goo blog サービス終了のお知らせ 

環境法令ウオッチング

2006年7月から2007年12月までの環境法令情報・行政情報・判例情報を掲載。

自治体のISO14001返上 システム構築の目的を明確に

2006-08-10 11:12:12 | 行政法
2006年8月10日
 環境マネジメント・監査の国際規格ISO14001の認証・登録をした自治体が、認証を返上するケースが増えているそうです。理由は、各自治体が抱える財政の悪化。イメージアップや経費節減の効果はあるものの、財政難に悩む自治体には、外部の審査機関に支払う高額な審査費用がネックになっているのでしょう。
 ISO14001は、1.適用範囲 C)において、規格との適合の示し方を4つ提示しています。①自己決定し、自己宣言する、②適合について、組織に対して利害関係をもつ人又はグループ、例えば顧客などによる確認を求める、③自己宣言について組織外部の人又はグループによる確認を求める、④外部機関による環境マネジメントシステムの認証/登録を求める、がそれです。つまり、何がなんでも審査登録機関による監査をうけなければならない、という規定ではありません。
 そもそも、自治体のような公的機関が環境マネジメントシステムを構築し、維持していくのに、民間の審査登録機関による監査が必要なのでしょうか? むしろ、②適合について、組織に対して利害関係をもつ人又はグループ、例えば顧客などによる確認を求める、③自己宣言について組織外部の人又はグループによる確認を求める、ほうがよほど理にかなっていると思います。信頼性を確保するうえで、認証・登録を受けることはなるほど重要です。しかし、それよりも地域住民による監査によって直接的信頼を構築するほうが、よほど効果的なのではないでしょうか。
 一方、民間企業が自主的取組としてISO14001の認証・登録する場合、第三者による監査を実施することは、客観的・公平的指標として大いに意義がある、といえます。企業ごとに利害関係者も顧客も異なるという条件のもとで、新たな顧客を獲得していくことが経営上求められているのですから、統一的な評価こそ信頼性の担保に資するものであるからです。これに対し、自治体は地域住民のための公共の福祉を追及する立場にあるわけですから、地域住民の信頼があればよいことになります。そして、それは間接的なものよりも直接的なものであるほうが好ましいことはいうまでもありません。
 今回の件で、指摘しておきたいことは二つです。一つは、自治体における環境マネジメントシステムの構築・維持の監査とは如何にあるべきかを、システム導入前からきちんと整理する必要がある、ということ。もう一つは、自治体による認証返上はアナウンス効果が高いため、ISO14001に対する負のイメージがクローズアップされてしまう、ということ。
 自治体はISO14001の認証・登録を安易に返上するのではなく、責任をもって監査方法を切り替えるのだ、という姿勢を明確にしてほしいと思います。

官報ウオッチング
平成18年8月10日
文部科学省告示第125号(昭和47年総理府告示第49号の一部改正)
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第二条第十項の規定に基づき、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の規定に基づき国際規制物資を定める件(昭和四十七年総理府告示第四十九号)の一部が改正されました。
施行日:原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府と欧州原子力共同体との間の協定(平成十八年条約第 号)の効力が生ずる日から。

【行政情報ウオッチング】
環境省
平成18年度学校エコ改修と環境教育事業の公募期間延長について

経済産業省
核燃料輸送物の車両運搬確認証の交付について(原子燃料工業株式会社)
日本原子力発電(株)東海第二発電所可燃性ガス濃度制御系流量計の不適切な補正に関する対応について(報告徴収の指示)

国土交通省
「近畿圏の都市環境インフラのグランドデザイン」について~ 山・里・海をつなぐ人と自然のネットワークに向けた提言~
都市公園等におけるプールの排(環)水口緊急調査の実施について
平成18年度 社会実験実施地域の追加公募について~道路空間の有効活用、歩行者・自転車優先施策を応援します!~
「新住宅市街地開発法施行規則の一部を改正する省令案」に関するパブリックコメントの募集について
大臣会見要旨(平成18年8月8日)
国土審議会計画部会第6回自立地域社会専門委員会議事録

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
新しい情報はありません。


環境影響評価と許認可 

2006-08-09 12:46:59 | 行政法
2006年8月9日
 栃木県内で持ち上がっている産業廃棄物の最終処分場建設計画に対し、栃木県知事は、事業者が提出した環境影響評価方法書に「建設場所を選んだ理由説明が不十分」とする意見書を交付した、とのニュースがありました。知事意見では他に、1998年に那須水害が起きたことを受け、豪雨が発生した場合の廃棄物流出への対策と対応を明らかにすることなども求めています。
 環境影響評価法の主な手続の流れは、①対象事業を、規模などにより第1種事業(必ず実施)、第2種事業(検討の上、必要があれば実施)に選別し、②対象事業につき、事業に関する情報、調査等の項目や手法に関する情報を公表して外部から意見を聴取する環境影響評価方法書の手続(案の提示 ⇒ 環境保全の見地から意見を有するものの意見 ⇒ 都道府県知事・市町村長の意見 ⇒ 実施方法の決定)、③環境影響評価準備書及び評価書の手続(環境影響評価の実施 ⇒ 環境影響評価準備書の作成 ⇒ 境保全の見地から意見を有するものの意見 ⇒ 都道府県知事・市町村長の意見 ⇒ 環境影響評価書の作成 ⇒ 許認可等を行う行政機関の意見 ⇒ 補正 ⇒ 許認可の審査)、とされています。
 今回の産業廃棄物最終処分場については、その規模が20haのため環境影響評価法の適用は受けませんが(産業廃棄物最終処分場の場合、30 ha以上で第1種事業となり、25 ha以上30ha未満で第2種事業となる)、栃木県環境影響評価条例における対象事業に該当するため、同条例に基づく手続の実施が求められることになります(同条例における同事業の適用規模は、普通地域で埋立面積 10ha 以上、配慮地域で埋立面積 7.5ha以上、特別配慮地域で埋立面積 5ha以上、が対象。他に、処理能力が 12t/時以上の焼却施設も対象事業として規定)。
 ニュースで報じられたのは、②の環境影響評価方法書の手続の段階ということになります。許認可については個別法に基準が定めれていますが、許認可権限者は、環境影響評価の結果によって拒否したり、条件を付すことができる(環境影響評価法第33条)ため、今回の事例で考えれば、県知事の付した指摘に対応できない場合、許可が認容されないことも考えられます。
 産業廃棄物処理施設は、いわゆる迷惑施設の一つで、自分の回りに設置されることに諸手をあげて賛成! という人はほとんどいないでしょう。しかし、特に最終処分場の場合、その容量が逼迫していることもあり、社会的インフラとして位置づけ国民全体で真剣に考える必要があります。
 今後、本件がどのように推移していくか、見守っていきたいと思います。

【官報ウオッチング】
新しい情報はありません。

【行政情報ウオッチング】
環境省
石綿による健康被害の救済に関する法律に基づく指定疾病の認定に係る医学的判定の結果について
中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会家電リサイクル制度評価検討小委員会、産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会電気・電子機器リサイクルWG合同会合(第4回)の開催について
海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令の一部を改正する政令案に対する意見の募集(パブリックコメント)について
第5回「化学物質排出把握管理促進法に関する懇談会」の開催について
「平成18年版 循環型社会白書」を掲載しました。
平成18年度温室効果ガス排出量算定報告公表制度基盤整備事業委託業務(~H18.08.21)

経済産業省
工業用水法施行令の一部を改正する政令について
LPバルク貯槽における液面計取付け部の不具合について
パロマ工業(株)製瞬間湯沸器による一酸化炭素中毒事故の再発防止について(第8報)
平成18年度中小企業者に関する国等の契約の方針について
平成18年度 中小企業に対するCO2排出削減量認証・補助事業における説明会の開催について
鉱業上使用する工作物等の技術基準を定める省令の一部を改正する省令案に対する意見募集について
鉱山保安法施行規則の一部改正案に対する意見募集について

資源エネルギー庁
平成18年度原子力発電環境整備機構他の会計監査レビュー事業に係る委託先の公募について

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
新しい情報はありません。