OKESAN 公的年金保険情報

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年金未納者とプライバシー

2005-06-07 12:42:51 | Weblog
○国民年金保険料の未納者に対する強制徴収を進めるため、社会保険庁が市町村に被保険者の所得情報提供を申し入れたのに対し、4月15日現在で全国の70市町村が個人情報保護条例との関係で「提供不可能」と回答していることが6日、同庁が全国社会保険事務局長会議で示した資料で明らかになった。

<解説>

 普通の人のプライバシーは守られるべき。それは当たり前です。
 でも、年金未納者は、「保険料納付という義務」を果たしていないのです。
 年金制度が良いとか悪いとかいう議論は別として、法律で強制加入の義務付けられた年金の保険料を払わない人のプライバシーまで厳重に守るべきなのでしょうか? しかも、情報の提出先は、「社会保険庁という公的機関」です。

 社会保険庁の問題やら、年金制度の問題はここではおいておいてください。それにはわしも言いたいことは沢山ある。ただ、一旦法律で決まったことは不備は欠点があっても国民が守らないと世の中は立ち行かない。どうもこの70の地方自治体の今回の対応は疑問です。
 
 この自治体は、年金の未納を野放しにしても平気なのかな。毎度言ってますが、老後の年金と生活保護は裏表の関係。年金があればお年寄りの生活保護率は下がります。 自分たちの自治体は財政が裕福で生活保護が増えてもびくともしないのでしょうか。こういう関連問題も考えてみないとダメです。
 プライバシーの保護も大切ですが、今回はどうもそれとは問題が違う気がします。

 住基ネットの接続の話でもプライバシーの問題がでてきました。
 これも、「今だから接続しない」ことに「接続をしていない自治体の住民」はデメリットを感じていませんが、本格的に電子政府が運用を開始し始めたら、「不便なことこの上なく」なります。

 住民票が取れるとか取れないとかいう細かい話ではありません。
 年金に関して言えば、裁定請求(年金を受けるときの請求手続き)は将来多分、「戸籍、住民票、課税証明書」は、その番号だけを電子申請書類に書けば添付不要ということになるでしょう。戸籍も着々と現在電子化が進んでいます。
 住基ネットに接続しない市区町村に住んでいる人は電子申請が使えませんから、相変わらず書類を市区町村役場で貰って社会保険事務所に行くことになります。その面倒ははなはだしい。

 現在、年金受給開始後、現況届(生きているという届けですね。簡単に言うと)が不要になった年金受給者(共済など)もいるのですが、同じ共済受給者でも、住基ネットに接続していない自治体に住んでいる受給者はその恩典が得られず、相変わらず現況届を提出しています。

 将来を見据えるなら、より便利なより効率的な行政を考え、ある程度のプライバシーが漏れるリスクを取ってでも、電子化を我々は甘受しないといけないと思うのです。 

 被保険者の所得情報提供申し入れは、昨年成立した年金改革関連法で可能となっているということですが、市区町村の条例のほうが国の決めた法律より優先するのでしょうか?学生時代聞いた講義とは違うようなのですが。(また確認しておかないと)。