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華の会

日本文化を考える

永井路子さんの思い出

2023年04月11日 | モーツァルト
永井路子さんの思い出
黒板ご夫妻の思い出
日本モーツァルト協会は昭和30年(1955)1月27日にオーストリアの「ザルツブルグ国際モーツァルテウム財団」の日本支部として、会長 堀内敬三(1897~1983) 副会長 属 啓成(1902~1994)で設立されました。設立時の会員数は38名でした。
最初、協会の組織は音楽専門家、評論家の方を正会員、素人の方を準会員と会員を二つに分け、正会員の方々が会の運営を担当する方式で始まりました。そのうち正会員の方々は熱心でなくなり、3年間に5回例会を開催しただけで早くも協会運営を担当する正会員が無くなり会存亡の危機に立たされました。
この危機に副会長 故 属 啓成さん(昭和58年(1983)より第2代会長)は準会員の方々に手助けを呼びかけ、準会員のボランティアで協会を自主運営しようという事になりました。
昭和34年(1959)5月15日第6回例会から約10名で世話人会が発足しました。会員数は180名でした。世話人会の中心は設立時から参加している歴史学者 黒板伸夫(1923~2015)、擴子(直木賞作家 永井路子)(1925~2023)さん御夫妻でした。黒板さん御夫妻は会場の予約、例会通知の作成、発送、プログラムの作成、会場の整備、受付、会計の清算、不足分の持ち出しなど協会運営の雑事をほとんど引き受けられました。例会が終わると「今月も無事終了した。」と二人で顔を見合わせ安堵したそうです。
黒板さん御夫妻の献身的な奉仕活動がなければ現在の日本モーツァルト協会は存在していなかつたと云っても言い過ぎではありません。
昭和43年(1968)頃、黒板さん御夫妻は会運営の第一線をしりぞきました。その頃から、黒板擴子さんは雑誌の座談会や放送に出演して協会の宣伝に努めました。協会に多額の援助もなさいました。会場がイイノホールだった20年ほど前まで黒板擴子さんは副会長として演奏会場の入り口で案内を勤めていました。古くからの会員は初めて演奏会場を訪れた時、「永井路子さんがもぎりのおばさんをしていたのでびっくりした。」と語られます。黒板擴子(永井路子)さんは日本モーツアルト協会の『会母』と言える存在です。
平成20年(2008)NHKはモーツァルト生誕250周年を記念して「毎日モーツァルト」を放送しました。この番組で黒板擴子さんは「ミサ・ソレムニス」K377、オペラ「イドメネオ」K366、ピアノ協奏曲第22番K482の番組に出演してモーツァルトの魅力を語ってくれました。同じ番組で黒板伸夫さんはオペラ「アルバのアスカーニヨ」K111と「ハ短調ミサ曲」K427の番組に出演しました。「アルバのアスカーニヨ」の作品番号K111は黒板伸夫さんの会員番号でした。番組のなかで「アルバのアスカーニヨ」のレコードを友人の家で初めて聞いた時の衝撃を熱く語られていました。ハ短調ミサ曲は一番お好きな曲だと嬉しそうにお話されていました。
黒板擴子(永井路子)さんは令和5年1月27日 モーツァルトの誕生日の日に亡くなられました。
日本モーツアルト協会第650回例会
日時:令和5年6月23日金曜日 開演午後6時45分
場所:東京上野・東京文化会館小ホール
演奏:指揮 坂本 徹 
   モーツァルトアカデミー トウキョウ (合唱・管弦楽)
曲目:モーツァルト作曲 ミサ曲ハ短調 k220「雀のミサ」
            レクイエム 二短調 K626
協会はこの日の例会を協会設立68周年の最後の行事と位置付けていました。協会が68年も続けてこられたのは、様々な形で支えてくれたすべての会員の方の力によるものです、中には故人となられた方も多いのです。まさか、黒板擴子(永井路子)さんまで故人となられるとは思いもよりませんでした。
レクイエムを演奏して、モーツァルトとともに、これらの方々のご冥福をお祈りする会としました。

古典芸能鑑賞講座「花の会」のお知らせ

2023年04月10日 | 歌舞伎
令和5年4月6日 木曜日 午後2時~4時に開かれた
松井今朝子先生のお話は「扇千景 坂田藤十郎夫妻の思い出」でした。
  松井今朝子先生は坂田藤十郎さんと姻戚関係で、武智鉄二の近松座で扇雀時代の坂田藤十郎さんと一緒に仕事をしました。普通ではなかなか聞けない内容の濃いお話を沢山してくれました。
次回は令和5年5月11日木曜日 開場 午後2時 講義開始 2時10分~4時10分
松竹常務取締役  岡崎哲也氏の「想い出の歌舞伎演奏家」です。
古典芸能鑑賞講座 『花の会』 のお知らせ
 
令和5年(2023)第1期 スケジュール表
『花の会』は古典芸能大好きの主婦たちが昭和60年9月、狂言師 善竹十郎さんに
世阿弥『花伝書』の講義をお願いして始まりました。
『日本の古典芸術をより身近なものとして理解し、人生の糧とすべく共に学び共に楽しむ』をモットーに37年間続いている古典芸能鑑賞講座です。

1、 日時:令和5年1月26日木曜日午後2時から4時
  演題;「兎と歌舞伎」「常磐津と歌舞伎」
  講師:常磐津和英大夫氏
2、 令和5年2月2日 木曜日 午後2時~4時
  演題:「舞台の思い出2」
  講師:明治大学名誉教授  神山 彰氏
3、 令和5年3月9日 木曜日 午後2時~4時
  演題:「歌舞伎のわき役たちのお話」
  講師:日本芸術文化振興会(国立劇場)顧問 織田 紘二氏

4、令和5年4月6日 木曜日 午後2時~4時
  演題:「扇千景 坂田藤十郎夫妻の思い出」
  講師:直木賞作家 松井今朝子氏
  会場:世田谷文学館 二階講義室

5、令和5年5月11日木曜日 開場 午後2時 講義開始 2時10分~4時10分
演題:「想い出の歌舞伎演奏家」
  講師:松竹常務取締役  岡崎哲也氏
  会場:世田谷文学館 二階講義室
6、日時:令和5年6月8日木曜日 開場 午後2時 講義開始 2時10分~4時10分
演題:「舞台の思い出3」
  講師:明治大学名誉教授  神山 彰氏
  会場:世田谷文学館 二階講義室
7、日時:令和5年7月13日木曜日 開場 午後2時 講義開始 2時10分~4時10分
演題:「新内の挑戦」
  講師:新内冨士本派家元  新内多賀太夫氏
  会場:世田谷文学館 二階講義室

参加費 各回1000円  皆様お誘いあわせてご参加下さい。
コロナ状況悪化の場合には会場が閉鎖となりお休みします。
世田谷文学館案内 世田谷文学館 - 文学を体験する空間 (setabun.or.jp)
所在地 〒157-0062 東京都世田谷区南烏山1-10-10
京王線「芦花公園(ろかこうえん)駅下車 南口を出て徒歩5分;
世田谷文学館 | 世田谷区ホームページ (setagaya.lg.jp)