- 2022年8月25日(木/仏滅):青空だけど秋風です。
時代小説というか歴史小説というと、
やっぱり司馬遼太郎さんの『竜馬がゆく』に代表されるように、
幕末とか戦国時代とか徳川関連とかが多かったり、
頭に浮かぶ作家さんも、
なんとなく男性が多いような気がします。
そんな中で女性陣も素敵な作品を発表しています。
その一人が澤田瞳子さんで、『若冲(じゃくちゅう)』は、
江戸時代の画家伊藤若冲さんのことが書かれているのだけど、
僕はこういう人が実在していたことを知りませんでした。
そして今回『阿蘭陀西鶴(おらんださいかく)』(朝井まかて著)
を読んだのですが、
これは江戸時代に実在した俳諧師であり、
今でいえば作家になる井原西鶴とその娘おあいを中心に
物語は展開していきます。
江戸時代の本と本屋事情がわかったり、
近松門左衛門、松尾芭蕉の話しも出てきます。
お二人とも文章がとても読みやすく、
人間関係が人情味溢れる視点で描かれているので、
読んでいても優しい気持ちになれたり清々しさを感じます。
男性作家さんとは一味違った視点の女性作家さん、
庶民の生活の営みを感じさせてくれる新たな歴史小説の楽しみ方、
しばらくは女性作家さんを読んでみようと思いました。