沼隈文化財研究所

「温故知新」
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宮の本第20~26号古墳発掘調査現地説明会概報!!

2007年10月23日 | 発掘調査情報

広島県三次市向江田町に所在する、
宮の本第20~26号古墳の発掘調査概報です。

日時:平成19年10月20日(土)13:00から
調査主体:広島県教育事業団事務局埋蔵文化財調査室
       三次市教育委員会
説明員:梅本健治氏

本調査は、中国横断自動車道尾道松江線建設事業に関わって、
4月16日から9ケ月間の予定で発掘調査の実施に伴うものです。

調査の場所は、三次市向江田町の東部に位置し、標高287mの
山の背が西に派生する丘陵上に、計30基余りの古墳が存在しています。
今回の調査では、7基の古墳は古墳群の北西部に位置し、
ほぼ東から西に延びる丘陵尾根上に立地します。
周辺の遺跡は、前方後円墳を含む数多くの古墳がある一方で、
弥生時代の陣山墳墓群や古代の寺町廃寺跡や上山手廃寺跡が
存在するなど、古代備後国北部の中枢の地であった所です。

調査された古墳は、主となる第24号古墳を中心にして、その回りを
取り囲むように6基の古墳と、調査中に見つかった2基の古墳とで
古墳群を構成しています。
調査区域外にも多数の古墳が存在しています。

主となる第24号古墳は、墳頂部に3基の埋葬施設を持ち、竪穴式石室1基、
箱式石室2基で構成されています。
ただし、埋葬施設は、早くから盗掘を受け、出土遺物については、
それ程多くはない。
しかし、墳丘部は貼石と2段目には埴輪列と列石を構築し、3段構築の
円墳となっています。
埴輪は100本近くあったものと考えられていますが、
現状では、92本確認されています。
時代的には、24号古墳が、BC400年頃の構築と考えられ、
それからBC650年頃まで順次構築されたものと考えられています。

埋葬施設についても、竪穴式石室から箱式石室、箱式石棺、さらには
横穴式石室までバライティーにとんだ各種の埋葬施設が概観できます。
墳丘の構成は、ほとんどが円墳となっています。


     (第24号古墳墳頂部)


 (第24号古墳葺石状況:南斜面)


   (第24号古墳:北斜面)


 (第24号古墳:葺石状況北斜面)


(第24号古墳:円筒埴輪列)


 (円筒埴輪出土状況)


(第24号古墳:墳頂部形象埴輪片)


  (第24号古墳:銅鏡SK2)


  (第24号古墳:円筒埴輪片)


  (第24号古墳:埴輪片)


(第24号古墳主体部:SK1)


  (第24号古墳主体部:SK2)


(第24号古墳主体部:SK3)


(第20号古墳:横穴式石室)


   (第21号古墳:箱式石棺)


    (第22号古墳:箱式石棺)


(第23号古墳:箱式石棺)


(第31号古墳:横穴式石室)


(第32号古墳:横穴式石室)


(第20号古墳:長頸壺)


(第20号古墳:高杯)

その他,沢山の古墳の調査がありますが、画面上の制約の
関係で、概略は、以上と致します。

文責:椿庵遍照




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