いろいろ書きかけだったのですが、すべて時間切れで、アイルランド戦初戦の話を。ご存知のことと思いますが、
結果は34:23とオールブラックスの勝利で終わりました。
これが今シーズン初のテストマッチですから、幸先のいいスタートです。
ただし、試合そのものはオールブラックスにとり非常に重苦しいものでした。
特に8:16で終わった前半など、ラインアウトの悪さもあってテストキャップが少ない若手や新人には踏ん張りどころでした。
しかも、アイルランドはヨーロッパでのトリプル・クラウン(英連邦のイングランド、スコットランド、ウェールズへの全勝)を引っさげ、オールブラックスへの初勝利という百年来の夢の実現に向け、名キャプテン、ブライアン・オドリスコルの下、今までにない意気込みで乗り込んで来ています。
オールブラックスはいくらホームゲームとは言え、グラハム・ヘンリー監督が試合後の記者会見で何度も強調していたように、7ヶ月ものブレークの後、たった5回の練習で今日の試合に臨んでいたのです。足並みの悪さというよりも、
彼らにしては珍しく、自信のなさが目に付きました。
その筆頭が、
スーパー14の時と同じ暗い表情の2番ケビン・メアラムでした。
スーパーでの表情は今シーズンから担ったブルースのキャプテンとしての重責に苛まれているものかと思っていましたが、今日もまったく同じ表情で、
「これは?」
と思いました。ライアンアウトで鳴らすアイルランドからのプレッシャーというよりも、彼の中で今シーズンに入ってからずっとつかめずにいる“何か”との葛藤があるように見えました。
ケガで欠場したロックのアリ・ウィリアムズの代わりに大御所のクリス・ジャックを迎え、その相棒はスーパー14をともに戦ってきた、今夜がデビューとなった南アフリカ人の新人、グレッグ・ローリンソン。34テストのベテランのケビンにとってはかなり良好な状況のはずでしたが、なかなか一筋縄ではいかなかったようで。
もう1人、自信のなさを感じたのが10番ルーク・マクアリスター。
彼は今週早々に不整脈で練習を休まざるを得ないという、突然の体調不良に見舞われてしまいました。報道では完全復帰という話でしたが、テレビに映し出された顔色の悪さを見た時はドキリとしました。
試合開始後30数秒で14番ダグ・ハウレットが決めたトライのゴールキックを外し、その後のペナルティーキックも外したときなど、顔色の青白さで唇が赤々と見え、出血しているのかと目を凝らしてしまうほどでした。彼のこんな表情はスーパー14のときのチーターズ戦以来でした。(チーターズの南アフリカのホームは高地にあり、慣れないプレーヤーには非常にきつい場所で、あの時のルークも非常に苦しそうでした)
しかし、ここが天才と優秀な選手の分かれ目です。
体調への自信をぐらつかせていても、彼は自分自身、ひいては勝利への自信に対しては揺ぎなく、終始落ち着いていて、動揺も感じませんでした。舌を巻かざるを得ないほどの平常心。
さすが、ライオンズという歴史的な大舞台でオールブラックス・デビューを飾り、きっちりとチームを勝利に導いた逸材だけあります。立ち上がりの苦しさがあってこそ、それ以降、特に後半に入ってからの彼の追い上げの早さ、多彩さ、聡明さが目を引くというもの。最初から好調であったら、その底知れない実力と可能性を、ほんの40、50分の間にここまで知らしめることは難しかったでしょう。
苦境をがっちり取り込み、それを食いつぶして立ち上がる―― 本当に天才です。
ルーク以外で今回特に印象深かったのは、12番アーロン・メイジャー。
この試合ほど、
オールブラックスにとっての彼の“資産価値”を感じたことはありませんでした。
長らく言われ続けてきた、「ダニエル・カーターのお守り役、女房役」という名刺代わりの肩書きは、「ルーク・マクアリスターの・・・」でも「マア・ノヌの・・・」でも十分活かされているということを、とことん知らされました。
NZでは独特な言い方で、10番のポジションを「ファースト・ファイブ・エイス(1st5/8)」、12番を「セカンド・ファイブ・エイス(2nd 5/8)」と言いますが、なぜ12番が「セカンド」なのか、ここまで痛烈に感じた試合はありませんでした。ルークの不安な表情を、アーロンのニコニコ顔が陽光のように照らしてしまったかのようでした。彼自身、10番をやっていた頃よりも今の方が数倍も輝いて見えます。適材適所とはこのことなのでしょう。
アーロンが輝かせていたのはルークばかりではありません。
13番マア・ノヌもでした。
スーパー14のハリケーンズでは決勝戦まで駒を進めながら、彼自身はどうしてもブレークスルーできない何かを抱え込んでしまっていたように見えました。しかし、今日の彼はまったく違っていました。目をしばたかせてしまうほどのきらめきで、ヘンリー監督が彼を高く買っている訳を改めて思い知らされました。
心から信奉しているであろう、タナ・ウマガとのコンビより、彼をどのプレーヤーよりも恐れるアーロンとのコンビの方が上手く行くとは皮肉な話ですが(笑)、彼を鋭利なラインブレーカーとしてフル活用する方針は、本人にとってもチームにとっても非常に上手く行っているように見えました。彼自身の会心の笑みが印象的でした。
後半戦の立ち直りは、オールブラックスの底力の証明として、しばらく語り草になるでしょう。同時にアイルランドの自信を来週の分まで根絶やしにしてしまったかもしれません。第2戦は初戦の後半の「つづき」として始まるような気がします。
まずは今シーズンの初勝利をありがとう!
結果は34:23とオールブラックスの勝利で終わりました。
これが今シーズン初のテストマッチですから、幸先のいいスタートです。
ただし、試合そのものはオールブラックスにとり非常に重苦しいものでした。
特に8:16で終わった前半など、ラインアウトの悪さもあってテストキャップが少ない若手や新人には踏ん張りどころでした。
しかも、アイルランドはヨーロッパでのトリプル・クラウン(英連邦のイングランド、スコットランド、ウェールズへの全勝)を引っさげ、オールブラックスへの初勝利という百年来の夢の実現に向け、名キャプテン、ブライアン・オドリスコルの下、今までにない意気込みで乗り込んで来ています。
オールブラックスはいくらホームゲームとは言え、グラハム・ヘンリー監督が試合後の記者会見で何度も強調していたように、7ヶ月ものブレークの後、たった5回の練習で今日の試合に臨んでいたのです。足並みの悪さというよりも、
彼らにしては珍しく、自信のなさが目に付きました。
その筆頭が、
スーパー14の時と同じ暗い表情の2番ケビン・メアラムでした。
スーパーでの表情は今シーズンから担ったブルースのキャプテンとしての重責に苛まれているものかと思っていましたが、今日もまったく同じ表情で、
「これは?」
と思いました。ライアンアウトで鳴らすアイルランドからのプレッシャーというよりも、彼の中で今シーズンに入ってからずっとつかめずにいる“何か”との葛藤があるように見えました。
ケガで欠場したロックのアリ・ウィリアムズの代わりに大御所のクリス・ジャックを迎え、その相棒はスーパー14をともに戦ってきた、今夜がデビューとなった南アフリカ人の新人、グレッグ・ローリンソン。34テストのベテランのケビンにとってはかなり良好な状況のはずでしたが、なかなか一筋縄ではいかなかったようで。
もう1人、自信のなさを感じたのが10番ルーク・マクアリスター。
彼は今週早々に不整脈で練習を休まざるを得ないという、突然の体調不良に見舞われてしまいました。報道では完全復帰という話でしたが、テレビに映し出された顔色の悪さを見た時はドキリとしました。
試合開始後30数秒で14番ダグ・ハウレットが決めたトライのゴールキックを外し、その後のペナルティーキックも外したときなど、顔色の青白さで唇が赤々と見え、出血しているのかと目を凝らしてしまうほどでした。彼のこんな表情はスーパー14のときのチーターズ戦以来でした。(チーターズの南アフリカのホームは高地にあり、慣れないプレーヤーには非常にきつい場所で、あの時のルークも非常に苦しそうでした)
しかし、ここが天才と優秀な選手の分かれ目です。
体調への自信をぐらつかせていても、彼は自分自身、ひいては勝利への自信に対しては揺ぎなく、終始落ち着いていて、動揺も感じませんでした。舌を巻かざるを得ないほどの平常心。
さすが、ライオンズという歴史的な大舞台でオールブラックス・デビューを飾り、きっちりとチームを勝利に導いた逸材だけあります。立ち上がりの苦しさがあってこそ、それ以降、特に後半に入ってからの彼の追い上げの早さ、多彩さ、聡明さが目を引くというもの。最初から好調であったら、その底知れない実力と可能性を、ほんの40、50分の間にここまで知らしめることは難しかったでしょう。
苦境をがっちり取り込み、それを食いつぶして立ち上がる―― 本当に天才です。
ルーク以外で今回特に印象深かったのは、12番アーロン・メイジャー。
この試合ほど、
オールブラックスにとっての彼の“資産価値”を感じたことはありませんでした。
長らく言われ続けてきた、「ダニエル・カーターのお守り役、女房役」という名刺代わりの肩書きは、「ルーク・マクアリスターの・・・」でも「マア・ノヌの・・・」でも十分活かされているということを、とことん知らされました。
NZでは独特な言い方で、10番のポジションを「ファースト・ファイブ・エイス(1st5/8)」、12番を「セカンド・ファイブ・エイス(2nd 5/8)」と言いますが、なぜ12番が「セカンド」なのか、ここまで痛烈に感じた試合はありませんでした。ルークの不安な表情を、アーロンのニコニコ顔が陽光のように照らしてしまったかのようでした。彼自身、10番をやっていた頃よりも今の方が数倍も輝いて見えます。適材適所とはこのことなのでしょう。
アーロンが輝かせていたのはルークばかりではありません。
13番マア・ノヌもでした。
スーパー14のハリケーンズでは決勝戦まで駒を進めながら、彼自身はどうしてもブレークスルーできない何かを抱え込んでしまっていたように見えました。しかし、今日の彼はまったく違っていました。目をしばたかせてしまうほどのきらめきで、ヘンリー監督が彼を高く買っている訳を改めて思い知らされました。
心から信奉しているであろう、タナ・ウマガとのコンビより、彼をどのプレーヤーよりも恐れるアーロンとのコンビの方が上手く行くとは皮肉な話ですが(笑)、彼を鋭利なラインブレーカーとしてフル活用する方針は、本人にとってもチームにとっても非常に上手く行っているように見えました。彼自身の会心の笑みが印象的でした。
後半戦の立ち直りは、オールブラックスの底力の証明として、しばらく語り草になるでしょう。同時にアイルランドの自信を来週の分まで根絶やしにしてしまったかもしれません。第2戦は初戦の後半の「つづき」として始まるような気がします。
まずは今シーズンの初勝利をありがとう!
録画放送だったのです。おまけに私、外出
しなくてはならず、携帯から途中経過を見
たらなんと、前半6-18で負けてるじゃない
ですか。アイルランドは強いからリードは
あり得るにしてもワントライワンゴールで
はおいつかない点差に緊張しました。で、
それからしばらく携帯を見れない状況にな
り、気を揉む時間を過ごし、こわごわ携帯
を覗いたら34-23の大逆転の表示。いやあ、
嬉しかった(笑
マカリスターに関してはほぼ同じ感想を
いだきました。調子でない時間帯でも
プレイは大きく乱れず徐々に調子をあげ
ていくあたりが大器なんですね。後半の
ライン操作とゴールの連取はさすが。こ
の苦しい試合を乗り越えたことは彼や、
他のキャップ数が少ない選手達にとって
もさらなるステップアップになることで
しょう。しかし、このたくましいチーム
がABsの「片割れ」にすぎないんですよ
ね。おまけに経験の浅い選手が多いのが
こちらだし(笑
オープンサイド2人への懸念はみことさん
の見立てが当たりましたね。素晴らしい!
ホラーは試合中消えてました。ほとんど
印象にありません。NZ国内でマソエの方が
評価が高いそうですが、その評価が正しい
ことも証明してしまったような試合でした。
彼も衰えたのかな。
まだ動揺が残っていたかな^^’
そうですか、日本ではみなさんそんな風に試合を追われているわけですね。そのご苦労やドキドキが実ってよかった、よかった。
ここで何かをつかんだオールブラックス、
来週は大差で勝ちそうな予感です。
ルークもホームのようなものだし。
練習をしながらというより、試合をしながら、
ほんの数十分の間に強くなる――
相手にとっては怖いですよね。
今はテストマッチの嵐で、録画を取りながら必死で見ています(笑)
NZマオリのアイルランド戦もオーストラリアのイングランド戦もそれぞれ半分見たところ・・・TT
初テストマッチ観戦は感動の一言!!国歌斉唱とHAKAでは泣いてしまいましたよぉ。本当感動でした。
これでダンがいたらもっと大泣きだったことでしょう。ダンがいないときの私の目は...マコウを追っていました(爆)
前半こそヒヤヒヤしましたが、後半は波に乗れたのか安心してみれました。
17日はイーデンパークで観戦です~。もう国歌斉唱もHAKAも泣かないかな??
「もう怖いものなし」
と思っていたNZ暮らしですが、こんな大停電に見舞われるとは!まだまだ何が起きるかわかりません(笑)
アイルランド戦、よかったですね。試合の展開も何もかも一生の思い出ですね。
>ダンがいないときの私の目は...マコウを追っていました(爆)
この本音がツボでした(笑)
マーティーじゃダメですか?ダメですよね・・・(笑)
NZ滞在楽しんでくださいね。
(メールはなぜか届きませんでした)
12日はオープントレーニングにも行ってきました。雨だったので屋内でのトレーニング(てか遊び??)でしたが楽しかったです。
もちろん私の目はリッチーオンリーでしたよ(だって、まだダンが合流していないんですものぉぉ)
神様は私にリッチーを好きになれと言ってるんでしょうか??(大爆笑)
マーティー君ですか・・・・はぁ、ちょっと考えて見ます(笑)
そういえば、マーちゃん(ノヌー)は酷評みたいですね。試合前(ホテルを出発するとき)かなり緊張した顔をしていたのが忘れられないです。やはり13番というのは思いのでしょうか(涙)
マーちゃん、がんばって!!
メールの件、何かの手違いだと思うんですが、
理由はわかりませんTT
ゴメンなさいTT
今日は昨日と打って変わって良いお天気ですね。
こんな日に外で思い切り公開練習してくれたらいいのに。
あのインドアトレーニングはかなり笑えましたね~
みんなツルツル滑ってて(テレビで観ましたよ♪)
>マーティー君ですか・・・・はぁ、ちょっと考えて見ます(笑)
よくよくご検討のほどを(笑)
>やはり13番というのは思いのでしょうか(涙)
マーちゃん、がんばって!!
まったく同感でーす。