2007年12月21日
自動車NOx・PM法による規制第2回は、車種規制など本法の根幹をなす規定について概観します。
3.車種規制
(1)窒素酸化物排出基準等(法第12条、則第4条、則別表第1~第4)
自動車NOx・PM法においては、自動車の種類、窒素酸化物対策地域及び粒子状物質対策地域における自動車排出窒素酸化物等の排出状況等を勘案し、規制の対象となる指定自動車(窒素酸化物排出自動車及び粒子状物質排出自動車。(2)参照)に対する窒素酸化物排出基準及び粒子状物質排出基準が規定されています(則第4条、則別表2、則第3条、令第4条第5号、第6号)。これらの基準は、自動車排出窒素酸化物等の排出量の基準であり、自動車の車両総重量の区分ごとに、窒素酸化物等の排出量が最も少ない車両の使用を義務付けるものです。具体的には、乗用自動車及び車両総重量が3.5t以下の貨物自動車、乗合自動車についてはガソリン車並の基準が適用され、車両総重量が3.5t超の貨物自動車、乗合自動車等についてはディーゼル車の最新の基準が適用されています。
(2)指定自動車(法第12条、令第4条)
自動車NOx・PM法における窒素酸化物排出基準等の適用を受ける窒素酸化物排出自動車及び粒子状物質排出自動車には、事務所・整備工場等その自動車の使用を管理する場所(自動車車検登録において登録された場所)が、窒素酸化物対策地域内又は粒子状物質対策地域内にある、下記の記①から⑥に該当する自動車が指定されています。
①普通貨物自動車(貨物運送用の普通自動車で)
②小型貨物自動車(貨物送用の小型自動車(二輪の小型自動車を除く))
③大型バス(乗車定員30人以上の普通自動車)
④マイクロバス(乗車定員11人以上30人未満の普通自動車及び小型自動車)
⑤乗用自動車(人の運送用の普通自動車及び小型自動車)
⑥散水自動車、霊きゅう自動車その他の特種の用途に供する普通自動車及び小型自動車
なお、この規制は、対策地域内において上記自動車が窒素酸化物排出基準等に適合しない場合に、その使用を規制するものですが、この場合の使用とは、走行や運行そのものではなく、正当な権利をもって走行・運行を支配・管理することを意味します。従って、規制対象となる者は、運転者ではなく事業主等使用者(自動車者検証等に使用者として記載されている者)が該当することになります。
(3)道路運送車両法との関係(法第14条、第13条)
自動車NOx・PM法の窒素酸化物排出基準等を実効性のある規定とするために、国土交通大臣は、自動車排出窒素酸化物等による大気の汚染の防止を図るため、窒素酸化物排出基準及び粒子状物質排出基準が確保されるように考慮して、道路運送車両法に基づく命令を定めなければならない、とされています。
具体的には、道路運送車両法の保安基準において、窒素酸化物排出基準等と同内容の基準を設定し、その基準に適合しない場合には、自動車車検証が交付されず、運行ができない制度設計となっています。
なお、基準を満たしていない使用過程車については、初度登録日(新車として登録された日)から起算して車種ごとに猶予期間が設けられています。例えば、排出基準非適合の普通トラックについては、平成1年6月1日に初度登録されたものの使用可能最終日は、平成15年9月30日以降の車検証の有効期間が切れる日、平成9年6月1日に初度登録されたものの使用可能最終日は、平成18年5月31日以降の車検証の有効期間が切れる日とされていました。使用過程車については、ユーザーに周知するため平成14年8月1日以降車検の際に車検証の備考欄に排出基準への適否、使用可能最終日などが打ち出されています。
【官報ウオッチング】
号外第291号
〔政令〕
特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律施行令の一部を改正する政令(政令第383号/平成6年政令第308号の一部改正)
1.指定特定物質に係る例外措置の時限の延長
臭化メチル以外の指定特定物質(注)について、試験研究及び分析に用いる場合に限り製造量抑制の例外とする暫定措置の期限を、現在の平成19年12月31日から平成23年12月31日まで延長する。
(注)規制対象物質のうち、施行令で定める特定の用途(特定用途)に用いる場合に限り、製造量抑制の例外となる物質。
2.暫定的に指定特定物質とされる物質の追加
(1)の暫定措置の対象に、ハイドロブロモフルオロカーボン及びブロロクロモメタンを追加する。
3.臭化メチルの特定用途の追加
臭化メチルの特定用途に、平成23年12月31日までの暫定措置として、現行の貨物の輸出入時の検疫に加え、次の①~③を追加する。
① 大気中の臭化メチルの濃度又は物品・植物に混入し、若しくは付着している臭化メチルの量の測定
② 当該測定に用いる計量器の校正
③ 次の()~()の試験研究
()臭化メチルの毒性に関するもの
()臭化メチルとその代替物の効果の比較(試験研究施設の建物内において行うものに限る。)
()臭化メチルを合成実験の試薬として使用するもの(当該臭化メチルが破壊されるものに限る。)
(附則第三項関係)
施行日:平成19年12月21日
【行政情報ウオッチング】
環境省
ハンガリー共和国との京都議定書の下での共同実施(JI)及びグリーン投資スキーム(GIS)における協力に関する覚書(Memorandum)への署名について
平成18年度自動車交通騒音の状況について(お知らせ)
「琉球弧自然フォーラム2008in西表島~地域が考える、地域の未来~」の開催について(お知らせ)
厚生労働省
特定化学物質障害予防規則等が改正されます(ホルムアルデヒド、1,3-ブタジエン、硫酸ジエチル関係)
資源エネルギー庁
レアメタル(10月分)、非鉄金属等需給動態統計(10月分)
東京都
工場等公害防止に関する環境管理体制等の特別点検
【判例ウオッチング】
新しい情報はありません。
【ISO14001】
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「12月10日から12月16日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.12.16
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「12月10日から12月16日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.12.16
自動車NOx・PM法による規制第2回は、車種規制など本法の根幹をなす規定について概観します。
3.車種規制
(1)窒素酸化物排出基準等(法第12条、則第4条、則別表第1~第4)
自動車NOx・PM法においては、自動車の種類、窒素酸化物対策地域及び粒子状物質対策地域における自動車排出窒素酸化物等の排出状況等を勘案し、規制の対象となる指定自動車(窒素酸化物排出自動車及び粒子状物質排出自動車。(2)参照)に対する窒素酸化物排出基準及び粒子状物質排出基準が規定されています(則第4条、則別表2、則第3条、令第4条第5号、第6号)。これらの基準は、自動車排出窒素酸化物等の排出量の基準であり、自動車の車両総重量の区分ごとに、窒素酸化物等の排出量が最も少ない車両の使用を義務付けるものです。具体的には、乗用自動車及び車両総重量が3.5t以下の貨物自動車、乗合自動車についてはガソリン車並の基準が適用され、車両総重量が3.5t超の貨物自動車、乗合自動車等についてはディーゼル車の最新の基準が適用されています。
(2)指定自動車(法第12条、令第4条)
自動車NOx・PM法における窒素酸化物排出基準等の適用を受ける窒素酸化物排出自動車及び粒子状物質排出自動車には、事務所・整備工場等その自動車の使用を管理する場所(自動車車検登録において登録された場所)が、窒素酸化物対策地域内又は粒子状物質対策地域内にある、下記の記①から⑥に該当する自動車が指定されています。
①普通貨物自動車(貨物運送用の普通自動車で)
②小型貨物自動車(貨物送用の小型自動車(二輪の小型自動車を除く))
③大型バス(乗車定員30人以上の普通自動車)
④マイクロバス(乗車定員11人以上30人未満の普通自動車及び小型自動車)
⑤乗用自動車(人の運送用の普通自動車及び小型自動車)
⑥散水自動車、霊きゅう自動車その他の特種の用途に供する普通自動車及び小型自動車
なお、この規制は、対策地域内において上記自動車が窒素酸化物排出基準等に適合しない場合に、その使用を規制するものですが、この場合の使用とは、走行や運行そのものではなく、正当な権利をもって走行・運行を支配・管理することを意味します。従って、規制対象となる者は、運転者ではなく事業主等使用者(自動車者検証等に使用者として記載されている者)が該当することになります。
(3)道路運送車両法との関係(法第14条、第13条)
自動車NOx・PM法の窒素酸化物排出基準等を実効性のある規定とするために、国土交通大臣は、自動車排出窒素酸化物等による大気の汚染の防止を図るため、窒素酸化物排出基準及び粒子状物質排出基準が確保されるように考慮して、道路運送車両法に基づく命令を定めなければならない、とされています。
具体的には、道路運送車両法の保安基準において、窒素酸化物排出基準等と同内容の基準を設定し、その基準に適合しない場合には、自動車車検証が交付されず、運行ができない制度設計となっています。
なお、基準を満たしていない使用過程車については、初度登録日(新車として登録された日)から起算して車種ごとに猶予期間が設けられています。例えば、排出基準非適合の普通トラックについては、平成1年6月1日に初度登録されたものの使用可能最終日は、平成15年9月30日以降の車検証の有効期間が切れる日、平成9年6月1日に初度登録されたものの使用可能最終日は、平成18年5月31日以降の車検証の有効期間が切れる日とされていました。使用過程車については、ユーザーに周知するため平成14年8月1日以降車検の際に車検証の備考欄に排出基準への適否、使用可能最終日などが打ち出されています。
【官報ウオッチング】
号外第291号
〔政令〕
特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律施行令の一部を改正する政令(政令第383号/平成6年政令第308号の一部改正)
1.指定特定物質に係る例外措置の時限の延長
臭化メチル以外の指定特定物質(注)について、試験研究及び分析に用いる場合に限り製造量抑制の例外とする暫定措置の期限を、現在の平成19年12月31日から平成23年12月31日まで延長する。
(注)規制対象物質のうち、施行令で定める特定の用途(特定用途)に用いる場合に限り、製造量抑制の例外となる物質。
2.暫定的に指定特定物質とされる物質の追加
(1)の暫定措置の対象に、ハイドロブロモフルオロカーボン及びブロロクロモメタンを追加する。
3.臭化メチルの特定用途の追加
臭化メチルの特定用途に、平成23年12月31日までの暫定措置として、現行の貨物の輸出入時の検疫に加え、次の①~③を追加する。
① 大気中の臭化メチルの濃度又は物品・植物に混入し、若しくは付着している臭化メチルの量の測定
② 当該測定に用いる計量器の校正
③ 次の()~()の試験研究
()臭化メチルの毒性に関するもの
()臭化メチルとその代替物の効果の比較(試験研究施設の建物内において行うものに限る。)
()臭化メチルを合成実験の試薬として使用するもの(当該臭化メチルが破壊されるものに限る。)
(附則第三項関係)
施行日:平成19年12月21日
【行政情報ウオッチング】
環境省
ハンガリー共和国との京都議定書の下での共同実施(JI)及びグリーン投資スキーム(GIS)における協力に関する覚書(Memorandum)への署名について
平成18年度自動車交通騒音の状況について(お知らせ)
「琉球弧自然フォーラム2008in西表島~地域が考える、地域の未来~」の開催について(お知らせ)
厚生労働省
特定化学物質障害予防規則等が改正されます(ホルムアルデヒド、1,3-ブタジエン、硫酸ジエチル関係)
資源エネルギー庁
レアメタル(10月分)、非鉄金属等需給動態統計(10月分)
東京都
工場等公害防止に関する環境管理体制等の特別点検
【判例ウオッチング】
新しい情報はありません。
【ISO14001】
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「12月10日から12月16日までに公布された主な環境法令一覧」を更新しました/2007.12.16
◆毎週更新中!「環境法令管理室」に「12月10日から12月16日までに発表された改正予定法令一覧」を更新しました/2007.12.16