環境法令ウオッチング

2006年7月から2007年12月までの環境法令情報・行政情報・判例情報を掲載。

大気汚染防止推進月間特集22 自動車排出ガス規制の仕組み その3 自動車NOx・PM法による規制③

2007-12-22 09:42:34 | 大気汚染
2007年12月22日 
 自動車NOx・PM法による規制第3回は、走行量の抑制・適正運転の実施のための施策について概観します。

4.走行量の抑制・適正運転の実施のための施策等
 自動車排出窒素酸化物等の抑制をより実効性の高いものとするために、上記の自動車そのものの低公害化とともに、走行量の抑制・適正運転の実施が不可欠となります。そのため、自動車NOx・PM法では、下記の措置が規定されています。
(1)事業者の判断基準(法第15条)
 製造業、運輸業その他の事業を所管する大臣は、窒素酸化物対策地域及び粒子状物質対策地域における自動車排出窒素酸化物等による大気の汚染の防止を図るため、窒素酸化物総量削減基本方針及び粒子状物質総量削減基本方針に基づき、事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制のために必要な計画的に取り組むべき措置その他の措置に関し、その所管に係る事業を行う者の判断の基準となるべき事項を定め、これを公表するものとする、とされています。
 この事業者の判断の基準となるべき事項は、①事業活動に係る自動車の使用の状況、②自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制に関する技術水準、③その他の事情、を勘案して定めるものとされており、事業を所管する大臣は、事業者の判断の基準となるべき事項を定めようとするときは、あらかじめ、環境大臣に協議することとされています(変更・廃止時も同様)。
 その際、環境大臣は、窒素酸化物対策地域及び粒子状物質対策地域における自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制を図るために必要があると認めるときは、事業者の判断の基準となるべき事項に関し、事業所管大臣に対し、意見を述べることができます。

(2)都道府県知事による指導(法第16条)
 都道府県知事は、窒素酸化物対策地域及び粒子状物質対策地域における自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制を図るために必要があると認めるときは、事業者に対し、事業者の判断の基準となるべき事項を勘案して、その事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制について必要な指導及び助言をすることができます。

(3)自動車管理計画の策定と定期報告(法第17条、第18条、第29条、第30条、令第6条)
 都道府県の区域内にその使用の本拠の位置を有する30台以上の対象自動車(窒素酸化物排出自動車及び粒子状物質排出自動車)を使用する事業者は、事業者の判断の基準となるべき事項において定められた事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制のために必要な計画的に取り組むべき措置の実施に関する計画を作成し、使用の本拠地を管轄する都道府県知事に提出することが義務付けられています。
 この計画を作成すべき事業者(特定事業者)は、毎年、その事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制のために必要な措置の実施の状況に関し、都道府県知事に報告することとされています。なお、本規定による計画の提出・報告義務違反に対しては、20万円以下の罰金が科せられます。さらに、法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、本規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する両罰規定が定められています。

(4)勧告、公表、命令(法第19条、第20条、第28条、令第7条)
 都道府県知事は、特定事業者の事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出であって、特定自動車に係るものの抑制が事業者の判断の基準となるべき事項に照らして著しく不十分であると認めるときは、その特定事業者に対し、その判断の根拠を示して、その事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出であって、特定自動車に係るものの抑制に関し必要な措置を執るべき旨の勧告をすることができます。
さらに、都道府県知事は、勧告を受けた特定事業者がその勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができ、公表された後において、なお、正当な理由がなくてその勧告に係る措置を執らなかったときは、その特定事業者に対し、その勧告に係る措置を執るべきことを命ずることができます。そして、この命令に違反した者は、50万円以下の罰金が科せられます。
 なお、都道府県知事は、上記の規定の施行に必要な限度において、特定事業者に対し、その業務の状況に関し報告させ、又はその職員に、特定事業者の事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができます。その際、立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければなりません。また、この立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない、とされています。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
環境省
廃棄物焼却施設の排ガス中のダイオキシン類濃度等について
平成18年度悪臭防止法施行状況調査について(お知らせ)
平成18年度振動規制法施行状況調査について(お知らせ)
平成18年度騒音規制法施行状況調査について(お知らせ)
地球温暖化影響・適応研究委員会第2回委員会の開催について(お知らせ)
野鳥の高病原性鳥インフルエンザウイルス保有状況調査の結果(平成19年11月分)について(お知らせ)
鴨下環境大臣による 『みんなで集まれば うちエコ!~銭湯で学ぶ、落語家が語る江戸のエコの知恵~』の視察について(お知らせ)
中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会(第8回)の開催について(お知らせ)

国土交通省
河川水質の評価の充実に向けた取組について
オフィスビルのCO2排出量削減方策を業界横断的な検討会で取りまとめました(「オフィスビルの地球温暖化防止対策検討会中間とりまとめ」について

厚生労働省
少量新規化学物質の申出手続について

【判例ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「12月10日から12月16日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.12.16
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「12月10日から12月16日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.12.16