HD. Yuzuru HANYU 羽生結弦 FS - 2017 Autumn Classic International
原作 鬼塚 忠 監督 篠原 哲雄
池坊専好 野村萬斎 ・ 豊臣秀吉 市川猿之助 ・ 織田信長 中井貴一 ・ 前田利家 佐々木蔵之介
石田三成 吉田栄作 ・ 千 利休 佐藤浩市 ・ 吉右衛門 高橋克美 ・ 淨椿尼 竹下景子
れん 森川葵
世は室町時代、織田信長の命により生け花を所望された六角堂の花僧・池坊専好は
信長のイメージを「昇龍」とし、松を主体に大作に挑む。
居並ぶ武将 前田利家・石田三成・豊臣秀吉・千利休を前に信長よりお褒めの言葉を賜る。
花僧として武家・商家・庶民を相手に花を活け教えて10年過ぎた頃・・・・
豊臣秀吉が天下を治め圧政の世になっていった・・・・
話の横糸は河原に死体同然で打ち捨てられていた謎の少女「れん」
専好は河原で小石を積んでは花器となし、花を挿して光明真言を唱えて弔っていた。
少女を寺に連れ帰るも、口も利かず食べ物も拒否。画を描くのみ。 さて・・・・
秀吉は千利休を茶頭とし、茶道を好みながらも複雑な心境を利休にぶつけていた。
茶の世界・華の世界そして政治の世界。 挑むのは
秀吉・利休・専好 力 技量 知恵 叡智 祈り
この作品には「エンターティメント時代劇」と魅力を謳ってはおりますが、
何のなんのとっても深いです・・・・
利休と專好の会話に泪しました・・・・
茶の好きな人 花の好きな人 器の好きな人 画の好きな人 どうぞ
蒔野聡史 クラシックギタリスト 38歳
小峰洋子 フランスの通信社勤務の国際派ジャーナリスト 40歳 アメリカ人の婚約者有り
三谷早苗 蒔野のマネージャーであり心酔者 30歳
平野啓一郎の大人の恋愛小説と聞いておりましたが、読み始めるなり登場人物2人は年齢と
いい、仕事の内容といいいかにもアッパーなのでした。
最初の出会いから2人は惹かれていく自分を認めているのでした。
天才少年としてクラシックギターの世界に登場してから、円熟の第一人者と評価されて
居る現在の彼は体調もあって演奏生活に逡巡する時に差し掛かっておりました。
洋子は結婚の準備も間近にしながら、イラクでのホテルで仕事中に自爆テロに遭遇。
間一髪でエレベーター内で逃れるというアクシデントの後パリに帰国。
そこで蒔野と会います。二人はskypeで語り合っていて互いの感情を確かめる段階に
差し掛かっていたのでした・・・・
この小説で読者はクラシックギタリストの業界から個人的生活まで詳しく知ることになり、
更に洋子の別れて暮らすことになるクロアリア人の映画監督の父や、日本人の母の事も
知らされ、グローバルな世界の緻密な情報を読むことになります。
それはそれで興味のある世界ではありますが、この大人の恋愛にはとんでもない邪魔が。
私のぶっちゃけ感想は「振り込め詐欺だよ~~」まぁ艶消しな私の感想ではあります。
三島由紀夫を彷彿させる恋愛小説現代版
平成の終わりに差し掛かった今はN.Yセントラルパークいいですね
小畑弦矢は、ロスアンゼルス在住の叔母 菊枝(キクエ・オルコット)がたまたま来日逗留していた
修善寺の宿で急逝したことにより、後始末のいっさいにかかわる事になった。
遺言によれば彼女の全遺産は弦矢に遺贈されることに・・・・・なんと42億円・・・・・土地邸宅含む。
彼は南カルフォルニア大学大学院卒MBA取得の俊才。
たまたま転職のはざまの時間があってロスのランチョ・パロス・ヴァーデスのキクエ宅に
行って整理の仕事にかかる。 そこで出会った人々と土地ならではの風物。
この小説の楽しみは 1.この地のしかも高級分譲住宅地の富裕層の暮らしの佇まい
2.ミステリアスの解読 3.関わる人間の多種像 4.弦矢の謎解きのセンス
出てくる景色も関わる人達も上等な贅沢な味付けでとても楽しめました!
追うテーマは6歳で白血病で亡くなったとされる従妹のレイラは、実は誘拐されていた事。
その生死も明らかでないのに、遺産の相続は出来ないと逡巡する弦矢。
そして私立探偵ニコ(ニコライ・ベロセルスキー)に依頼する。
邸宅はジャカランタの巨木が立ち並ぶ土地に海からの風が吹き、庭には広い芝生
密生するように植え込まれたバラ・桔梗・ガーベラ・カーネーションやハーブ。
幼い日に弦矢が祖母に教えてもらった秘密の儀式
~花にも草にも木にも心がある。嘘だと思うなら本気で話しかけてごらん。
植物たちは褒められたがってるのよ。だから、心を込めて褒めてやるんだよ。
そうしたら必ず応じてくれるよ。~
この一文はタイトルを語っております。
私にとってこの小説は絵のない絵本でした。
風がそよそよと吹いてきました・・・・
この本の発売を知った直後に私はAMAZONに発注しておりました。
常々、死は必ず訪れるものと思っていましたが、83歳の誕生日を迎えた直後から
身体の各部所に平常にはない痛みや不自由を感じるようになりました。
「ははぁ・・・・最期への予兆がこれこれ!」と思いながら、 あっち界 へはソフトランディングで
出来れば痛くなく苦しくなく他人に迷惑かけないように願っておる今日この頃でした。
このタイトルに飛びつきました 期待裏切りませんよぉ・・・・
今まで其のつもりで色々読みましたが肝心の知りたい部分が書けてない具体的でない
しかしこの本は判りやすく具体例を上げて反論を怖れず突っ込んでくれております。
最初に大橋巨泉さんの最期のレポートを紹介して始まります。
この知識も富もコネクションも最愛の伴侶も持たれた方でも、想定通りには行かなかった現実。
(そういえば遠藤周作さんも病気にはお詳しく、医師会にもご縁が深かったのに、亡くなられて
奥様が出された書には受けられた医療に納得されていなかったようにお見受けいたしました)
内容はここに紹介することは無理なのでご一読お勧めいたします。
私の場合は手元に置き何度も読むことになります。
今まではがん終末期を対象にした平穏死や尊厳死の例が多く、私はがん以外の時を
知りたいと思っていました。
※ 老衰の場合
※ 臓器不全の場合
※ 認知症終末期の場合
※ 人工透析と人工呼吸 等々 色々なケースを知ることになります。
それにしても希望通りにいくには、運命の神の力もあっての事と
アチコチに感謝を深くし、祈りながらの ソフトランデングかなぁ
今頃「海辺のカフカ」と思われるでしょう。 2002年に初版発行ですから。
しかし、私がここで話題にするのは、書評でも読書感想文でもなく、
私の 生活雑感 の一つとしてであります。
大ブレークした「ノールウエーの森」を当時読んだ時は、全くお呼びでない感じ。
皆さん どう理解してフアンになるの しかも世界中で読まれたらしい・・・・
しかし気になっていまして「1Q84」は発刊された時は、よく判らないながら
魅力に掴まれてしまいました。
それ以来、気の向くまま小説・エッセイを読みました。
そして今回は「海辺のカフカ」を手にしました。 これまた変わった構成。
田村カフカという15歳の少年の家出の旅と、ナカタという知能に問題アリの老人の旅。
これが交互に登場します。 最後まで謎は続いて引っ張られます。
最初に登場した山梨の片田舎での事件は、1944年で戦争の真っ最中。
そこで摩訶不思議な事象に巻き込まれたのが一人の女教師と小学生たち。
その小学生達の年齢が丁度私くらいなんです。
ですから私は最初のシーンに不思議な臨場感を抱きました・・・・・
ところで読了後に検索してみたら、「海辺のカフカ」は国内外で高い人気を誇る
小説家 村上春樹さん の、ギリシャ悲劇と日本の古典文学を下敷きにした
10作目の長編小説・・・・とあってびっくり致しました。 あれあれ・・・・
そして蜷川幸雄80周年記念作品として平成15年に舞台になっておりました。
配役も魅力的で観てみたいと思わされました。宮沢リエや藤木直人etc。
あのストリーがどんなお芝居で舞台に出現したのでしょう・・・・???
村上春樹の知識・趣味がペダンチックな味付けで、残虐な場面を
救っておるようにも感じましたが、現代版メルヘンと思えば世界での人気も
納得出来るのでした。・・・・このおばあさんも楽しかったヨ・・・・・・
そしてアニメで観たいものと切にせつに思いました

長い事このブログをお休みしてしまいましたが、
体調をご心配下さる方もあって恐縮致しました。
実はこの本「食魔 谷崎潤一郎」を読了してここで紹介しましょうと思いましたが、
如何しても文が浮かんで参りません。
そこで再読致しました。
はたと気がつきました事は、中身が余りにも緻密で簡単に紹介する事が
不可能なのでした。 だったらスルーすれば良いのに・・・・・・
それもなんか悔しいので、味見は無理でも匂い位は届けたいブロガー根性。
一口に申しますと文豪 谷崎潤一郎をとうしての近代日本の食物史。
明治19年に日本橋日本橋産まれてから、昭和40年に亡くなる迄住まいも
東京から京都、神戸、山陰、熱海等転居魔と言われる程移り、
更に中国などに外遊して居ります。
作者は彼の作品を登場する食べ物くまなく網羅して調べ上げて描いて居ります。
モチロン小説の梗概から登場人物の性癖まで、食べる事で浮かび上る筆致。
日本料理にしても江戸前から京料理。中華は無論ようやく口に出来た西洋料理。
彼自身の好みと貪欲な追求。 怖ろしい程の悪魔的表現欲。
作者 坂本葵さん あなたも凄いです!
この本 つけ入る隙有りません!
トンデモナク我が儘でとんでもなく強欲な食魔 谷崎潤一郎を
とうして知る日本人の舌の進化を思いました。

この本は読了したHさんから頂いたのですが、今頃 沢田美喜?と積ん読に。
しかし手に取って読み出すと、思いがけない濃い内容に一気に読み進みました。
終戦の時、私は国民学校6年生。そしてそれは敗戦なのでした。
東北地方の石巻市は東京に比べれば深刻さは酷くはありませんでしたが、
当時の事は子供心に鮮明に憶えて居ります。
神国日本と教えられて居たのに、焼け跡には戦争孤児やパンパンという
女達が、進駐軍という米兵が溢れて居りました。
良いも悪いも無い! 生きて行くのに必死!
それから間も無く聞いたエリザベス.サンダース.ホームと
沢田美喜という名前。
この本はその成立やホームの内容に書き進んでいるだけではありません。
土佐の岩崎彌太郎が貧困極まる生家から三菱財閥に到る経過。
その孫娘 美喜の産まれた時から亡くなる迄の濃密な歴史。
そして占領下のアメリカと日本の関係。 沢田美喜の活躍を追って行けば
それが明るみに曝されて行くのでした。
著者 青木冨美子は、それを追っかけるのにどれだけの時間と地球規模の
広範な探索を費やしたのか?そして会って確かめた沢山の人達。
この本で知り得た事実は維新時代から昭和迄の裏事情でも有ります。
言葉にならない深い感銘で本を閉じました。
広島空港で搭乗までの待ち時間が長く、土産物屋にも飽きて本屋に入った。
ふと手に取ったのが又吉直樹の 夜を乗り越える 新書版。
文字の大きさも読み易そうなので購入した。
帰宅後、疲れながらも読み始めると止まらない!
第1章 文学との出会い
第2章 創作について ー「火花」まで
第3章 なぜ本を読むのかー本の魅力
第4章 僕と太宰治
第5章 なぜ近代文学を読むのかー答えは自分の中にしかない
第6章 なぜ現代文学を読むのかー夜を乗り越える
あとがき
語り口が時々関西弁の今どき口調になるのも柔かい雰囲気で
読みやすいのですが、内容がまことに上等なんです。
読んでいて何度もブログにはここを引用しなくては、と思いながらも
先へ先へと読み進んでしまいました。
本が好きで好きで読み込んで惚れ込んできた人の深さというか純情に
打たれました。 そして謙虚な人柄が好ましい。
選ばれた言葉が更に発酵して文章が滋味を増し、読者の共感を呼び起こす。
これは是非、中学の国語の教科書に入れて欲しいなぁ・・・・・・
読みながら何度もそう思った!
第6章の現代文学の処に来ると、自分の読んでいない分野なので、
急に取り付きが悪くなった・・・・・
「火花」 芥川賞を取る前に読みましたが、良さがよく判りませんでした。
芸人の世界のやりとりがピンと来なかったのかも。
この本を読んでいるうちに前から発刊されている本があると知ってAMAZONに
直ぐ 発注しました。 「東京百景」
狙いたがわず、私好みの心地よい本でした。
表紙に大島紬が使われまことに上品。(布ではありませんが)
東京に出て以来、出会った東京の100の風景の中の又吉直樹が
イキイキと描かれていながらの詩情も滲んでおりました。
私は彼の小説にはついていけないけれど、エッセイ風が
好きなんだなあ・・・・・と思いました。
どうやらこの2冊で又吉直樹を好きになってしもた。 かな?
瀬戸内寂聴さんの著作は、かなり読んで居りましたが
判りやすく余りの贅沢な味付けで、4.5冊読んではお休み。
又ふと手に取っては読み耽り食傷,その繰り返しでした。
処がこの本を知り早速amazonから取り寄せて見ると第1巻が
文庫本で後の3巻は単行本で届きました。
これは日本経済新聞に、日曜日毎に連載されたエッセイで、それまでご縁の
あった文人や誰知らぬ者ない俳優や芸能界の人達との交流で得た実像を
惜しみなく描き出しております。
自ずと炙り出されてくるのは、著者自身・・・・・
仏縁を得られてからも豊饒な人間まんだらは尽きずに広がるのでした。
誰にでもまことに訊きにくい事をサラリと聞き出してしまう・・・・・
登場人物は小さい活字でぽつりと印字され
第1ページの扉にはその墓の写真と来歴
そして寂聴さんの目線で捉えられた人間像
最後の数行は寂聴節・・・・にくいネ・・・・・
更に私を捉えて離さないのが横尾忠則の描く人物像
実は私 彼の絵 良さが判りませんでした
私は藤田嗣治のフアンなんで・・・・・
でもこの本に描かれている人物像・・・大傑作
シンプルなタッチと奇妙な色使い
これを額装して壁にかけたら他の絵は負けてしまうでしょう
これ以外を拒否してしまうド迫力
私はきっと本を読めなくなっても、この本をめくって
この絵に逢うでしょう
登場人物は知った人ばかり・・・・私の世代ならではこそです