テレオロジカルな行為。

結果に関わらず、それ自体から充足感が得られる行為。
by ポール・マッケンナ

『35歳からのリアル』は辛辣で、読んだら暗くなること間違いなし

2010-02-03 10:49:07 | Weblog

 

ヒット本『35歳からのリアル』は、お先真っ暗のデータがこれでもかと掲載されていて暗鬱になるが、
現実を直視して一刻も早く行動にうつした人が救われるという、
団塊ジュニア必読本だ。



■この成功本はここがミソ!



 前著『28歳からのリアル』でヒットを飛ばした人生戦略会議の最新本である。
内容は相変わらず辛辣で、読んだら暗くなること間違いなし。

 しかし読まずにはいられないのはなぜか。年齢設定が実にリアルで、
読み手の心をくすぐるからである。前著は30歳前の微妙な時期で、
今回は仕事や結婚、そして家庭で大いに悩む頃である。

 とくにターゲットは、団塊ジュニアで競争が激しいからなおさら、身に詰まされるのか。
前著が10万部を超えるロングセラーになって、その姉妹本として、
『28歳からのリアル マネー編』や『図解 28歳からのリアル』が出版されて、
シリーズとして人気を博している。

 自己啓発のテーマとして読者の関心をひくには、
「20代でやっておきたい」とか「30代から始める」とか、
年齢で区切る方法が有効だったが、
本書はもっと微妙な「28歳」や「35歳」という切り口が目新しかったようだ。



 しかし実際には、人生の分岐点になる年齢など人それぞれなのだが、
この世代は特に「ロストジェネレーション」といわれ、
これまでもマスメディアで盛んに取り上げられてきた年齢層なのだ。
つまり、就活の時期にバブルが崩壊して、そのまま“冷や飯”を食わされてきた世代である。
だからこそ、あの地獄の時代から10年近く経過しても、恐怖感に苛まれ、
手に取ってしまうのであろう。

 実際、かなりのハンディキャップを背負っているが、
このままではいつまで経っても、浮かび上がれないという負い目と、
何とかして将来の生活設計を形成したいという前向きな気持ちが
購買力につながっている。

 内容は読みやすいストーリー仕立てでもなく、淡々と示される予想された未来像と
客観的なデータの羅列。これには、このままズルズルと何もしないでいると、
トンでもないことになるぞという著者の辛辣な主張なのだろう。


 40代で収入が頭打ち、50代では減少、しかも年金と税金の負担は大増加する。
どう見ても、お先真っ暗の現実に圧倒されるのだ。

 総務省の「就業構造基本調査」より作成した「30~34歳男性の年収分布」というグラフが出てくるが、
1997年と2007年では、グラフの山が左に大きくずれているのがわかる。
つまり、現代の30代前半男性は、10年前の同世代(現在の40代前半)よりも
100万円から300万円ほど所得が減っているのだ。


 ということは、現代の35歳は、世の中がどんどん貧しくなっていくことを前提に生活設計、
人生設計をしていかなければならない。
話は少しずれるが、現在の「婚活」ブームは、ちょうどこの年代が中心になっている。


 女性に絶大な人気のある勝間和代氏を崇拝する「カツマー」たちが、
パートナーに求める年収は1000万円以上らしいが、
実際平均年収の2倍近くを稼ぐ男たちは少なく、
女性とつき合うこともなく一生を終わる
「オス」たちも出てくるかもしれない。


 ますます暗いデータばかりだが、闘争心とファイティングポーズは捨ててはいけない。
人間、やる気がなくなると、どこまでも落ち込んでしまうからだ。

 実際、ホームレスと一般人のいちばんの違いは、お金や格好ではなく、
やる気があるかどうか。最後は肉体ではなく、精神がすべてを左右するのである。

 一世を風靡したカツマーたちが一段落して、今度は香山リカ氏を指示する
「カヤマー」たちが増加しているようで、身の丈の幸せを顧みる傾向が復活してきた。
まだまだ望みがあるのは、
最近の20代の若い女性が40代の男性を好ましいと思い
相手に求めるのは優しさと安定で、
年収にはそれほどこだわらなくなってきていることだ。

 それを聞いてちょっと安心といったところだが、そういう面からいっても、
読んでおいて損はない本だといえるだろう。


以上、livedoor news より転載



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