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JAZZ FOR JAPAN

2011-06-26 23:28:35 | Music
JAZZ

東日本大震災の被災者支援のため、アメリカ西海岸を中心に活躍するコンテンポラリー・ジャズ・ミュージシャンが集結した。
集まったミュージシャンはジャズ好きなら誰もが知ってるようなトップクラスのプレイヤーばかりだ。
一部を紹介すると、スティーヴ・ガッド、ネーザン・イースト、マーカス・ミラー、クリスチャン・マクブライド、リー・リトナー、ケニーG、デヴィッド・T・ウォーカー、ジョージ・デューク、トム・スコット、ピーター・アースキンなど超豪華!

同様に東日本大震災の被災者や復興支援の目的でリリースされたアルバムにSONGS FOR JAPANがある。
こちらは世界のトップミュージシャンが、大ヒット曲を提供したコンピレーション・アルバムだ。
提供された曲はどれも素晴らしい曲ばかりで、アーティスト達の震災支援の強い思いに感激したのをよく覚えている。

本作はジャズのアルバムということで、CD2枚分がすべて新たに録音されたものだ。
しかも震災発生から数日後にロスのキャピトル・スタジオに集結し、録音されたものというからその対応の早さに驚く。
演奏する曲を決めたら、簡単な打ち合わせ後に一発で録音。
そんなスーパーミュージシャンのセッションの風景が目に浮かぶ。

さて、実際に聴いてみるとどれも素晴らしい演奏ばかりなのだ。
曲ごとに参加ミュージシャンの名前を確認しながら聴くとより楽しく聴ける。
では、収録曲と参加アーティストについて紹介をしてみたい。

ディスク:1

1. 処女航海
ハービー・ハンコックの名曲。
久々にスティーブ・ガット(ds)の最近のプレイを聴いた。
フュージョンの第一線を支えてきたドラマーというイメージがあるが、こういったアコースティックジャズでのプレイも素晴らしい。
まあ、ステップスやガッド・ギャング等でも聴いてはいたが、この曲での演奏はなかなか凄い。
参加している、ビリー・チャイルズ(p)、トム・スコット(ts)、エヴェレット・ハーブ(as)、ネイザン・イースト(b)それぞの演奏もクールで、まさにアルバムのトップを飾るのふさわしい曲だ。

2. シュガー
デヴィッド・T・ウォーカーのブルージーなギターが渋い。
エヴェレット・ハーブ(as)のソロも堪能できる。
彼のフュージョンのアルバムは1枚持っているが、モダンでソリッドかつ、ファンキーなサウンドが気に入っていた。
このアルバムのプレイしか知らなかったが、ストレート・アヘッドなジャズもいいね。

3. ソー・ホワット
処女航海と同じメンバーで、マイルスの名曲を取り上げている。
大好きな曲の一つだが、これまたなかなか素晴らしい演奏だ。
このメンバーでのライブが見てみたい。

4. ソフィスティケイテッド・レディ
デューク・エリントンの名曲をクリスチャン・マクブライド(b)とビリー・チャイルズ(p)のデュオで取り上げている。
ビリー・チャイルズの演奏は初めて聴くが、伸びやかなプレイが印象的。
クリスチャン・マクブライドのアコースティックベースソロが渋くて相性は抜群だ。

5. フットプリンツ
大好きなアーティスト、ウェイン・ショーターの曲。
マーカス・ミラーが地味にベースを弾いてます。
ギターはポール・ジャクソン・ジュニア!
そういえば、この人のソロアルバムも持ってます。懐かしいなぁ。
ブルージーだが、浮遊感のある感じになっています。

6. ワーク・ソング
トム・スコットのサックスソロがいいです。
マーカスのソリッドなベースが全体を支える。
ジョージ・デュークがエレピで参加。
かなり久しぶりに聞いたけどいいね。


ディスク:2

1. この素晴らしき世界
サッチモが歌い大ヒットしたスタンダードナンバー。
クラレンス・マクドナルドがエレガントで歌いかけるようなピアノを奏でる。
ちょっとブルージーな曲に仕上がったいる。

2. ミスター P.C.
ベーシスト、ポール・チェンバースに捧げたコルトレーンの曲。
ドライブ感のあるこういった曲にラリー・ゴールディングスのオルガンがマッチしている。
ドラムはピーター・アースキンじゃないですか!
ウェザー・リポートやステップス・アヘッドにも参加していた玄人好みドラムを聴かせてくれていた。
いまもそのプレイは健在だ。

3. 身も心も
バス・クラリネットを吹いているのなんとマーカス・ミラー!
弦楽器だけでなく、管楽器も低音域は任せておけということか。
もちろん、ベースを弾いているのも彼だ。

4. コールド・ダック・タイム
唯一参加の日本人アーティスト、松居慶子(p)が参加している。
エレピを弾いているのはTOTOでAfricaも歌っていたデヴィッド・ペイチじゃないですか!
マーカス・ミラーはこの曲では得意のスラップベースを聴かせてくれる。

5. ウォーターメロン・マン
ハービー・ハンコックの名曲だが、前の曲から続いているかのようにマーカスのスラップで入る。
ギターはリー・リトナー、ソプラノサックスはケニーGです!
この曲でもマーカスは全面的にスラップで演奏していて、ソリッドでファンキーな曲に仕立てている。

6. インヴィテーション
ジャコ・パストリアスが自身のビッグバンドで取り上げていた曲を、ピーター・アースキンがクリスチャン・マクブライド(b)、ビリー・チャイルズ(p)と演奏している。
まるでピーターが盟友ジャコに捧げているかのようだ。

7. カンタロープ・アイランド
ウェザーリポートにも参加していたアレックス・アクーニャ(ds & conga)、アルフォンソ・ジョンソン(b)が参加している。
うーん、彼らの演奏聴くのは実に久しぶりだ。
曲はこちらもハービー・ハンコックの名曲だ。これでこのアルバムで取り上げられている彼の曲は3曲になる。
やはりモダンジャズでの彼の功績の大きさゆえか?
パーカッションが入っていて、ラテンぽいノリに仕上がっている。

8. アイム・グラッド・ゼア・イズ・ユー
この曲は唯一ボブ・ジェームスピアノソロで演奏されている。
しっとりとしていて、アルバムのクロージングにはうってつけの曲だ。


ライナーノーツに書かれている参加ミュージシャンやプロデューサーのメッセージを読んだら、思わず涙があふれてきた。
これほどまでに彼らが日本を愛していて、日本を心配してくれているのかと。
素直にうれしいです

さてこのアルバム、Itunes Storeでは1500円、日本版CD(2枚)が2500円と非常にお買い得です。
しかもこのクオリティの高さなので、ジャズ好きな人やフュージョン好きな人にはオススメです。



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