goo blog サービス終了のお知らせ 

華の会

日本文化を考える

ことば、作家 永井路子

2009年02月07日 | 文学
永井路子 作家  2009(平成21年)2月7日 朝日新聞朝刊

作家・永井路子さん(83)が歴史小説『岩倉具視 言葉の皮を剥(む)きながら』で
第50回毎日芸術賞を受賞。
1月27日、贈賞式に臨んだ。

 「もはや終末期高齢者。この本は遺言状のつもりで書きました。
では冥福を祈ってとの温かいお気持ちが受賞につながったかと思いますが、
にもかかわらず私は永らえております。」

 「この、にもかかわらずというのが歴史のキーワードでして。
岩倉は傑物ではない、小粒です。
にもかかわらず。
そういう普通の人間が、ぶつかり足をひっぱりあっていくなかで
19世紀半ば過ぎの歴史は動いたのだという視点を示したかった。」

 「40年間、岩倉を書こうとして書けなかった。
なまけてたのです。
成就したのは編集者の励ましあらばこそ。
出版産業にあっては、産業廃棄物に近い私をすくい上げてくださった。
感謝しています。」
         (河合 真帆)

永井路子さん、毎日芸術賞受賞

2009年02月01日 | 文学
第50回毎日芸術賞(08年度)の受賞者が決まりました。
贈呈式が1月27日、東京プリンスホテルで開かれた。

◇毎日芸術賞
永井路子さん=「岩倉具視――言葉の皮を剥きながら」(文芸春秋)
石内都さん=「石内都展 ひろしま Strings of Time」(広島市現代美術館)、
尾上菊五郎さん=「小町村芝居正月」「魚屋宗五郎」などの成果
舟越桂さん=「舟越桂 夏の邸宅」展(東京都庭園美術館)
吉増剛造さん=「表紙 omote-gami」(思潮社)

◇特別賞
渡辺貞夫さん=日本ブラジル交流年、ボサノバ音楽誕生50周年にちなんだ演奏会

◇千田是也賞
森新太郎さん=「田中さんの青空」「孤独から一番遠い場所」の演出

◇毎日書評賞
国際政治学者の五百旗頭真・防衛大学校長の「歴史としての現代日本」(千倉書房)

 朝比奈豊・毎日新聞社社長が賞状や賞金を手渡し、
永井さんが「85歳での受賞は歴代最高齢のようです」とあいさつ。
五百旗頭校長は「本物の知性に選んでいただいたことを光栄に思います」と語った。
会場には福田康夫前首相も駆けつけ、お祝いの言葉を贈った。

永井路子さんの喜びの声(1月29日毎日新聞夕刊)
今年で数え年85歳になります。
受賞時として最も高齢ではないでしょうか。
生涯現役とか、100歳まで書こうとは思っていません。
岩倉具視は『遺言』みたいなもの。
40年間書こうと思って書けませんでしたが、
出版社の方の温かい励ましで書くことができました。
読んだ方からの温かい言葉も受賞につながったと思っています。
厚くお礼を申し上げたいと思います。
                        以上



http://www.mainichi.co.jp/information/news/20090101-005952.html