もう三日前の27日のことですが、アイルランド人ギタリスト、Gary Mooreの東京公演に行って来ました。この日は今回の一連の公演の4日目、東京の2日目にあたります。その前の大阪公演では、聴衆がとてもおとなしく、Gary Moore本人との温度差があったようにネットでも書かれていました。
JCBホールに開場前に着いたところ、30分前に既に開場を待つ人たちが長い列を作っていました。年齢層はかなり高め、もちろん若い人たちも居ますが、多くが50代以上、60代と見受けられる人たちも多数居ました。1990年代以降の、彼のスタイルであるブルースを基にした楽曲を好む方が多そうだな、という雰囲気です。
私と一緒に行ったバンドのメンバー達は、それ以前、1980年代以前のハードロック路線の彼の音楽が原体験でしたので、この日の観客の中では若年層だったようです。
現在に近い楽曲のファンの方が年齢層が高く、低い年齢層のファンたちには古い楽曲の方に親しみがあるというのは、ちょっと不思議な現象かもしれませんが、1970年頃からキャリアを積んできた彼ならではの現象かもしれません。
1曲目は“Oh Pretty Woman”でした。TVコマーシャルでもよく聴くRoy Orbisonの同名曲とは別物です。
上の動画は15年ほど前のもので、ホーン・セクションが加わったりしており、27日のバンド編成とは異なります。今回の日本での公演は、Gary Mooreのギターとヴォーカル、それにドラムスとベース、キーボードの4人編成でした。
動画でも激しいギターを弾いていますが、私たちが聴いた演奏は、更に激しくテンポも速めでした。これには年配のファンの方々には、ちょっと引いてしまうアプローチだったかもしれません。
逆に私たちにとっては、嬉しくなるようなハードロック期の雰囲気がたっぷり感じられるギターを、これでもかっ!というくらい延々と弾きまくってくれました。リヴァーブが効きすぎて、耳障りに感じるような点もありましたが、そんなことも些細に思えるような素晴らしい演奏です。とにかくギターの音が前に出てくる、音が大きいだけではなく、存在感が圧倒的でした。
それと、ヴォーカルがまた素晴らしかったです。とても58歳とは思えません。往年のハイトーンは控えめでしたが声量もあり、きちんとしたトレーニングを積んでいるように聴こえました。
英米人とはちょっと違う、黒人のものとも違う、ハードロックのニュアンスを強く感じる彼独自のブルースの解釈だと思います。
ここ20年くらいで掴んだ「大人の」ブルース・ファンを突き放してしまうような演奏にも思えます。昔からこの人は、ファンの期待を裏切る、というか常に自分がやりたい音楽をやり、商業的な成功に何の未練も持たずにスタイルを変えてきました。
27日の公演はアンコールを含めて12曲、時間にして1時間50分くらいでした。その間、MCはほとんど無く、メンバーの紹介もありません。1曲あたり7~8分の長さ、それも歌よりもギター・ソロに重きを置く内容です。こんなにギターの演奏を堪能できるライブというのは久しぶりでした。
最後にSee You Next Year ! と告げて公演が終わりましたが、今年後半から行われるというツアーに日本も加えられるようです。
5月から製作されるという新作は、彼の出自であるケルト民族の音楽をベースにしたケルト・ロック系の内容になるそうです。1980年代の一時期にもそれを感じさせる作品を作っていましたから、ブルースからロックへの回帰でもあるかもしれません。その新作を中心のライブもぜひ聴いてみたいものです。
大変気疲れした今日の頭に、このノリのよいリズムは、スッと馴染み、とても心地のよいものでした。
音楽って、結局聴いていて心地よいかどうかなんですね~~
ま、ライブで聴いたら、ワタシは心地よいを通り越してそれこそ耳鳴りがするかもしれませんが、
それもスキモノにとっては、心地よいのでしょうね。
生涯現役だぁ
激しくテンポ速め、妥協は許さない。
年齢も言い訳にしない
私もそうでありたいです。
今日も4時間頑張るど~
「言霊」ならぬ「音霊」みたいなものがあるのかもしれません。ジャンルを問わずホンモノの音楽は、人の心を和ませたり奮い立たせたりするものだと思います。
ライブ後にバンドのメンバーで感想を語り合いましたが、一同、「参ったっ!」というもので、心地よい清々しい高揚感でした♪
若い頃から既に速いフィンガリングを身に付けていたGary Mooreですが、円熟感というものではなく、アグレッシブな面が人を惹きつけています。
加齢というものは、自身の気の持ちようなのかもしれません。
今日は練習の日でしょうか?がんばってください♪