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華の会

日本文化を考える

桜桃とさくらんぼ

2005年06月07日 | 
1、桜桃と「さくらんぼ」
中国で漢字の「桜桃」は日本の「さくらんぼ」ではなく、
「ゆすらうめ」の実の事である。
ユスラウメは中国原産の植物で日本には江戸時代初期に渡ってきた。
ユスラウメの語源について、二つの見解がある。
①牧野富太郎博士の「枝をゆさぶって果実を落とした」からという説と
②深津正の朝鮮名の「移徒楽(いさら)」「イスラ」がなまったという説がある。

日本のほとんどの桜の木に実がなる。
黒く熟したのを噛むとサクランボの香りがするが食べるほどの大きさではない。

木で黒く熟した実を少し湿り気のある所に保存しておいて、冬に撒くと芽がでる。
実の部分に発芽抑制作用があるから、
種を良く洗って,実をきれいにしたほうが良いという説もある。
種を撒く冬まで保存する時、種をあまり乾燥させてしまうのは良くないようである。
瓶に入れて置くと3%くらいのアルコール分の酒が出来るが
その種では撒いても発芽がしないという。

2、食用のサクランボの種類

中国では生食用のサクランボとして2種類ある
①中国桜桃 シナミザクラ(支那実桜)
        カラミザクラ(唐実桜)
②白花中国桜桃シロバナカラミザクラ(白花唐実桜)の二つある。
  どちらも普通のサクランボよりも小さい粒で黄色のサクランボがなる。
  普通のサクランボは夏、涼しい地方が栽培に適しているが
  この種類は暖地でも栽培可能な東京でも実るので、見かける事ができる。


セイヨウミザクラには三つの種類がある。
Ⅰ.カンカオウトウ(甘果桜桃) 西洋実桜
  Ⅰ-1.果肉が軟らかいハート群
  Ⅰ-2.果肉の硬いビガロー群
Ⅱ.サンカオウトウ(酸化桜桃) 酸味実桜の3種類である。

セイヨウミザクラは西アジアが原産地である。
鳥の糞で運ばれたのか、人為的かまだ結論は出ていないが
ヨーロッパ全土で有史以前から野生化していた記録が残っている。

Ⅰ.カンカオウトウ 甘果桜桃は2種あり、
 Ⅰ-1.果肉が軟らかいハート群の品種は
    ①ナポレオン   18世紀初めヨーロッパで栽培
               日本には明治初めに輸入された。
               晩生種 実は大粒、淡黄に赤斑
    ②キダマ(黄玉) アメリカのオハイオ洲で交配
    ③ジャンブレー  仏のリヨン付近のジャンブレーで作出された。
               明治後期輸入
          などが代表的な品種である。

       日本でサクランボは佐藤錦・蔵王錦や
       米国産の高砂(伊達錦)の品種が有名である。 
       国産サクランボの代表的品種 
    ④ 「佐藤錦」は育成者が山形県の佐藤栄助氏 
       砂糖のように甘いので名前は佐藤錦 
       1912年ナポレオンと黄玉を交配から作出された。 

    ⑤「蔵王錦」は1935年頃、山形県の上山市で
        ナポレオンの交雑種から生まれた              
   
    ⑥「アメリカン・チェリー」日本に輸入されているさくらんぼ
          1875年アメリカのオレゴン州で交配された。
          黄色地に赤斑⇒濃赤⇒赤黒色で大粒の「ビング」
          という種類のようだが。まだ確認は取れない。

Ⅰ-2果肉が硬いビガロー群は
   アメリカのカリフォルニア洲などで栽培される
    「ブラック・タータリアン」などがある。?

Ⅱサンカオウトウ 酸果桜桃 果実がすっぱい
   さくらんぼでドイツが本場である。
   果実は缶詰やリキュール酒の加工用になる。
   チェーホフの「桜の園」の桜はこの桜
以上



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