沼隈文化財研究所

「温故知新」
文化財を通して歴史を振り返ってみよう。
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広島県三次市域埋蔵文化財発掘調査報告会

2007年03月05日 | 発掘調査情報

「中国横断自動車道尾道松江線建設事業に係る」
三次市域埋蔵文化財発掘調査報告会に参加しました。

日時:平成19<2007>年3月3日(土)13:00~15:50
場所:広島県立歴史民俗資料館 研修室
    (広島県三次市小田幸町122)


         (三次風土記の丘)


       (広島県立歴史民俗資料館)

この埋蔵文化財発掘調査報告会は、
(財団法人)広島県教育事業団事務局埋蔵文化財調査室
広島県立歴史民俗資料館とが共催で、

「中国横断自動車道尾道松江線建設工事」に係る埋蔵文化財の発掘調査報告会
です。特に三次市域に関係する遺跡の報告です。
発掘調査の期間は、平成17年から平成18年にかけての調査報告で、
その内容は、


1.札場(ふだば)古墳
  古墳時代、古墳で報告者は、唐口 勉三 氏

      (報告中の唐口氏)

2.権現(ごんげん)第1~3号古墳
  古墳時代、古墳で報告者は、梅本 健治 氏

       (報告中の梅本氏)

3.段(だん)遺跡
  旧石器時代・古墳時代、集落跡で報告者は、辻 満久 氏

        (報告中の辻氏)

4.和知白鳥(わちしらとり)遺跡
  旧石器時代・古墳時代、集落跡で報告者は、山田 繁樹 氏

       (報告中の山田氏)

5.向江田(むこうえだ)中山遺跡
  古墳時代、集落跡で報告者は、岩本 正二 氏

       (報告中の岩本氏)

6.箱山第3~6号古墳
  古墳時代、古墳で報告者は、岩本 正二 氏

7.大番奥池第1~4号古墳
  古墳時代、古墳で報告者は、梅本 健治 氏

8.北野山遺跡
  古代、建物跡で報告者は、渡邊 昭人 氏

       (報告中の渡邊氏)

まとめ
  小都 隆 氏

        (報告中の小都氏)

の報告がありました。

この調査は、現地説明会では、場所的に不便であり、大勢の人達が
集まるには、難しくこの様な方法を採ったとのことでした。
また、調査の最中には、旧石器時代の遺物と範囲の確認を行い、
次年度から、本格的に遺構の確認に移るとのことでした。

古墳時代の古墳については、5世紀代の古墳から終末期の古墳、
更には、二段築成の方墳で葺石を持つ古墳(箱山5号墳)など
広島県内に於いては、終末期の古墳での状況が不明であり
今回の発掘調査で多くの資料が得られたとのことでした。

集落跡についても、方形の竪穴住居に、2本柱の建物と4本柱の建物、
更には、掘立柱の建物、総柱掘立柱建物など多種多様の建物跡も検出
されています。(向江田中山遺跡)

あるいは、官衛的な建物跡と考えられるような遺構も検出されています。
また、宗教的な色彩のある建物跡の検出もあり(北野山遺跡)、
さまざまな遺跡、遺構を検出し三次市域の遺跡の集中度は、
他所を圧倒する感がありました。

発掘速報展的な意味合いもあり、調査の詳細については、
今後の検討をも含めて行われるとのことでした。

                                (概略以上)
                               (文責/椿庵)



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