛の解体・皮はぎ・竹ざいく・芸能・農業など・・・そして権利を勝ち取るための周到の準備の上での一揆の実行など江戸の被差別民のすばらしさを話された。明治に入ると身分は「平民」になるが新たに「新平民」との名称がつけられ、差別は解消されず、さらに生活手段も奪われていく。自由・人権を求めて多くの結社がつくられた経緯や天皇を元首とした帝国憲法制定。そして、侵略戦争への道。敗戦になり、平和憲法が制定されたにも関わらず、自民党の「個人」を「人」とし、天皇を元首とする憲法改正案を例に現在の社会状況を話され、改正案をよく読み解き、一人ひとりが考えなければならないと訴えられた。
平和で人権が尊重される社会をめざすのか、どういう社会を作っていくか、私たちの「不断の努力」が必要であると!講演後に会場からの質問にも丁寧に答えられ、田中さんの誠実さが伝わってきました。
最後に田中さんへの大きな拍手が鳴り響き、改めて、差別を許さない、人権が尊重される社会、平和な社会をめざさねば!と確認する集会でした。