中国不滞在記 in 神戸

行って見て聞いて考えた中国のこと

エリート政治の方が民主主義よりいいって理解不能だ

2016年07月08日 | 中国の学生


犬の散歩の道すがら、野草が咲いていたので、少しいただいて、生けてみました。


日本語学校で総合科目を担当しています。

総合科目というのは日本の大学の文型学部に進学するために必要な学科で、英語で言うと

「Japan and the World」要するに留学生が日本で学ぶために必要な社会科的知識の寄せ集めで、現代社会、地歴、政経の基礎知識。といってもバカにしてはいけない。

もと社会科教師のわたくしでさえ、満点はなかなか取れない。

たとえば、地中海性気候を次の中から選べという問題。

①ニュージーランド     ②アメリカ合衆国南西部沿岸 
③アルゼンチン中部の沿岸  ④マダガスカル北部

地理の教師なら楽勝だろうが、歴史が本業だった私には難問。
地理は高1のとき、欠点を取ったぐらい嫌いだった。
だってほとんど暗記じゃん。それに引き替え歴史は複雑な因果関係を紐解く楽しい学問なのだ。水滸伝の108人の英雄の名前と字(あざな)なら空で全部言えたのだが。あ、これって文学じゃん。

①④でないことは明明白白(理由は分るよね?)じゃ②③のどちらだ?
地中海の位置を考えれば分かる。さてあなたは分かりましたか。

※正解は記事の最後に記してあります。興味のある方はご覧ください。(99%ないと思うけど)

それにしてもこれって日本の大学で学ぶのに必要な基礎知識なのか?
イスラム教とキリスト教の違いを知ってる方がもっと重要だ。

受講生は40名余り。正確な人数を書かないのは日々増減するからである。

最初登録していた日本語のレベルの低いクラスの学生は総崩れ。。
アメリカ人のハーフのかわいい女子学生も1回で姿を消した。残念。。。

6月の留学試験に向けて過去問を猛烈なスピードでこなしていたので已むおえない。
(とバッサリ切って捨てる)

数名の韓国人とベトナム人1名、インドネシア人1名を除くとほぼ全員中華圏から来ている学生。出来る中国人学生は日本の高校生よりはるかに高いレベルをいく。なんたって小学校から高校まで暗記の鬼で、全科目の教科書を欄外に至るまで暗記させられていたのだ。よって、テキストの暗記なんてお茶の子さいさい。

だが内容についての理解は乏しい。

政治の授業でイギリスが国民投票の結果、EU離脱が決まったことを取り上げたとき、ある学生が

「民主主義は愚かです。知識のない人たちが投票して決まります。だから教養のあるエリートに政治を任せるべきです。」つまり中国の政治システムがよいと。。

これは中国の大学生でもかなり普遍的な意見だろうと思う。
中国の14億の民を導いていくには、欧米日の民主主義では大混乱を招きかねないというのは、当然思うこと。とりわけ中国では民主主義政治に必要な政治倫理の伝統がほぼ皆無だ。だが、エリートの政治は、トップが間違った方向に国民を導いたとき歯止めが効かない。

毛沢東の大躍進、文化大革命でどれほどの犠牲が出たか知ってるでしょう、なんて反論すると、

「毛沢東は建国の英雄です。名前は忘れましたが(劉少奇だろ!!)一部の政治家が資本主義に走ったから文革が起きました。」

中国の学校教育では、生徒は文革についてきちんと教えられていないのだ。

「歴史を顧みない者に未来はない」と中国の政治家は日本を非難するが、それは中国においてこそあてはまる。

※正解は② その理由を知りたい方は⇒http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1012409465 

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