OKESAN 公的年金保険情報

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NOVAの逆切れにはNOだ!

2005-06-08 12:10:54 | Weblog
○社会保険庁は6日までに、外国語学校が外国人講師を社会保険に加入させていないケースがあるとして、全国の外国語学校事業者への立ち入り調査を始めた。
 社保庁によると現在、全国に約750の事業所が存在するが、昨年から今年にかけて、講師に厚生年金や健康保険に加入させてない事例が見つかるなどしたことから、一斉調査の方針を決め、5月19日付で全国の社会保険事務局に通知していた。


<解説>
 日本人が、ものすごく税金、保険料の高い北欧に働きに出かけ、それこそ給与の半分も税金と社会保障費として徴収されたとき、「俺は日本に帰るんだから、そんな税金や保険料を徴収されたくない!」
 とダダをこねたら、どうなるでしょう。多分、小学生以下の論理として相手にされないのではないでしょうか。

 最初にこの問題が顕在化したのはNOVA(他にもあったのかもしれませんが、大々的にでてきたのはNOVAだった)でしたが、
 このNOVAの担当者の「大抵の外国人は、日本に長期滞在をする予定はなく、年金には入りたくないといっている、制度がおかしい」と開き直りのコメントを聞いたときには正直頭に血が上りました。

 何度も何度も何度も(いい加減ウンザリ)、言っていますが、年金は「老後」だけではないのです。障害や遺族も保障する総合保険。
 日本の語学学校で働いている外国人さんには、明日交通事故で寝たきりになるリスクも存在するはず。また年金と健康保険はワンセットですから、健康保険の利用は更に深刻な問題、風邪ひとつ引けなくなります。

 で、短期滞在の外国人さんにはちゃんと、脱退一時金という制度があり、決して全額払い損になることはない(払った分だけ戻らないかもしれませんが、それは日本にいた間の障害や遺族の保障をしてもらってますし、もし日本人と結婚でもして日本に定住することになったら老後に年金受給に結びつくようになるでしょうから当たり前)

 NOVAは、「従業員が入りたがらない」と理由を他人に押し付け、自分たちの経済的負担を回避して(健康保険と厚生年金は労使折半なので会社の負担は大きい)、なおかつ、批判されると年金制度が悪いと逆切れしている という本当に企業倫理も何もない状態なのです。

 昨日の新聞でNOVAは、「人事担当者が居ないからコメントできない」といってましたが、おいおい、立ち入り調査が入っている時に人事担当者が休暇とっているわけないだろうに(笑)

 なぜ、わしがこの語学学校の問題を重要視しているかといえば、これから「外国人雇用」の問題が避けて通れなくなるからなんです。
 外国人でも日本での移住を狙ってやってくる人もいるでしょうが、大抵は老後は国に帰るという人でしょう。そうなると、「年金なんかいらない」という外国人労働者はごく平均的なものになります。

 じゃあって、「会社がその外国人労働者の言い分を全面的に聞いて年金と健康保険に入らない」なら本当に日本の社会保障制度は崩壊します。

 日本で働くなら、日本で働く分の場所代(税金、社会保障費、ごみ処理費其の他公租公課)を負担するのが当たり前だと思いますが、それを「制度がおかしい」と逆切れされてもなあ。

 まだまだ外国人労働者は一部の違法労働者や就学ビザのアルバイトを除いてポピュラーにはなっていませんが、これからどんどん正規の外国人労働者が増える時代です。そんな時代に今までどおりの「高い社会保障水準を維持していく日本」であるためには、今からNOVAのようなふざけた会社は厳しく調査して法律を守らせる必要があると思うのです。

 NOVAは野放し じゃいかんよ。NOVA無し(違反企業ナシってこと) になるまでちゃんと行政が指導しないと。