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<アーカイブ73>「日本の製造業が海外進出でやってはいけなかったタブーとは?:2012/10/24掲載

2015年04月22日 10時18分27秒 | 経営
シャープ問題で表面化した大手製造業の国内工場の大規模な海外移転が始まり、国内空洞化により来年以降の日本経済の失速が懸念されている
日本の物価高は今に始まった事ではないが世界的に見て高い土地(建物賃貸)価格に引っ張られて総ての物価が他の先進国より高いものになった上に、バブル経済でその価格が異常値と思える水準まで引き上げ、それに伴い労働単価も潤いのある生活に必要なレベルに上昇したが、バブル崩壊後賃金は一方的に引き下げられるがその他のライフラインの価格はさほど下がらなかったので生活苦が表面化した。更に長引く不況が就職率を低下させて、パート/アルバイトに甘んじる人々が増え、それも出来ない人々は今や200万人を突破した生活保護に頼っている。
それでも超円高といわれる80円を切る円は海外からの輸入価格を引き下げ、更に海外工場で生産された低コスト商品が100円ショップ等に広く出回り庶民の生活物価を引き下げた事で、かろうじて低所得者の生活が維持されている。

思い起こせば今や「世界の巨大企業サムソン」は40年前私が日立のサラリーマン時代には技術レベルの低い部品の外注先で今日の隆盛など想像も出来なかった。1994年に初めて経済視察で中国:上海に行った時も、中国はガラクタ製造装置の工場とモラルの低い労働者の組み合わせで、どうしようもない製造技術しかない国だった。

それが今、韓国は半導体から家電、自動車まで日本のお家芸だった製品で日本を凌駕し隆盛を誇っている中国も今やGDP世界第2位の産業を誇り、尖閣問題では日本製品ボイコットをしても影響ないというまでに製造産業が力を付けて来ている。いずれ中国が韓国同様の製品力を保持するのは時間の問題だろう。

こうなったのは日本企業の怠慢か、はたまた事なかれ主義」に嵌まった経営陣のチョンボかと騒ぎたくなるが、実は大事な国家戦略の欠如と私は言いたい!それは日本製造業が誰しも陥った現象なのだが、もうこれ以上民間企業のタブー破りに惑わされてはならない事なのである。
そのタブーとは何か・・・「高度部品工場は絶対海外移転しない」ということである
韓国の今日の電子産業にも日本独自の部品無しには完成しないものが未だにある。また中国に至っては自動車や電子機器の殆どが現在も日本製の部品無しには製造できないものばかりである。
ところがもう何十年も日本政府はこの事を見逃し、経団連も企業の独自性の元に何の規制もしなかった。
日本企業は目先のコストダウンの為にタブーである電子部品製造技術を韓国に提供し、そこから韓国の参入を許し、今は決断と行動の速さで日本を凌駕されたという失態なのである。中国もいずれ同じ道をたどり負けるだろう。特許だけでは守れない。

もし韓国の液晶パネル部品製造技術や中国での自動車のエンジン周りのゴム製部品工場が現地に無く日本からの輸出に頼る構造だったら、今頃韓国も中国も簡単に経済制裁で輸入禁止とは行かないのである。
「重要部品工場の海外移転禁止」を官民一体となり国家戦略として早急に実現しないと日本製造業の明日は無い!


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