沼隈文化財研究所

「温故知新」
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大地(おおじ)2号遺跡発掘調査現地説明会

2006年07月09日 | 発掘調査情報

弥生時代中期、後期から平安時代にかけての遺跡調査、
現地説明会

  (大地2号遺跡 西側調査状況)

大地(おおじ)2号遺跡は、福山市北部にある新市町常金丸から
府中市に抜ける、道路改良工事に伴う工事により、
遺跡の調査をおこなった。

新市町常金丸には、品治別(ほんじわけ)神社境内地から
旧石器時代から、縄文時代にかけての石器・土器(早期)が出土し、
「宮脇石器時代遺跡」として広島県史跡に指定されている遺跡が存在する。

今回の調査は、平成16年からの試掘調査を踏まえての本調査で
SD1(溝状遺構)の底の部分から、弥生時代中期の遺物と上部からは、
弥生時代後期の遺物が出土し、SD1の溝を改修してSD4の溝が構築され、平安時代(西暦900年代)の遺物が出土している。


 (SD1の検出状況)


  (SD1とSD4の検出状況)

更に、SB1(竪穴住居)の検出により、平安時代の建物跡と推定され、
かまどの跡も検出されている。


    (SB1の検出状況)


      (SB1の炉跡)

出土遺物は、縄文土器・弥生土器・須恵器・土師器・石鏃・石錐・管玉
・土錘・銭貨などが出土している。


   (土器片 弥生時代)


    (土錘片 拡大)


    (磨製石斧)


      (宋銭)

今回の発掘調査では、弥生時代から平安時代にかけての集落の
周辺縁部分の検出したものと考えられる。

(調査場所):福山市新市町大字常
(調査主体):福山市教育委員会・福山市しんいち歴史民俗博物館
        福山市埋蔵文化財発掘調査団
(文責):椿庵



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