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 バイクが教えてくれたことなどを勝手に気ままにつづるブログです。
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その5 バイク解禁とRZ350 (初めての全損-2/2)

2012年09月08日 08時29分44秒 | 5.思い出のバイク

対向車は雪上車に並んだところで正面からフルブレーキで降りてくるバイクを見つけ、急ブレーキをかけてくれました。そこで当初イメージのぶつかるタイミングよりも後ろの方で衝突するイメージに変わりました。

 

私はぎりぎりまでブレーキを掛けて最後にリアをロックさせて振って真横にし、丁度バンパーの下に潜り込ませるように横倒しになりました。ここまでは予想どおりです。


不思議なことにそこからはコマ送りの画面をはっきり覚えていますが、右足が初期型レガシィのバンパーに挟まれそうになり、右足を上げました。その次の瞬間は車の屋根を上方から見下ろしています。次のコマは車のトランク越しに、跳ね上がったRZ350 が縦に跳ね上がって、フロントからまっさかさまに地面に落ちる場面。そして次はアスファルトの砂利の模様。で音と衝撃を遅れて体感します。


結果的には私の方は、イメージしたとおりに車の屋根を飛び越えて落下し、そのおかげで速度エネルギーを散らして、地面を滑ることでGパンは裂けましたが、ゴロゴロと転がって大した怪我になりませんでした。


バイクは残念ながらイメージとは違い、車に当たった衝撃でリアサスが跳ねたんでしょうか、潜り込まずに跳ねあがって縦に落ちたせいで右と左と前と全部がボロボロで、立ち上がって、バイクを見た時に「ああ、全損だ」とわかりました。


車に乗っていた2人がびっくりして降りて来てくれ、声を掛けてくれましたが、ひたすら「申し訳ありません」と平謝りしました。車の方はフロントバンパーが半分脱落しましたが、ラジエターを突き破るようなことは無く、走れる状態でした。



この時はまさに奇跡のような出来過ぎの状況でした。
①もし、フルブレーキングの姿勢のまま、正面から車に突っ込んだら、私はフロントガラスか、ルーフに引っかかって大けがだったでしょう


②もし、左の雪上車にぶつかったなら、こちらは背が高く、バイクを潜り込ませたとしても、人間が飛び越えることはできず、車体に激突していたでしょう。


そして今回の場合でも、相手の車のブレーキが遅れていたら、衝突の衝撃はもっと大きくどうなったかわかりません。


全損と言う大事故でしたが、打ち身で済んだラッキーなケースでした。また思い返すと不思議なんですが、相手の車は廃車するために運んでいたところだったので、修理は不要だと言うのです。私はそれでは申し訳ないので、足止めしたお詫びに昼飯代として、お金を渡してその場で示談となりました。


で、バイク屋さんに電話して引き取ってもらったのですが、奇麗だったRZをやっと譲ってくれたバイク屋のお兄ちゃんに本当に、申しわけ無くて詫びたんですが、彼は気遣ってか、「これでよく、無事でしたね!」と笑ってくれたのでした。私が「なんとか、修復できませんかね」と言うと、「残念ですが、使える部分がエンジンしかないよ」と言われてしまいました。


反省することしきりなんですが、
①とにかく速度を出していたこと。

②上りで見た状況を下りに当てはめてリスク管理出来なかったこと。(あの状況だったら、最後のカーブは立ち上がりでクールダウンしてやり過ごす状況だったんですね、雪上車のせいでブラインドになるし、ブレーキングポイントはずっと手前に来てしまうんですから)


③対向車が見える前から、リスクは見えていた。
この③は、実は曲がって立ち上がった時に、ブレーキングポイントを大きく変えないといけないことが予見されたんですね、その瞬間に判断していれば間に合ったんですね。しかしつい調子に乗って全開で立ち上がった、、、ために対向車が来ない場合だけ曲がれる運転になってしまったということです。

Rz350_1980_3



いまでもこの、私に買われたばっかりに全損してしまったRZ350は悲しい思い出です。加えて東京に引っ越した後、数年後にバイク屋さんを訪ねた折、譲ってくれたお兄ちゃんが事故で亡くなったことを知り、私が無理に譲ってもらったことが、彼の歯車を狂わせたのではなかろうかという思いとともに、後悔の念が深く刻まれたバイクでした。