週末になると、当てもなく走り回ったホークⅢでは、
①左折巻き込まれ転倒
②初歩的な曲がりきれずに握りゴケ
③これは「死んだ」と思ったトラックの巻き込み
④峠で雪解けに乗り上げて田んぼにダイビング
⑤兄と二人乗りしていて目の前で車がUターンというノリック事故パターン
と、さすが最初のバイクでは散々な事故歴が有ります。
被害事故が2回、自爆が3回。自爆は単純に技量の無さと自制心の無さですが、被害事故は予知能力の無さと考えないといけません。
雨のひどい国道で、路肩側をライトを付けて走行中、前方の車が速度を落としたので追い抜こうとした途端、いきなり左折。ブレーキ握りゴケです。バイクの下敷きで唸っていると、ドライバーが下りてきて言った忘れもしないその言葉「大丈夫ですね!」
なんじゃそりゃ。だいじょうぶですか?だろ。おまけに同乗している家族と思われる3人は嫌そうな目で窓も開けずにみてるだけ。
「あんた、指示器も出さずにいきなり左折したでしょ!」というとあろうことが、「いや、方向指示器が今切れていて・・・」
・・・確信犯かい!。バイクを起こして立ちあがると「だいじょうぶだね、じゃ」と言って車に戻って行ってしまった。買ったばかりのクシタニの雨具は穴が空き、倒れた側の割れたウインカーと傷ついたクランクケース、バックミラー、そしてこの打撲、打ち身と雨ににじむ血。
これは俺のせいなんか?。まぁ、19歳の未成年はチョロかったですな。この時の正しい対応は多分こうです。
「ううっ」と唸って倒れたまま車のナンバーをしっかり記憶。
警察呼ぶ。⇒人身事故扱いにする。当時の判例ではやや弱いかもですが、今なら事故誘発の起因を作った方は問われますから、左後方(巻き込み防止)をせず、整備不良車と知りながら運転し、適切に処置せず走り去った、、、ということで十分ひき逃げに出来るでしょう。
この件で一番こたえたのは、雨の中とはいえ、車の中の家族が一人も心配して出て来なかったことです。それが無かったなら、私も「大丈夫ですから」と許したと思う。
もうひとつの対処法は、下手に避けようとしないことだ。どんとぶつかって左折巻き込みにしておけば話は楽だ。
・・・とまぁ今となっては大人げないそんな局面に巻き込まれることなく
①怪しげな車とは車間を取って、前車のルームミラーか、バックミラーにヘッドライトを映す
②特に雨や霧で視界が悪ければ、センターライン側を走る。
などの対応をすることで事故そのものが起きないわけです。
もうひとつはどちらが悪いと言いにくいですが、峠の下り左ブラインドヘアピンコーナ。ここは採石場出入りのダンプカーが多く浮き砂が巻かれているため、路肩を外して中央よりを走っていたところ、対向車線からセンターラインを割ったダンプカーが来て、コーナ頂点でダンプカー中央のプロペラシャフトに飛び込みそうになりました。
とっさに「身体が入ったら終わりだ」ということで左側に転倒覚悟でバンクさせ最悪でもバイクだけ・・という回避動作をしたところ奇跡的にバイクのフロントタイヤがダンプカーのリアタイヤに乗りあげ、ちょうどダンプのタイヤを壁として転倒せずに曲がることが出来ました。これはこの後私が体験する3大奇跡の最初となりました。いやぁ、思い出しても冷や汗がwww。
これも、こんな道路で無理する必要はさらさらなく、こんなヘアピンは対向車がショートカットして来ることは多々有るわけで、それを予知してイン側に寄ることは常識です。ところが山菜取り時期にはこんなヘアピンのイン側(山側)に車を停めて散策している御仁が多いことも事実ですから、こんなところは絶えず止まれる速度で走ることです。
バイクそのものの記憶は薄いホークⅢですが、ライダーとしての記憶には実に濃い初心者ライダーの時期でした。言いかえればこの時期が最も危ない時期。戦闘機乗りでは通称「カモ」と呼ばれる時期です。
バイクに乗り始めたみなさん、この時期は本当に要注意ですよ。 次回ももう少し、事故体験を書きたいと思います。
(つづく)