最初に赴任した福建省の大学。キャンパスの真ん中を小川が流れていてとても美しい。
校舎の中は残念ながら、、、というレベルだけれども。
先週、東京の日本語学校に在学中の学生2人から、大学院に合格したという知らせが届いた。
2人とも写真の大学で最初に教えた学生である。
学校は、専科(3年制)から本科(4年制)大学に昇格したばかりの学校で中堅クラスの大学だったが、一人は40人の日本語科クラスの中で最も優秀な学生だった。彼女は北海道大学と東京外大の修士に合格したそうだ。
赴任して間もなく、学生たちに誘われて郊外の山にハイキングに行ったとき、帰り道のワゴンの中で、彼女が語った家族の物語が、激動の現代中国をそのまま表しているように思えてちょっと感動した。今考えれば、彼女は日本人の先生と話す機会を活かそうと懸命に考えて練習してきていたに違いない。その大学を辞めて浙江省の大学に変わってからもずっと連絡を取ってくれ、留学の相談にものった。
専門は日本文学で村上春樹の研究。日本語科ではない。卒論のタイトルは「村上春樹の隠喩」だった。
校正を頼まれたが自分で考えて資料を集めてしっかり書いていることが読み取れる論文だった。
言っちゃわるいが、日本語科の学生の卒論はまあコピペが当たり前なんである。
彼女の家は自営業だが、最近の中国経済の低迷が響いて経営が傾き、十分な仕送りもないらしい。家と連絡すると苦しい話ばかりされるので遠慮するほどだそうだ。その中で苦学して修士に合格した彼女の頑張りには敬服する。
もう一人の学生は、先月、大阪大学大学院受験のための面接練習にたっぷり付き合った学生。
そのほか、あちこちの大学院に推薦書を書いてあげたり研究計画書の校正をしたり。
彼女の家はかなり裕福で厳しい一人っ子政策が実施されていたにもかかわらず4人の弟妹がいる。
都市戸籍の場合、二人目からは死ぬほど罰金を払わないといけないのだが、子ども4人でも十分に払えるのさ、と建築関係で働いている父親は豪語していた。
こちらは明治大学と立教大学の日本語教育研究科修士に合格。
必死に努力していたのは分っているからこちらも心から祝福したい。
まさか彼女の可愛さが教授の心を動かしたのではあるまいと思うのでありますが。まさかまさか。。
2013年2月に彼女の故郷、焦作の映画村に行ったときのコスプレ写真。
右がくだんの学生、左はそのルームメイトで、4月から私が勤める日本語学校に入学する予定であります。
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