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後だしじゃんけん日記

古い革袋に新しい酒?

 「羽生結弦 王者のメソッド2008-2016」 野口美恵

2016年04月15日 | 読んだ

   

  2008年というと羽生結弦13歳 フィギュアスケート・ジュニアにデヴュウーの時から

  2015年12月スペイン・バルセロナでのGPファイナル 21歳までの試合を

  網羅して、それらの試合に臨むまでの彼の心と練習の過程、そして得た結果。

  それぞれの試合のプログラムの内容や点数を分析してあります。

    そして終了後の感想や反省、次の試合に臨む心境。

 

    私が羽生結弦を知ったのは、ソチの冬季オリンピック。

    今でもフィギュアスケートの事、殆ど知りません。

    試合をTVで見て、沢山有るフィギュアのブログを見るだけ。

           彼が著した「蒼い炎」は読みました。

    それから2年・・・・未だにアイドル目線で見てるかも・・・・・

    サルコーもルッツも見分けられな~い!でも上手いのは判るんだよね!

     調子が良いか悪いかも・・・・誰でもそうか・・・・判るよね。

 

    この本は活字がとても読みやすい。そして難しくない。

    専門家の技術解説も、ははぁ~んと読める 


      「有難うございました!」 と 「悔しい!」

     声にならない言葉が聞こえました 

 

  おまけ  中国のゆづフアンが作った人形

   

     髪型や手袋    よく出来ました 

   


   ロゴスの市  乙川優三郎著

2016年02月17日 | 読んだ

   

              INTO THE LOGOS

    御宿のホテルから物語は始まります。

  翻訳者 成川弘之    同時通訳者 戒能悠子

  かって二人は大学の同期生で今は共に 英語 を生業としていた。

  言葉という音を耳から入れて即座に口から訳し出す 同時通訳。

  まったく異なる言葉を母国語に替えながら原作者の思考回路を辿り、

  作中の人物の精神構造を読み、時代と風土を捉え、文学的な表現にふさわしい

  日本語を見つける 翻訳者。

        英語に関わる 苦悩と愉悦 繰り返し描かれていきます。

 

  二人が漠然と未来の仕事としてイメージしはじめたのは、20歳の頃昭和55年。

  大学のペンクラブというサークルで知り合い、同期の田上、依田小夜子も居て

  此の4人が55歳になる頃までのお話。

  田上は出版社に勤め、小夜子は卒業と共に修道院に入る。

 

     若き4人が夫々の道をゆく過程を丁寧に辿る作者の筆は、緻密ながら

     古風な言葉がちりばめられて彼独自な文章の美学なのかと・・・・・・

 

  玩読(がんどく) 琑末(さまつ) 晦ます(くら) 綯い交ぜ(ないまぜ) 纏わりつく(まつ)

  喫驚(きっきょう) 逸る(はやる) 筐底(きょうてい) 噯(おくび)

 

     ストリーはお終い近く、アッと愕く展開というか結末を迎える。

 

   読みながら自分の若さを確認しました。そして年齢なりの愉しみ方だったなぁ・・・・と

          とてもとっても面白く読ませて頂きました

  


  黒冷水   羽田圭介

2016年01月04日 | 読んだ

     

  先般の芥川賞でW受賞した羽田圭介の「スクラップ・アンド・ビルド」は、当初お笑い芸人又吉に

  売上げでは、ダントツに引き離されてしまった。

  ところが最近のTVでの露出は決して負けてていない

      確かに初めてTVで、自室と日常の食事や運動を見たとき興味を引かれた記憶があります。

      それにしても、NHKをはじめ各局くまなく出ずっぱり・・・・とは・・・・・この現象 なに

      昔から文士の動向・交友・スキャンダルは、文芸雑誌に文壇情報として載ったものでした。

      また、TVで取り上げられても寂聴さんや林真理子さんのように生活や生き方を取材され、

      羽田圭介さんのようにタレントと並んでパネラー・コメンテーター・出演者の位置で

      仕事されている人は稀有でしょう。「本を買ってください」と率直にいい、

      その為の出演ですとのたまう・・・・・これっていいですよね・・・・・

      今時の小説家だからでなく、彼独特のキャラなんだと思います。第一需要がありませんよ

   以前にここで書いたと思いますが、「火花」は芥川賞を取る前に買って読みました。

   私には良さが判らなかったのか、面白くなかった・・・・でも知人は読みたがった。一般の反応がこれ!

      「スクラップ・アンド・ビルド」は文芸春秋に掲載されたのを読みました。

      断然 こっちが面白かった  だから次作は買っても読もうと思っていました。

   取りあえず、AMAZONで調べて本になった第1作目 「黒冷水」 を取り寄せたわけです。

   単行本でチョイフルでしたが、活字も読みやすく正月一気に読了しました。

      高校生の兄と中学生の弟の話。  兄の目線で始まります。

      どうやらルックスも頭も兄の方が勝っているし、弟は完全犯罪をもくろんで兄の机や所持品を

      留守中に漁る癖がある。しかし・・・・それはとっくにバレテいた。

 

   この話を小説にして出版されたのが、高校2年生の時。  2003年11月。

   小説家はしばしば早熟で、早く開花し、だんだん面白くなくなるケースが多いけれど、

   彼にはそうなって欲しくない。  いつも新しい切り口で面白い小説を書いて下さい。

   そしてカッコつけて難しい話は作らないで。   取ったのが芥川賞なんだからって気取らないで。

     (特に三島由紀夫は初期作品が好きでした。太宰にしても三島にしても芥川賞は取ってないけど)

 

     さて話は最後に、もうひとひねりしていました。

     これ自分の子供がこの年齢だったら、読むのが怖い・・・・

 

     2日経って自分の心境に微妙な変化が・・・・それまで80歳になってからの自分終末感が

     ず~と濃くなって来ていたのが、消えてる・・・・・なんなんだ   これは