沼隈文化財研究所

「温故知新」
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「常納原(つねのうばら)遺跡」報告会

2010年09月13日 | 発掘調査情報
9月12日(日)、庄原市西城公民館(13:00~14:00)において、

「常納原(つねのうばら)遺跡」の報告会が行われた。

「常納原遺跡」は、庄原市西城町八鳥(はっとり)に所在し、

約76,000?の範囲に広がり、昨年度は、庄原市教育委員会と

広島県教育事業団埋蔵文化財調査室が調査を行い、

本年度は、広島県教育事業団埋蔵文化財調査室が実施した。

本遺跡は、縄文時代から弥生時代、古墳時代の遺物が見つかり

遺構については、大正時代末から昭和時代はじめに掛けて開墾が

行われており、現在は水田として利用されている。

特に本年度の調査は著しく削平を受けていて明確な遺構

については、これからの研究が必要との説明を受けた。

昨年度の調査は、埋蔵文化財調査室では、A区で建物跡8棟と

土坑2ヶ所、B区では、建物跡2棟分と土坑、溝を20ヶ所を確認

している。

また、昨年度の庄原市教育委員会の調査では、建物跡2棟分と

墳丘を削平された周溝跡2基分を検出している。

この遺跡の特徴は、山陰地域特有の甑式土器や周辺の遺跡から

横穴墓群が見つかっていて、山陰地域との関係が考えられている。

遺跡からは、鉄鉱石や鉄滓が見つかり、6世紀後半には鉄に関する

何らかの関係が考えられる。

報告会の後に、現地の状況を伺う事ができた。

工事用の重機が入り、遺跡の状況の把握は難しかったが、

雰囲気は、感じ取る事ができた。



          (土師器)


        (鉢形土器)


             (石核)


           (石鏃)


     (土師器 碗)


          (鉄鏃)


              (鉄鉱石)


          (製塩土器と玉類)


    (報告会 遺跡現状)


          (遺跡の現状 南から)

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