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Duet / Chick Corea & Hiromi

2008-02-10 23:55:08 | Music
JAZZ

その名の通り、チック・コリアと上原ひろみによるピアノ・デュオ・アルバムだ。

上原ひろみのアルバムを初めて聴いた時に、スゴイ女性ピアニストが現れたなぁと衝撃を受けたのをよく覚えている。
女性のピアニストって、だいたいボーカルがメインのパターンが多い。
ピアノ演奏自体は優しくまさに女性的だったりする。
上原ひろみの演奏は激しく感情的で、逆に男性的にすら聞こえた。
またきっとチック・コリアが好きで、彼の影響を受けていそうだなとも感じた。
ピアノ、エレクトリック・ベース、ドラムのトリオ編成が、チックのエレクトリック・バンドと同じだったから余計にそう感じたのかも知れない。
いずれにしろ彼女のピアノは僕の心を激しく揺さぶり、以来お気に入りのアーティストとなった。

そんな上原ひろみとチック・コリアのピアノ・デュエットである。
それはもう非常に興味深い企画だ。
録音は昨年の9月にブルーノート東京で行われたもので、CD2枚の構成となっている。
今回買い求めたのはCD2枚に加えてDVD1枚が同梱されている初回限定版だ。
アマゾンから届いて、まず最初にDVDを見た。
向かいあわせにセットされた2台のYAMAHAのグランドピアノの向かって左にチック、右に上原ひろみが陣取っている。
この位置関係が頭に入ったので結果的にCDを聴いた時に、このメロディはどっちが弾いているのか?と迷うことがなかった。

二人の演奏は素晴らしいとしかいいようが無いくらいで、ただただ脱帽という感じだ。
二人の織り成す演奏はあたかもずっと一緒にプレイしていたかのように、完璧に呼吸があっている。
違うアプローチでお互いが右から左から入ってきて、いつしか一体となって音を紡ぎ出す。
まるで一人で重ね撮りしているかのようで、非常に気持ちが良い。

あとブルーノート東京でのライブ録音ということで、ヘッドフォンで聴くとナイフやフォークとお皿があたる音がノイズとして入っている。
ビル・エバンスのビレッジ・バンガードでのライブもそうだが、この音がライブの雰囲気を盛り上げているようにも思えていい感じだ。
それから今まで気がつかなかったけど、上原ひろみは演奏している時に結構唸っているというか、歌っている。
こんなところも注意して聴いてみるとおもしろいかもしれない。

収録されている曲はどれもすばらしい演奏だが、特に気に入ったのはDVDに収録されているビートルズの「フール・オン・ザ・ヒル」、チック御馴染みの「アランフェス交響曲/スペイン」の2曲と、上原ひろみが書いた「古城、川のほとり、深い森の中。」あたり。
でも本当にどの演奏も素晴らしいですよ。

早くもこのアルバム、僕の中では今年No.1のジャズ・アルバムとなるかもしれない。
ジャズが好きな人には是非とも聴いてほしいアルバムだ。
4月にこのデュオで武道館でコンサートがあるようなので、今度は生でこの演奏を耳にしたい。

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