岡山市立市民病院 総合診療グループ(ER+GIM)

岡山市立市民病院の総合診療グループである『総合内科』と『救急総合診療科』の日常の雰囲気を伝えていきます。

OUMCシンポジウム(2015/07/30)

2015-08-13 16:11:46 | 院外イベント
こんばんは。Dr.Waveです。

7/30は岡山大学鹿田キャンパスにあるJ-Hallにて「OUMCシンポジウム」が開催されました。

OUMCとはOkayama Okayama University Medical centerの略であり、OUMC構想とは、医療産業を核に地域再生繁栄した米国ピッツバーグにあるUMPC(University of Pittsburgh Medical Center:ピッツバーグ大学医療センター)をモデルとした事業構想です。

ピッツバーグはかつて繁栄した鉄鋼都市から転落した後、地元財政界・学界の重鎮が医療を柱とした成長戦略ヴィジョンを作成し、世界中からの医療関連の人材、企業、資金、患者が集まる医療産業集積となるUPMCを設けました。
大学付属病院を大学と切り離し法人化させ、提携先病院も合わせて複数の病院を経営統合し、医療事業における民間企業的経営手法を徹底追及し、世界標準の医療事業体インフラを基に海外進出も含めた多角化戦略を策定しています。

UPMCは、具体的には病院20(4500床)、がんセンター、画像診断センター、診療所、介護施設など400を超えるサテライト事業拠として、東西約200km、南北約260kmの地域に機能重複が生じないように最適配置され、外来がん治療や、日帰り手術の普及、入院期間短縮による在宅ケア市場の拡大などから、病院外にシフトした地域住民の医療ニーズに答えます。
人口31万人のピッツバーグながら、UPMCの医療圏人口は400万人を超えています。

UPMCは「医療サービス」「医療保険」「有価証券投資」の三部門で構成され、医療施設投資は各施設単位に行われるのではなく、医療圏全体に広がる医療施設群ネットワークを念頭に置いて行われています。
UPMCによる巨額のIT投資により、地域住民は自宅からインターネットを通じて診療録閲覧、投薬管理、受診予約、専門医検索、健康相談等のサービスが受けられるようになっています。

そしてUPMC、ピッツバーグ大学、カーネギーメロン大学の3者が一体となり、大規模医療事業体であるUMPCを中心として企業や研究施設を集中立地させています。
これらは地域住民に雇用をも産んでいます。

そしてUPMCは患者サービス純収入の約13%を地域貢献拠出とし、非課税優遇で免税となった金額以上の地域貢献をも実践しています。

現在日本では、税金で補助されている国公立病院、非課税優遇を受けているその他の公的病院が同一医療圏にありながらバラバラに経営され、重複投資を伴う過剰設備投資競争に走っています。
セーフティネット医療事業体と、都道府県単位で統廃合が決まっている国民健康保険を連結経営する仕組みを構築すれば、全国各地にUPMCの雛型を生み出すことができるであろうというのがOUMC構想の根幹です。

課題はたくさんありますが、OUMC構想は地方都市である岡山の大きなチャレンジであり、今後の日本の医療を占う試みとなるとなると確信しました。


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岡山大学メディカルセンター構想
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/jjkaigou/dai2/siryou4.pdf
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/bunka/iryou/dai7/siryou1.pdf


医療産業集積ピッツバーグのビジネスモデル UPMC
http://www.canon-igs.org/column/pdf/120912_matsuyama_approach.pdf
←かなり参考にしました。















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