ギタリスト岡本博文 生徒諸君!

プロギタリストのリアルな経験談、本音を語って行きたいと思います。

僕がしんちゃんから学んだ事

2010-01-09 08:01:53 | Weblog
ほんの500m先に、昨年まで塩次しんじ(g)さんが住んでいた。
突然、佐野市で亡くなったと言うニュースを聞いたのは、土岐でツアー中だった。

もっと親しくしていれば良かったと思う。
2、3年に1回共演したぐらいだったけど、
会う度にその肌触りにゾクゾクして「これは負けた」と思ったものです。
間違いなく世界レベルのギタリストだった。

かれは、なんていうことのないリフが、かっこよく一音でガツンとやられるような
チョーキングを持っていて、ひとつひとつのクオリティーがいつも高かった。

彼が亡くなってお別れ会があり、その会では遺品がところ狭しと並べられていた。
そこには、フルアコからなんとフロイドローズ付きのギターまであり、
ギターシンセまであった。

その昔、20年以上前、すでにMacを持っているという話しを聞いた事があった。
ラテンのコンサートに行くとちょこんといて、
「いや、俺こんなの好きやねん」と言われた。

昨年、福山のドラマーとお話ししたとき、これを聞けと言って、
ウエザー=リポートだったか、延々と聞かされた話も聞いた。
全然ブルースの話しを聞いたこともなかったそうだ。

人に習うのが嫌いで、負けず嫌いと自分で言ってたし、
自分で一生懸命ウエス=モンゴメリーをコピーしてみた
という話しも聞いた。
彼の事だから、そっくりになるまで弾いたに違いない。
フレーズを弾けば満足という人でなかったから。

彼は、好奇心と冒険心の固まりだったのだ。
でも、人前でそれを弾いたり見せたりする人ではなかった。

思い出す度に「これを懐の深さというのかな。」と思う。
今、彼を思い出すと、飄々としたジョークと笑顔しか思い出さない。
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