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華の会

日本文化を考える

鎌倉の講演会での永井路子さん

2010年10月22日 | 文学
鎌倉ケーブル放送のホームページから
2010年10月18日

建長寺親と子の土曜朗読会が300回を迎えました。
逗子市在住の女優牧三千子さんが朗読をし、鎌倉春秋社代表の伊藤玄二郎さんが作品を解説する恒例の朗読会。
記念行事では鎌倉市名誉市民の永井路子さんをはじめ作家の三木卓さんらが駆けつけ、その精力的な朗読活動を祝しました。

鎌倉ケーブルテレビのビデオです。永井さんの講演会での映像が始まって一分位の所で出てきます
http://www.kamakuratv.com/local_info/topics/detail/1233324_17549.html


永井路子さんは、「私の好きな1冊」をテーマに、小学生時代、担任の先生が「レ・ミゼラブル」を読んでくれた思い出を語りました。
また客席に座っていた作家西村滋氏を紹介されました。
この土曜朗読会で西村さんが戦争孤児となった少年時代の事を書いた「お菓子放浪記」を読んだ時の事を話されました。
「お菓子放浪記」の朗読を聞いて感激した少年が西村さんに感想文を送った事で老作家と少年の文通が始まったというお話をされました。

永井さんがプログラムに載せた文章をそのまま記載します。

 私が育った古河(茨城県)は、当時は小さい町でしたが、小学3年のとき、実践女学校(当時)を出たばかりの若い美しい先生が赴任して来られました。当時は師範学校を出ていない教師は代用教員と呼ばれていましたが、私たちにとってはどうでもいいことで、先生は憧れの的でした。
 冬の昼休みにはお手玉などをして遊んだものでしたが、ある時先生が、「いいお話を読んであげようかしら」とおっしゃいました。皆大賛成でした。
 その時聞いたお話の一つがビクトル・ユゴーの「レ・ミゼラブル」でした。そのころあまりなじみのなかったジャン・バルジャンやコゼットという名前に子供たちは目を丸くして聞きいりました。あの朗読を聞いたみんなは、今でも懐かしそうにその名前を語り合います。
 思えば半世紀以上前のことですが、しかし先生の声は、今もはっきりと覚えています。

 朗読、ー読みきかせとは、ほんとうに大切なことなのですね。






http://www.kamakuratv.com/local_info/topics/detail/1233324_17549.html