ひとり暮らしのおじさん日記

札幌市在住。70歳超えおじさんの気ままな日記。

今回も楽しく読みました。

2022-08-27 18:54:37 | 日記
  • 2022年8月27日(土/友引):時計を見たら18時45分。外は真っ暗。

イヤー、今回も楽しませてもらいましたー。

朝井まかてさんの『阿蘭陀西鶴』のことは

2,3日前にも書いたけど、

また一人好きな作家さんに出会った感じで、

手元には『恋歌(れんか)』が待機しています。それと、

今回初めて知った真梨幸子(まり・ゆきこ:1964年生まれ)さん。

『ふたり狂い』を読んだけど、短編8作品の連作で、

一作一作の奇妙なミステリアスな部分が微妙にシンクロしています。

その根底にあるのは、登場人物が持っている、

「妄想」「勘違い」「勝手な思い込み」などで、

ほんの些細な事で刺したり殺したりします。小説なんだし、

現実はこんなに簡単に事件なんて起きるはずはないし、

人間、そんなに馬鹿じゃないんだから、と思うけど、

たとえば「指入りコロッケ事件」が「指入りメンチカツ」

へすり替わっていく話は、メンチカツを揚げている主人公が、

クレーマーの出現によって、

指にしていた絆創膏が無くなっていることを知り、

そこに指入りコロッケ事件がオーバーラップしてきて、

もしや?と精神的に自分を追い込んでいく話しなのです。

今日、会社はきちんと管理していてそんな事は起きないけど、

記憶の曖昧さは往々にしてあるわけで、

時と場合によって僕も自分を追い詰めていく可能性もあると

思うと恐ろしくなってきました。

だけど、お化けは怖いけど一度見てみたいと思うように、

真梨作品をもうちょっと読んでみたいという思いにもなりました。

本日返した本

本日借りて来た本